その時旦那は、二階の風呂に入っていた。
その時わたしは、一階の自分のパソコンの前に座っていて、そろそろスウィッチを消して自分も二階に行こうと思っていた。
その時ショーティは、わたしのすぐ右横の丸椅子の上で丸まって、スヤスヤと眠っていた。
「ビ~~~ン」
いきなり鳴ったギターのG線の音にびっくりして、聞こえた方向(わたしの左側のリビング)に振り向いた。
ショーティも頭だけ持ち上げ、「ニャ~」と一声、「今のなに?」という感じでわたしの顔を見た。
旦那め、そろそろと降りてきて、わたしをびっくりさせようといたずらしたな?
ったくもう……とちょっとだけ腹を立てながら椅子から立ち上がり、居間の方を覗き込んだ。
し~ん……そこには誰もおらず、床の上に置いた、ショーティがゲ◯を吐いて汚した丸いクッションの上に、旦那のギターがポツンと乗っていた。
そ、そんな……。
「Bill! Bill! BIIIIII~LL!!」
「WHAT!!」
「一階のギター弾いた?」
「今風呂から出たとこ!」
「じゃあ、二階のギター弾いた?」
「はぁ?」
「G線鳴らした?」
階段の下で、すでに涙目になっているわたしを、いったい何を言われているのかさっぱりわかっていない旦那は、呆然と立ったまま眺めていた。
なんでもええからとにかく上に上がって来いと手招きする旦那。もちろんそうするわいと駆け上がり、旦那の部屋に入った。
「今着替えてて、この辺に居たから、もしかしたらボタンとかがひっかかってこのギターを鳴らしたかも」
ふむ……そうであって欲しいと強烈に思いつつ、そのギターのGの弦をつま弾いてみる。
嗚呼~どないしょう……やっぱり一階のあのギターや。
旦那の部屋のそれはエレクトリックで、電源の入っていないその弦の響きは、さっき聞こえたものとは全く違っていた。
G線の、たった一回だけ鳴った、とても鮮やかな音。
あれはいったい誰が、なにを伝えたくて鳴らした音だったんだろう。
それをずっと昨日から考え続けている。
昨夜はまだちょっと恐かったので、写真を撮ることができなかった。
その時わたしは、一階の自分のパソコンの前に座っていて、そろそろスウィッチを消して自分も二階に行こうと思っていた。
その時ショーティは、わたしのすぐ右横の丸椅子の上で丸まって、スヤスヤと眠っていた。
「ビ~~~ン」
いきなり鳴ったギターのG線の音にびっくりして、聞こえた方向(わたしの左側のリビング)に振り向いた。
ショーティも頭だけ持ち上げ、「ニャ~」と一声、「今のなに?」という感じでわたしの顔を見た。
旦那め、そろそろと降りてきて、わたしをびっくりさせようといたずらしたな?
ったくもう……とちょっとだけ腹を立てながら椅子から立ち上がり、居間の方を覗き込んだ。
し~ん……そこには誰もおらず、床の上に置いた、ショーティがゲ◯を吐いて汚した丸いクッションの上に、旦那のギターがポツンと乗っていた。
そ、そんな……。
「Bill! Bill! BIIIIII~LL!!」
「WHAT!!」
「一階のギター弾いた?」
「今風呂から出たとこ!」
「じゃあ、二階のギター弾いた?」
「はぁ?」
「G線鳴らした?」
階段の下で、すでに涙目になっているわたしを、いったい何を言われているのかさっぱりわかっていない旦那は、呆然と立ったまま眺めていた。
なんでもええからとにかく上に上がって来いと手招きする旦那。もちろんそうするわいと駆け上がり、旦那の部屋に入った。
「今着替えてて、この辺に居たから、もしかしたらボタンとかがひっかかってこのギターを鳴らしたかも」
ふむ……そうであって欲しいと強烈に思いつつ、そのギターのGの弦をつま弾いてみる。
嗚呼~どないしょう……やっぱり一階のあのギターや。
旦那の部屋のそれはエレクトリックで、電源の入っていないその弦の響きは、さっき聞こえたものとは全く違っていた。
G線の、たった一回だけ鳴った、とても鮮やかな音。
あれはいったい誰が、なにを伝えたくて鳴らした音だったんだろう。
それをずっと昨日から考え続けている。
昨夜はまだちょっと恐かったので、写真を撮ることができなかった。