ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

円かな世界とウォータークレスと沖縄と、おまけに大嵐と

2016年06月06日 | 友達とわたし
先週末に、レイチェルから、友人夫婦とハイキングに行くんだけども、一緒に行かない?と、お誘いのメールが届いた。
けれども、今週の金曜日にあるコンサートのリハーサルが、いよいよ本番に向けててんこ盛りなのと、もちろん本番までの体力を温存しておきたかったので、
残念だけども、ハイキングは行けない。もしよかったら、中間点の我が家でお昼を一緒に、とかはどう?と返事をした。

じゃあ、ノリコ&ジョン夫妻んちでランチっていうことにしましょう!

というわけで、レイチェルと夫、そしてわたしの3人で、1時間ほどのドライブをした。
彼らの町が近づいていくにつれ、なんとなくペンシルバニア州のような雰囲気が漂ってきた。

「ノリコさんちは八角形なんだよ」
「え?」

わわわっ!ほんまや!っつか、八角形ちゅうより丸や!


あっという間もなく一目惚れ…うっとり…。


キッチンにも、




居間にも、




円かな魂がゆったりと宿っている。
ああいい気持ち!
一面のスライドドアの向こうには、林と小川。
その水音が耳に心地よい。


野鳥のためのエサ箱には、いろんな鳥たちがやって来る。






ランチの餃子作りに励む男子たち。


超~美味しいちらし寿司(3.11前の刻み海苔付き)と餃子をいただきながら、話に花が咲きまくる。
目の前の窓の向こうでは、シマリスやアオサギが横切り、いろんな色の鳥がエサ箱に集まってきて、わたしはもう夢心地。

お茶を飲む前に、「ウォータークレスのところに行きましょう」と聞いて、頭の中は???。
なんのこっちゃ?
沖縄のやんばる(山原)出身のノリコさんの、ふるさとへの思いがあちらこちらに。




カヌーがいっぱい。


トトロの森のよう。


小川好きのわたしにはたまらない!


蚊帳好きのわたしには、これまたたまらない風景!

 
ノリコさんの畑。


ズッキーニも元気。


このきれいな花は食用なんだそうな。



本格的な長靴を履いたノリコさんが現れた。
手には四本鍬を持っている。
ますます???なまま、車に乗り込む。

えぇ~!?


車が行き来する道のすぐ脇に、こんな世界が広がっているだなんて…。


野生のウォータークレスを初めて見た!
うわ~うわ~と興奮しているわたしの横では、せっせと採取が始まっていた。


そうか、このための鍬だったのか。


手長の夫が役立つチャンス。


この水は湧き水で、もちろん飲めるほどに美しい。


この町の水は井戸水で、とても柔らかく美味しい。そういう環境を壊されないよう、人知れずの状態を守っているのだそうな。


湖もたくさんあって、もちろん水はとてもきれい。
だけども、底の土が特別で、吸い込まれてしまう恐れがあるので、水泳は禁止されている。


ここには白鳥がたくさん来るのだそうな…。


細い葦で、スイング遊びをする鳥。




めっちゃ久しぶりのカエルさん。


湖を眺めながら、ノリコさんの沖縄の話をした。
彼女とジョンは、沖縄を物語る映画を創ろうとしている。
ふたりの感性と知性はきっと、素晴らしい映画を生み出すだろうと思う。
わたしに協力できることが少しでもあったら、なんでもやらせて欲しいと思う。

帰りがてらにミニハイキング。


道の両側の至る所に、野生のラズベリーが生えていた。
レイチェルは、実が採れる時に絶対に来る!と、大興奮していた。(わたしもナイショで大興奮)

自然のまんまの川だ。


雨粒と葉っぱが作る濃淡にうっとり。


2本の木のコラボ。


などと、雷の音がかすかに聞こえてきてるのを知りつつ写真を撮っていたら、突然、まさしくバケツをひっくり返したような雨が空から降ってきた。
5人とも、あっという間にずぶ濡れ。
髪の毛や服の端っこから、水滴をポトポト落としながら、車の中で大笑い。
ところが、笑っている場合ではないようなことが、あちこちで発生していた。
あの大雨と一緒に、10秒から20秒ぐらいの間に吹いた大風が、たくさんの枝を落とし、その中のひとつは高圧電線を切っていて、小さな炎が上がっていた。
道には大小さまざまな枝が落ちていて、どうしても避けて通れないのは夫が動かしたりした。
なんかもう、いきなり冒険の世界。
自然ってすごい。

家に戻り、シャツやズボンを借りて着替えていると、レイチェルが突然、ティックがたかってた!と言って、指に何かをつまんでいた。
うわっ!まじでマダニだ!実は、嵐で停電になっていて、ろうそくの光の中なので、超ピンボケ。


コップの中の水に浮かんでいる、オレンジ色のちっちゃいのがそう。
このマダニ、なんと次の朝も、まだ生きていたのだそうだ。

温かいお茶を飲みながら、いろんな話をした。
政治のこと、環境のこと、人生のこと、結婚のこと、話は尽きなくて、時間がどんどん過ぎていった。
ろうそくの光の中で、ジョンがハーモニカで、夫がギターで、ブルースを演奏した。
ジョンのハーモニカはプロフェッショナル級。ふたりともに、一緒に演奏できる仲間ができて、すごく嬉しそうだった。
なんかもう楽し過ぎて、気がついたらもうすっかり夜になっていた。
あっちゃ~、空と海は腹ペコだろう…八つ当たりの喧嘩をしてなければいいけど…。

お土産に、採りたての新鮮なウォータークレスを、袋にいっぱいいただいた。
家に戻ってすぐにムシャムシャ、翌日の朝も昼も夜もムシャムシャ。ほんのり苦くて超~美味しい!


花が咲いてた。


レイチェルは、もう絶対にここに引っ越す!と、何度も何度も言っていた。
わたしには、カエデの爺さんを見送る約束をしたので、引っ越すことはできないけれど、え、また来たの?って言われそうなぐらい、通ってしまうような予感がする…。
ノリコ、ジョン、ほんとにすてきな時間をありがとう!
コメント (2)
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