今日は、Nisaa ちゃんと、ハスィンとの共同企画WSでした。
今回はマカームとイーカーの事、即興部分についての韻とリズムの関係などを中心に説明しました。
Nisaa ちゃんの提案している「Zay El Asal (まるで蜂蜜のような)」の振り付けは、女性らしい、とても素晴らしいもので、Hcin が提案するリズムのアレンジにも柔軟に対処していました。
Nisaa ちゃんが「生演奏で振付を作るのはどうなんだろう?」という疑問を受けた時、私の回答は、
「勿論必要である」
というのが長年にわたって生演奏での伴奏を行ってきた私の結論です。
勿論、振付を作って来ても、本番のステージでは対処できない「即興演奏」については置いておくとして、
オリエンタル音楽は、曲中のメロディが非常に複雑に作られている為、その構成をしっかり覚える為にも、あらかじめ振付を用意をしておく事は、CD音源に対して振付を用意するのと同じです。
その上で、毎回、微妙に変化するであろうメロディ部とか、即興に対して、どれだけ「引き出し」を持っておくか、というのが大事だと思います。
何故そう言えるか、というとミュージシャン側も同じだからです。
オリエンタル音楽は、何度も同じメロディを繰り返しますが、トゥッティ部のメロディ部分(イタリア語表記による音楽用語で「全部」の意味。全ての奏者が同時に演奏する所)以外のソロパートは、各楽器が得意とする節回しで、楽譜に書かれたメロディの変奏を行うので、その引き出しの多さが大事になってきます。
それに伴って、マカームの知識と即興演奏の技術が必要とされてくるのですが、それに至るには、多くのエチュードを弾きこなさなければなりません。
だから多くの振り付けを学び、それを自分のものにする事が、ダンスの技術と引き出しの多さを増やす事に成る筈なのです。
では、なぜ生演奏のWSを受ける事が必要かというと、CDなどの音源だけでは理解できない、その音や音楽に実際に触れる事が大切だからです。
私が多くを学ばせてもらった小泉文夫氏の著書の中に「世界の民族音楽探訪」(実業之日本社)という本があり、その中でも、出来る限り演奏会に出かけて実際に演奏される音楽に触れる事が重要であるという事を述べられています。
ハスィンも希望していますが、そういう意味でも、このようなWSが広がって来ると良いなぁ、と思う一日でした。
写真はマドカちゃんより拝借。