もうひとつ、中村隆市さんが書かれた、ドキュメンタリー映画『変身 - Metanorphosis』と、その制作者である堀潤さんについての記事を、紹介させていただきます。
このドキュメンタリー映画『変身』が出来上がった頃のことを、まだ覚えています。
異様な緊張が、制作者の堀さんとNHKとの間に存在していたこと、それの前後に、堀さんが、ドキリとするようなツィートを何度もされていたこと、
いったいどうなるのだろうと、自分のことのように心配していました。
そのツィートの中から、少しだけ抜粋したものを、この記事の最後に載せました。
堀さんが高校生の頃に、松本サリン事件が起こりました。
そしてその時、何の罪もない会社員の方が、マスコミによって、みるみるうちに犯人に仕立て上げられたのを目の当たりにし、
その後大学では、プロパガンダに興味を持ち、「ナチスドイツと太平洋戦争下のNHK」を卒論のテーマにしました。
日本を代表する放送局のNHKが変わらなければ、日本はいつまでも変われないと思い、
どうせなら、自分がNHKの中に入って、内側から変えてやろうと考え、
だから、最終面接でも同じような話をしたそうです。
理事から、
「君は、NHKみたいな大組織を、変えられると思ってるのか?」と聞かれたので、
「一生懸命話をすれば、変わると思います」と答えました。
そうしたら、面接官が、ワハハハハと笑って、
「そう思うんだったら、一緒にやっていこう」と言ったんです。
だから、それが、僕とNHKとの約束だと思っていたので、NHKを変えるために、一生懸命頑張っていたんです。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw590393
だけども叶わなかった。
どうにもこうにも変えられることなどできなかった。
いろいろないきさつがあっただろうと思います。
彼のように名前が知られているわけでもない、市井の人たちの中にも、大変な思いをしながら、これまでの生活と折り合いを付けながら、
なんとかこの国の在り方を変えたいと、一所懸命に考えたり、行動したりしている方々がおられます。
中村さん同様、わたしも、そのような方たちを、できる限り支え、応援していきたいと思っています。
↓以下、転載はじめ
原発事故から3年半。
福島の子どもの甲状腺がんが、(疑い含め)100人を超え、様々な病気が増え始め、
急性心筋梗塞と、慢性リウマチ性心疾患が、全国平均の2.4倍以上に急増する今、
http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-17684
「人気アナウンサーだった堀潤さんが、NHKをやめてまで表現したかったドキュメンタリー映画」を、多くの人に見てほしいと思います。
そして、こうした素晴しい映画を、多くの人に見てもらう事業にチャレンジしている、「若き社会起業家たち」を再度、紹介します。
◆中村 隆市のレビューから
http://unitedpeople.jp/henshin/archives/1660
ドキュメンタリー映画 『変身 - Metamorphosis』を観た。
素晴らしい映画だった。
堀潤さんが、将来の生活が保証されたNHKアナウンサーを、やめてまで表現したかったのは何か。
私がこの映画を観たかった最大の理由が、それだった。
映画は、福島第一原発3号機の爆発から始まる。
がんで亡くなられた吉田昌郎所長が、叫ぶ。
「本店!本店!大変です!大変です!3号機、今、爆発が起こりました!」
「現場の人は退避!退避!緊急連絡・・・」
次に場面は、2013年6月の、浪江町に変わる。
児童か生徒が避難した、学校の荒れた教室の窓から、原発が見える。
これほど近くに学校があることに、今更ながら驚く。
2012年夏の、大飯原発再稼働に反対する、歴史的な国会大包囲デモを経て、映像は、カリフォルニアのシミバレーに変わる。
半世紀前に起きた、サンタスサーナ原子炉実験場事故で、43本の核燃料のうち13本が溶け出して、膨大な放射性物質が放出されたと見られているが、
政府は、「大気中への放射性物質の放出はなかった」と発表。
地元の住民は、深刻な放射能汚染の実態を、知らなかった。
30年後に実態がわかったとき、花を栽培していた女性は、恐怖を感じた。
日常的に土にさわっていたその女性は、2009年、白血病と診断された。
甲状腺の手術もした。
情報を隠してきたことについて、米国エネルギー省の担当者はこう言った。
「念頭に置いておいてほしいのですが、この施設は非常に軍事的で、機密性の高い場所です。
簡単に、『ここに原子炉があるぜ!』とは公言できません」
住民の要請を受けて、国が、放射能汚染の実態調査に着手したのは、実に、事故から50年後の、2009年だった。
セシウム137の汚染数値が、通常の1000倍と発表された調査報告会で、おじいさんが、報告者にこう聞いた。
「私たちが主に心配しているのは、長期にわたって流れ出てくる水や物質、空気中にある粒子で、どんな影響を受けるかです。
妻は4つのがんを患っていて、もうすぐ、また別の手術を受けるかもしれません。
私たちが何に、どんな影響を受けるのか、それを誰に聞けばいいのか、知りたいんです」
「1週間ほど前に、この地域は、乳がんになる率が州で1番高く、おそらく、国内でも1番高いという調査結果が、記事に出ていました」
「シミバレー育ちの、12人の40歳以下の若い女性たちが、乳がんになったのです、凄い数ですよ」
ここまで観て、この映画は、特に、福島をはじめとする東北、関東の人に、観てほしいと思った。
さらに映画を観ていくと、
福島原発事故の後、国は、風向きなどによって、放射性物質が流れる方向を把握していたが公表せず、
避難者が、汚染がひどい地域に「避難」した事実を追う。
2011年3月14日、東電がベントをするときの様子が、録画されている。
「今、風が、陸地側、双葉町方向に向って吹いています。
放出にあたっては、ヨウ素の放出量が、桁違いに上がります」
吉田所長:
現場の作業員、うちの社員、1回、こちらに退避させてよろしいですか?
