まつや清の日記 マツキヨ通信

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「浜岡3号機 運転再開は容認できぬ」信濃毎日新聞社説

2011年05月01日 | ニュース・関心事
長野県知事の対応に注目です。

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○110430社説

「浜岡3号機 運転再開は容認できぬ」 4月30日(土)

 中部電力が、定期点検中の浜岡原発3号機(静岡県御前崎市)について、7月に運転再開の予定と発表した。地元の理解を得て、という前提ではある。

 東日本大震災から2カ月近くを経ても、東京電力福島第1原発事故は、収束の道筋が見えない。原発の安全性が根底から揺らいでいる。いまの状況では、運転再開は容認できない。

 川勝平太静岡県知事が難色を示している。中部電力は、静岡はもとより長野も含めた近隣各県の意見を十分に聞くべきだ。

 夏場は電力の需要が増える。とはいえ3号機を動かさなければ賄えないものなのか。需要の予測、供給能力について精査が要る。

 足りない場合、原発以外の発電で補えないか。業界ごとに交代で工場を稼働する輪番操業、節電など需要を抑える工夫もある。さまざまな選択肢があるはずだ。

 地震と津波の対策を万全にすることが、再開の最低条件となる。中部電力はこれまで津波の高さを8・3メートルと想定していたが、震災を受けて12メートルの津波に耐える防波壁を建設する。安全対策費に300億円を投じるという。

 福島第1原発を襲った津波は、想定の2倍を超えた。そもそもの想定の根拠、妥当性から問い直されるべきである。

 安全対策をチェックするのは原子力安全・保安院の役割だ。その信頼は震災でゆれている

 中部電力のいう「地元の理解」についても、従来のとらえ方でいいのか。福島原発の事故を受けて再検討が求められる。

 浜岡原発から長野県境までは約70キロ。万が一事故が起きたら、県内も影響を受ける可能性がある。放射性物質は広い地域に拡散し、長期にわたり汚染し続ける。

 浜岡原発は東海地震の想定震源域の真上にある。本来は適切とは考えにくい立地である。1、2号機が着工された1970年代前半、プレート境界が直下にあることは分かっていなかった。その後安全対策が重ねられ、1、2号機は廃炉のため運転を終了している。立地そのものがはらむ危険性は解消しきれていない。

 長野県内では現在稼働中の原子炉の停止を求める署名運動が起きている。中部電力は住民の不安を真剣に受けとめてほしい。

 どんなに安全対策をしても、自然の猛威は防ぎきれない。原発の安全性については、きわめて厳格に考えることが重要だ-。今回の震災から学んだ苦い教訓である。運転再開を急ぐべきではない。