わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ロクロの「コツ」 11 (土を上げる3)

2009-03-29 23:13:31 | 電動ロクロ入門
引き続き、1) 土を上に上げる(伸ばす)場合の問題点

  ③ 壁の厚みに差が出る。

  ④ 土の高さに、「ばらつき」が出る。

 の説明をしたいと思います。


 ③、④は、現象は違いますが、原因は、ほぼ同じですので、一緒に取上げます。

 即ち、壁の厚みに差が出た結果、土の高さに「ばらつき」が発生します。

 ③ 壁の厚みに差が出る原因は、以下の事が考えられます。

  ) 土殺しが十分行われず、土全体が、偏芯していた。

     土が、ロクロの中心より「ズレ」た位置に、置かれている。

  ) 土取り後、中心に穴を掘り進む際、中心が「ズレ」ていた。

     両手の親指又は、左右のいずれかの親指で、土の中心を、掘る場合、腕の肘が、

     体に固定されず、浮いていると、中心が「ぶれ」周囲の土の厚みに、差が出ます。

  ) 前回述べた土に「よじれ」が出来た。 

    「よじれ」を修正しても、完全には直りきらない場合が多く、壁の厚みに差が出や易いです。

     この厚みの差が、高さの「ばらつき」に成ります。

  ) 回転が比較的遅い場合

   ・ 回転が速いと、少々の肉厚の差は、解消されます。

     即ち、手(指)同士の間隔の変化が、回転速度に追い着かず、均一に成るためです。

     特に初心者や女性は、回転を速くする事に、恐怖感を持ち、遅く成りがちです。

     又、速度が速いと、力も少なくてすみます。

  ) その他、極端な「ロクロ目」を付けたり、「ロクロ目」を上部まで付けた。

     この場合も、高さに「ばらつき」が出易いです。

 a) 対策

  )、)の場合、土を挽き上げる前に、土の内、外、真上の三点を、「しっかり」押さえ込み、

  肉厚の調整をします。

  この調整を省いたり、「おろそか」にし、土を挽き上げると、肉厚に差が出たりします。

  又、肉厚に差が出ないようにすると、高さ方向に「ばらつき」が出ます。

 b) 「ばらつき」を直す方法

  基本的には、高さの「ばらつき」は、切り取る事に成ります。

  ・ 弓、針などを使い、切り、高さを揃えます。

    弓を使う場合には、一番低い所より、最低1mm程度下を切ります。

    針は、好きな所より、切る事が出来ます。即ち切る量を少なくする事が出来ます。

  ・ 高さを上からの力(縁の内外を押さえ、真上から押す)で、揃えると、高い所の土は、

    横方向に出っ張ります、この出っ張りを、針で切り取る方法も有ります。

    (この方法は、やや熟練を要します。)
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