ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ウルトラQ(灸)

2010年12月28日 | ひとりごと
旦那姉一家が、とうとうのとうとう、ノルウェーまでの飛行機を確保できた。
クリスマスイヴから続いたドタバタがやっと終わりに近づいてきた。

こういう混沌としている時に、普段どうしても踏み切れずにいることをやるのはいいことだ。
人はこれをヤケクソと言ふ。

わたしにとってそれは『灸』。
一年以上前から痛み出した小指の関節が、見る見るうちに変形してきて、それが小さなコブになってしまっている。
形が変わるぐらいはいいのだけれど、それが痛み出したからいけない。
特にピアノの鍵盤を叩いたり、その部分が鍵盤に触れたりした時などは、ヒッと飛び上がるぐらいの痛みになってしまっていた。
旦那が、これにはお灸が一番効くと言って、かなり前から勧められていたのだが、如何せん、何が苦手って、お灸ほど苦手なものはない。
自分でも理由がわからないのだけれど、とにかくあの、線香の先っぽの赤い部分が近づいてきただけで、ジジッと焼かれるような痛みを感じてしまう。
で、いつもはものすごい勢いで断っていたのだけれど、この痛みが軽減されるなら……と少し気持ちが傾いてはいた。

ここで突然ですが、お灸の効能を少し。

自律神経などに作用して、内分泌に影響を与えることが確認されており、局所の火傷から出る加熱蛋白体(ヒストトキシン)は、血中に吸収され、各種幼弱白血球が増加して免疫機能が亢進することが認められている。

* 増血作用 - 灸をすることで赤血球を増やし、血流を良くする
* 止血作用 - 灸をすることで血小板の働きを良くし、治癒の促進を促す。
* 強心作用 - 灸をすることで白血球を増やし、外敵から防御する。

とにもかくにも、新年に入ったら即、オーディションやらコンサートやらが毎月1回入っていて、そのための練習の量もガンガン増えていくだろう。
それなのに、こんな痛みを持ったまま、そんな量の練習をこなせるわけがない。
なので、このゴチャゴチャした状態の家の中で、ヤケクソになることにした。

旦那に「自分でやってみるわ」と伝えると、喜々としてお灸セットを持ってきてくれた。


左から。チャッカマン。やけど止めのクリーム。線香。アルミホイルで作った即席線香受け。アルミホイルの左下横にちょこんとあるのがもぐさ。

やり方を説明してもらい、さっそく気が変わらないうちに実行だぁ~!ごっくん(←やっぱり恐いので唾を飲み込む)

まずはもぐさを少しずつ千切り、それを手のひらでクルクル揉みながらとても小さな棒状にする。


クリームをお灸をすえる所に薄く塗る。


熱くならないようにとベトベトに塗っていたら、このクリームの成分の中に油が入っているので、かえって危険、と旦那に言われ、慌てて削り取る。

小さな小さな塊を乗っけ、恐々点火。一瞬アチッと思ったけれど、まあ我慢できる程度。


闘いの後。


ふぅ~……。
とりあえずは無事に終了。
困ったことに、小指がかなり気持ち良さげ。痛みも和らいだ。
こりゃもう、旦那に言われている通り、一日に数回、それを毎日続けるっきゃないのかも。
それにしても、なんでもっと早くに、こんなになってしまう前にやらなかったのか……まあ、それがわたしなんやからしゃあないってことか。


なんてなことを、眉間にシワ寄せてやってるわたしの横で、ちゃっちゃと旅行の準備を整えたアードリィ一家。
さあ、ノルウェーに出発!ってまあ、こっちもおんなじような気候やったけどね。ガハハ!
 

行ってらっしゃ~い!



コメント (16)
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