武藤副社長・原子力立地本部長:
了解しました。
吉田所長:
退避命令出します。
被ばく評価の結果出ました。
最大ポイントは、2.2km先、ちょうど敷地境界あたりで、5700ミリシーベルトです。
250ミリシーベルト圏内が、ずっと相馬郡の方まで、3時間で広がっていく評価になります。
今、プレスには話すのを(情報を流すのを)止めています。
映画は、もし、放射性物質拡散予測システム「SPEEDI(スピーディ)」の情報が公開されていたなら、
放射性物質が少ない方に逃げたり、室内で待機することで、無用な被ばくをせずにすんだであろうこと。
少なくとも、放射性物質が多い方に逃げることはなかった、ということを検証する。
次に、映画は、原発事故処理の作業員として、現場に潜入した男性が、自身も被曝しながら撮影した映像を、映し出す。
東電の下請け作業員として働く、作業員の大半が、全国から集められた「日雇い」で、18歳、19歳の未成年も含まれている。
放射線の知識もない素人たちの集団が、「ウソの履歴書」で経験者に仕立てられ、現場に送り込まれる。
現場は、
「1分間に1ミリシーベルトを浴びる」驚くべき高線量下での作業であることが、明かされた。
作業員たちから、「不安の声」が上がった。
雇用会社の担当者は、
「1日1ミリ浴びても、8日経てば半減し、ゼロになる」と話し、放射線の影響は蓄積されない、と説明した。
高線量の被ばく作業をしながら、2ヶ月間に渡って、不正の現場を撮影した男性が語る。
「作業をやってきて、どう考えても40年、50年では終わらないだとろう。
ということは、自分らは40年、50年は生きられないので、これから生まれてくる誰かが行かないと、何ともならないんじゃないか。
あの原発は、1ワットも生み出せないんで、処理するためだけに、これから生まれてくる人が放射線を浴びる。
原発をつくってきた人たちは、自分たちで片付けられるんならいいけど、実際できてないし、できないじゃないですか」
この言葉は、すべての日本人が、心に刻む必要があると思った。
後半、『レベル7』の福島原発事故よりも、レベルが2つ低い『レベル5』の、スリーマイル島原発事故で起こった被害の実態を、取材していく。
原発事故当時の風向きと、ガンの発生率が関連し、スリーマイル事故とガンの増加に、因果関係があることがわかる。
被ばくした量に応じて、ガンが増えている。
堀潤さんが、NHKをやめてまで表現したかったことを、一人でも多くの人に観てほしい。
そして、一人でも多くの人に、上映会を開いてほしいと思う。
この映画を配給しているユナイテッドピープル社は、
原発事故の後、本社を関東から福岡に移転させ、地域での市民運動にも参加しながら、
「人と人とをつなぎ、世界の問題を解決する」をミッションに、Webメディアの運営、映画配給・宣伝を行なっている。
◆ドキュメンタリー映画 『変身 - Metamorphosis』
https://borderlesspeople.com/movies/4
----こうした素晴しい映画を広めている、若き社会起業家たち----
「戦争、貧困、人権、環境問題など、世界の課題を、人と人をつないで解決する」
「ビジネスを通して社会を変えることができる」と確信している、若い社会起業家たちが手を組んで、「ペイフォワード」の映画館版を始めました。
■ボーダレス・ピープル
https://borderlesspeople.com
非常に意義深い、楽しみな取り組みです。
これを始めた2つの会社の経営者は、どちらも30代。
■ユナイテッドピープル株式会社
http://unitedpeople.jp/
一人ひとりをつないで、よりよい世界をつくっていく。
ユナイテッドピープルという社名は、文字通り、人と人の連帯を意味します。
人と人をつないでいき、力を合わせて、よりよい世界を創っていきたい。
そんな願いを込めて、ユナイテッドピープルという社名を選びました。
