わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ロクロの「コツ」 1(土を伸ばす)

2009-03-07 23:32:51 | 電動ロクロの技法
暫く(しばらく)の間、陶芸の実技と違う事を、色々述べて参りましたが、今回より実技的な事を、

述べて行きたいと、思います。


 電動ロクロの「コツ」について、述べたいと思います。

 (今まで何回か、説明した事と、重複するかも知れませんが、ご了承ください。)

前回、電動ロクロの技術を、習得するには、「およそ500時間必要です」、と述べました。

 少しでも、この時間を短く出来ればと、私なりの考え(方法)を説明したいと思います。

 1) 電動ロクロで、土が上に薄く伸びる理由

   少し理屈っぽくなるかも知れませんが、お話したいと思います。

   ① ロクロで出来る作業は、直径を拡げる、直径を細くする、土を上に引き上げる、

     の3点のみです。

   ② ロクロの回転は、常に遠心力(中心から外への力)が、働いています。

     それ故、径を拡げる事は、最も容易です。

   ③ 外側から、遠心力より、強い力で中心方向に、力を加える事により、径を細く出来ます。

   ④ 土を上に引き上げる原理(理屈)は、以下の事情によります。

    a)  遠心力は、回転速度(角速度)の二乗に比例します。

     即ち、速度が2倍に成れば、遠心力は、4倍に成ります。

     逆に、速度が半分に成れば、遠心力は、1/4倍に成ります。

    b) 作品の外側の手(時計回転ならば、左手)で、遠心力を受け止める事により、

     その力の方向を、上方に変更します。

    c) 作品の内側の手(右手)は、外に押し出す力、即ち遠心力にプラスの力を、与えます。

 以上の事をまとめると、

    ) 遠心力に負けない様に、左手をしっかり固定する。

    ) 回転を早くし、上に向かう力を強くする。

    ) 内側の手(右手)に力を入れ、土を薄くすると同時に、遠心力を増し、上方への力を

       一層強くする。

  事に成ります。 具体的には、

   ) 左手の肘を、体の一部(太ももなど)に固定し、更に、左右の手を、連結し、位置を固定する。

   ) 回転速度を早くする。

      初心者や、ロクロに熟れていない方、又女性の方などは、回転を早くする事に、

      恐怖心が有ります。 作品がふらつき易い、一寸とした事で、形が歪む(壊れる)、

      等の理由で、中々「スピードアップ」が出来ません。

      遠心力は、速度の二乗に比例しますので、少しの「アップ」で、効果が出ます。

   ) 内側の手(右手)は、外側の手(指)と、向かい合わせる事により、安定した力を

       出す事が出来ます。(右手の肘は、自由にして下さい)

     ・ 左手と右手+遠心力が、釣り合えば、径を変えずに、土が上に伸びます。

     ・ 右手+遠心力が強ければ、径は拡がります。 (高さは低くなる)

       逆に左手が強ければ、径は細く成ります。 (高さが、若干高くなる)

以上が、土が上に伸びる、理屈に成ります。

以下 次回に続来ます。
 電動轆轤で作る 


   
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