戦争・紛争、饑餓・貧困、人権、環境問題など、 私たちが生きている世界には、多くの難しい問題が存在します。
どの問題も、決して、解決することは簡単ではありませんが、
私たち一人ひとりが、力を持ち寄り、知恵を出し合えば、 きっとどんな大きな問題でも、解決できるはずです。
誰かが問題を起こすことができれば、 誰かが問題を解決することだってできるのです。
組織を超え、国を超え、人種を超え、宗教の壁を超え、 一人ひとりをつないでいく。
私たちは、世界中の人と人をつなぎ、様々な問題を解決し、すべての人が共に幸せを分かち合える社会を創るために、貢献していきます。
奪い合いから、分かち合いの世界へ。
■株式会社ボーダレス・ジャパン
http://www.borderless-japan.com/
「貧困」「環境」「人種差別」など、私たちが住む世界には、解決すべき問題がたくさんあります。
これらの問題が生じ、また、なかなか解決されない理由は、人々の無関心によるものかも知れません。
私たちは、この問題の解決に、ビジネスという、人々の生活に欠かせない「経済活動」からアプローチすることで、
より継続的・循環的な取り組みと、問題の解決を実現します。
(中村コメント)
ボーダレス・ジャパンは、
「偏見のない世界をつくる多国籍コミュニティハウス」、
「(途上国の)貧困農家にハーブの有機栽培をしてもらう事業」、
「 バングラデシュから児童労働をなくす子供服」など、
日本(東京・福岡)・韓国・バングラデシュ・ミャンマーを拠点に、意義深い、多様な社会事業に取り組んでいます。
↑以上、転載おわり
↓以下に、『変身 - Metamorphosis』の簡単な紹介を、付け加えさせていただきます。
◆ドキュメンタリー映画 『変身 - Metamorphosis』
https://borderlesspeople.com/movies/4
福島第一原発事故においては、NHKを含む大手メディアによる報道では、ほとんど伝えられなかった事故の実態が、
インターネットでは先んじて、情報が伝達されていたことを、明らかにしていく。
情報が公開されない中、放射線が高い地域に避難してしまった、被災住民。
原子炉の爆発を食い止めるために行われた、ベントによって放出される、莫大なレベルの放射能量の数値を、公的に発表しなかった政府。
被曝を余儀なくされる原発事故収束作業への、お粗末な放射線教育の事態。
“原発安全神話”にあぐらをかいて、事故発生時の住民避難計画が、いかにお粗末なものだったかを暴露する。
原発事故の収束作業は、国や東京電力の予測でも40年。
未来の世代まで続く問題だ。
半世紀前に起きた、サンタスサーナ原子炉実験場事故などのように、忘却していっていいのか?
被災住民は、どうなっていくのか?
決して忘却してはならない現実が、今、明らかになる。
↑以上、引用おわり
そして以下の言葉は、掘氏が、ツィッターで発信したものからの抜粋です。
「国や組織に期待してはだめだ。もうだめだ。僕らで動こう。僕らで考えよう。僕らでこの国を変えよう。だって、僕らの国なんだからさ」(11年12月)
「国民の生命、財産を守る公共放送の役割を果たさなかった。私たちの不作為を徹底的に反省し、謝罪しなければならない」
「僕が、UCLAで作った映画が、局内で大問題になり、ロスで、米国市民の皆さんが企画した上映会も、中止に追い込まれました。
『反原発と言われるものは困る』と、指摘を受けましたが、事故が起きたことによる、不条理な現状を描いているに過ぎません。
市民が共有し、未来に活かさなくてはならないものです」
「米国市民からは、突然の上映中止の通達に、『日本ではこれが日常なのか?』と、怒りを通り越して驚き、理解ができないという声が上がっています。
僕が、学生の時に研究した太平洋戦争下の状況と、本質は変わりません。
公共メディアは誰のものか?
知る権利を有する、市民のものです。
表現の自由を有する、市民のものです」
このドキュメンタリー映画『変身』が出来上がった頃のことを、まだ覚えています。
異様な緊張が、制作者の堀さんとNHKとの間に存在していたこと、それの前後に、堀さんが、ドキリとするようなツィートを何度もされていたこと、
いったいどうなるのだろうと、自分のことのように心配していました。
そのツィートの中から、少しだけ抜粋したものを、この記事の最後に載せました。
堀さんが高校生の頃に、松本サリン事件が起こりました。
そしてその時、何の罪もない会社員の方が、マスコミによって、みるみるうちに犯人に仕立て上げられたのを目の当たりにし、
その後大学では、プロパガンダに興味を持ち、「ナチスドイツと太平洋戦争下のNHK」を卒論のテーマにしました。
日本を代表する放送局のNHKが変わらなければ、日本はいつまでも変われないと思い、
どうせなら、自分がNHKの中に入って、内側から変えてやろうと考え、
だから、最終面接でも同じような話をしたそうです。
理事から、
「君は、NHKみたいな大組織を、変えられると思ってるのか?」と聞かれたので、
「一生懸命話をすれば、変わると思います」と答えました。
そうしたら、面接官が、ワハハハハと笑って、
「そう思うんだったら、一緒にやっていこう」と言ったんです。
だから、それが、僕とNHKとの約束だと思っていたので、NHKを変えるために、一生懸命頑張っていたんです。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw590393
だけども叶わなかった。
どうにもこうにも変えられることなどできなかった。
いろいろないきさつがあっただろうと思います。
彼のように名前が知られているわけでもない、市井の人たちの中にも、大変な思いをしながら、これまでの生活と折り合いを付けながら、
なんとかこの国の在り方を変えたいと、一所懸命に考えたり、行動したりしている方々がおられます。
中村さん同様、わたしも、そのような方たちを、できる限り支え、応援していきたいと思っています。
↓以下、転載はじめ
原発事故から3年半。
福島の子どもの甲状腺がんが、(疑い含め)100人を超え、様々な病気が増え始め、
急性心筋梗塞と、慢性リウマチ性心疾患が、全国平均の2.4倍以上に急増する今、
http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-17684
「人気アナウンサーだった堀潤さんが、NHKをやめてまで表現したかったドキュメンタリー映画」を、多くの人に見てほしいと思います。
そして、こうした素晴しい映画を、多くの人に見てもらう事業にチャレンジしている、「若き社会起業家たち」を再度、紹介します。
◆中村 隆市のレビューから
http://unitedpeople.jp/henshin/archives/1660
ドキュメンタリー映画 『変身 - Metamorphosis』を観た。
素晴らしい映画だった。
堀潤さんが、将来の生活が保証されたNHKアナウンサーを、やめてまで表現したかったのは何か。
私がこの映画を観たかった最大の理由が、それだった。
映画は、福島第一原発3号機の爆発から始まる。
がんで亡くなられた吉田昌郎所長が、叫ぶ。
「本店!本店!大変です!大変です!3号機、今、爆発が起こりました!」
「現場の人は退避!退避!緊急連絡・・・」
次に場面は、2013年6月の、浪江町に変わる。
児童か生徒が避難した、学校の荒れた教室の窓から、原発が見える。
これほど近くに学校があることに、今更ながら驚く。
2012年夏の、大飯原発再稼働に反対する、歴史的な国会大包囲デモを経て、映像は、カリフォルニアのシミバレーに変わる。
半世紀前に起きた、サンタスサーナ原子炉実験場事故で、43本の核燃料のうち13本が溶け出して、膨大な放射性物質が放出されたと見られているが、
政府は、「大気中への放射性物質の放出はなかった」と発表。
地元の住民は、深刻な放射能汚染の実態を、知らなかった。
30年後に実態がわかったとき、花を栽培していた女性は、恐怖を感じた。
日常的に土にさわっていたその女性は、2009年、白血病と診断された。
甲状腺の手術もした。
情報を隠してきたことについて、米国エネルギー省の担当者はこう言った。
「念頭に置いておいてほしいのですが、この施設は非常に軍事的で、機密性の高い場所です。
簡単に、『ここに原子炉があるぜ!』とは公言できません」
住民の要請を受けて、国が、放射能汚染の実態調査に着手したのは、実に、事故から50年後の、2009年だった。
セシウム137の汚染数値が、通常の1000倍と発表された調査報告会で、おじいさんが、報告者にこう聞いた。
「私たちが主に心配しているのは、長期にわたって流れ出てくる水や物質、空気中にある粒子で、どんな影響を受けるかです。
妻は4つのがんを患っていて、もうすぐ、また別の手術を受けるかもしれません。
私たちが何に、どんな影響を受けるのか、それを誰に聞けばいいのか、知りたいんです」
「1週間ほど前に、この地域は、乳がんになる率が州で1番高く、おそらく、国内でも1番高いという調査結果が、記事に出ていました」
「シミバレー育ちの、12人の40歳以下の若い女性たちが、乳がんになったのです、凄い数ですよ」
ここまで観て、この映画は、特に、福島をはじめとする東北、関東の人に、観てほしいと思った。
さらに映画を観ていくと、
福島原発事故の後、国は、風向きなどによって、放射性物質が流れる方向を把握していたが公表せず、
避難者が、汚染がひどい地域に「避難」した事実を追う。
2011年3月14日、東電がベントをするときの様子が、録画されている。
「今、風が、陸地側、双葉町方向に向って吹いています。
放出にあたっては、ヨウ素の放出量が、桁違いに上がります」
吉田所長:
現場の作業員、うちの社員、1回、こちらに退避させてよろしいですか?
武藤副社長・原子力立地本部長:
了解しました。
吉田所長:
退避命令出します。
被ばく評価の結果出ました。
最大ポイントは、2.2km先、ちょうど敷地境界あたりで、5700ミリシーベルトです。
250ミリシーベルト圏内が、ずっと相馬郡の方まで、3時間で広がっていく評価になります。
今、プレスには話すのを(情報を流すのを)止めています。
映画は、もし、放射性物質拡散予測システム「SPEEDI(スピーディ)」の情報が公開されていたなら、
放射性物質が少ない方に逃げたり、室内で待機することで、無用な被ばくをせずにすんだであろうこと。
少なくとも、放射性物質が多い方に逃げることはなかった、ということを検証する。
次に、映画は、原発事故処理の作業員として、現場に潜入した男性が、自身も被曝しながら撮影した映像を、映し出す。
東電の下請け作業員として働く、作業員の大半が、全国から集められた「日雇い」で、18歳、19歳の未成年も含まれている。
放射線の知識もない素人たちの集団が、「ウソの履歴書」で経験者に仕立てられ、現場に送り込まれる。
現場は、
「1分間に1ミリシーベルトを浴びる」驚くべき高線量下での作業であることが、明かされた。
作業員たちから、「不安の声」が上がった。
雇用会社の担当者は、
「1日1ミリ浴びても、8日経てば半減し、ゼロになる」と話し、放射線の影響は蓄積されない、と説明した。
高線量の被ばく作業をしながら、2ヶ月間に渡って、不正の現場を撮影した男性が語る。
「作業をやってきて、どう考えても40年、50年では終わらないだとろう。
ということは、自分らは40年、50年は生きられないので、これから生まれてくる誰かが行かないと、何ともならないんじゃないか。
あの原発は、1ワットも生み出せないんで、処理するためだけに、これから生まれてくる人が放射線を浴びる。
原発をつくってきた人たちは、自分たちで片付けられるんならいいけど、実際できてないし、できないじゃないですか」
この言葉は、すべての日本人が、心に刻む必要があると思った。
後半、『レベル7』の福島原発事故よりも、レベルが2つ低い『レベル5』の、スリーマイル島原発事故で起こった被害の実態を、取材していく。
原発事故当時の風向きと、ガンの発生率が関連し、スリーマイル事故とガンの増加に、因果関係があることがわかる。
被ばくした量に応じて、ガンが増えている。
堀潤さんが、NHKをやめてまで表現したかったことを、一人でも多くの人に観てほしい。
そして、一人でも多くの人に、上映会を開いてほしいと思う。
この映画を配給しているユナイテッドピープル社は、
原発事故の後、本社を関東から福岡に移転させ、地域での市民運動にも参加しながら、
「人と人とをつなぎ、世界の問題を解決する」をミッションに、Webメディアの運営、映画配給・宣伝を行なっている。
◆ドキュメンタリー映画 『変身 - Metamorphosis』
https://borderlesspeople.com/movies/4
----こうした素晴しい映画を広めている、若き社会起業家たち----
「戦争、貧困、人権、環境問題など、世界の課題を、人と人をつないで解決する」
「ビジネスを通して社会を変えることができる」と確信している、若い社会起業家たちが手を組んで、「ペイフォワード」の映画館版を始めました。
■ボーダレス・ピープル
https://borderlesspeople.com
非常に意義深い、楽しみな取り組みです。
これを始めた2つの会社の経営者は、どちらも30代。
■ユナイテッドピープル株式会社
http://unitedpeople.jp/
一人ひとりをつないで、よりよい世界をつくっていく。
ユナイテッドピープルという社名は、文字通り、人と人の連帯を意味します。
人と人をつないでいき、力を合わせて、よりよい世界を創っていきたい。
そんな願いを込めて、ユナイテッドピープルという社名を選びました。
戦争・紛争、饑餓・貧困、人権、環境問題など、 私たちが生きている世界には、多くの難しい問題が存在します。
どの問題も、決して、解決することは簡単ではありませんが、
私たち一人ひとりが、力を持ち寄り、知恵を出し合えば、 きっとどんな大きな問題でも、解決できるはずです。
誰かが問題を起こすことができれば、 誰かが問題を解決することだってできるのです。
組織を超え、国を超え、人種を超え、宗教の壁を超え、 一人ひとりをつないでいく。
私たちは、世界中の人と人をつなぎ、様々な問題を解決し、すべての人が共に幸せを分かち合える社会を創るために、貢献していきます。
奪い合いから、分かち合いの世界へ。
■株式会社ボーダレス・ジャパン
http://www.borderless-japan.com/
「貧困」「環境」「人種差別」など、私たちが住む世界には、解決すべき問題がたくさんあります。
これらの問題が生じ、また、なかなか解決されない理由は、人々の無関心によるものかも知れません。
私たちは、この問題の解決に、ビジネスという、人々の生活に欠かせない「経済活動」からアプローチすることで、
より継続的・循環的な取り組みと、問題の解決を実現します。
(中村コメント)
ボーダレス・ジャパンは、
「偏見のない世界をつくる多国籍コミュニティハウス」、
「(途上国の)貧困農家にハーブの有機栽培をしてもらう事業」、
「 バングラデシュから児童労働をなくす子供服」など、
日本(東京・福岡)・韓国・バングラデシュ・ミャンマーを拠点に、意義深い、多様な社会事業に取り組んでいます。
↑以上、転載おわり
↓以下に、『変身 - Metamorphosis』の簡単な紹介を、付け加えさせていただきます。
◆ドキュメンタリー映画 『変身 - Metamorphosis』
https://borderlesspeople.com/movies/4
福島第一原発事故においては、NHKを含む大手メディアによる報道では、ほとんど伝えられなかった事故の実態が、
インターネットでは先んじて、情報が伝達されていたことを、明らかにしていく。
情報が公開されない中、放射線が高い地域に避難してしまった、被災住民。
原子炉の爆発を食い止めるために行われた、ベントによって放出される、莫大なレベルの放射能量の数値を、公的に発表しなかった政府。
被曝を余儀なくされる原発事故収束作業への、お粗末な放射線教育の事態。
“原発安全神話”にあぐらをかいて、事故発生時の住民避難計画が、いかにお粗末なものだったかを暴露する。
原発事故の収束作業は、国や東京電力の予測でも40年。
未来の世代まで続く問題だ。
半世紀前に起きた、サンタスサーナ原子炉実験場事故などのように、忘却していっていいのか?
被災住民は、どうなっていくのか?
決して忘却してはならない現実が、今、明らかになる。
↑以上、引用おわり
そして以下の言葉は、掘氏が、ツィッターで発信したものからの抜粋です。
「国や組織に期待してはだめだ。もうだめだ。僕らで動こう。僕らで考えよう。僕らでこの国を変えよう。だって、僕らの国なんだからさ」(11年12月)
「国民の生命、財産を守る公共放送の役割を果たさなかった。私たちの不作為を徹底的に反省し、謝罪しなければならない」
「僕が、UCLAで作った映画が、局内で大問題になり、ロスで、米国市民の皆さんが企画した上映会も、中止に追い込まれました。
『反原発と言われるものは困る』と、指摘を受けましたが、事故が起きたことによる、不条理な現状を描いているに過ぎません。
市民が共有し、未来に活かさなくてはならないものです」
「米国市民からは、突然の上映中止の通達に、『日本ではこれが日常なのか?』と、怒りを通り越して驚き、理解ができないという声が上がっています。
僕が、学生の時に研究した太平洋戦争下の状況と、本質は変わりません。
公共メディアは誰のものか?
知る権利を有する、市民のものです。
表現の自由を有する、市民のものです」