わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ロクロの「コツ」 7 (土殺し2)

2009-03-14 22:25:37 | 電動ロクロ入門
前回に引き続き、土殺しの方法を述べます。

3) ここで電動ロクロの、スイッチを、入れます。

  ・ 土殺しをする範囲は、その土全部で、1作品を作る場合には、ロクロ上の土全部を、

   土殺しを、行う必要が有ります。

  ・ 又、多量の土から、順次作品を作る場合には、その作品に必要な土の量の、1.5倍の土を、

   土殺しをします。

  ① 回転は、やや早くし、水を付けた両手で、下から上に、3回程撫ぜ上げ、泥(どべ)を出します。

   1回ずつ、両手に水を付けます。

   「どべ」は、手が滑る様にする為に、必要な物です。十分「どべ」を作って下さい。

   a)  土殺しは、素手で行う事が多いですが、土が荒目の場合、土にハゼ石が入っている場合、

    又、土の荒さに関係なく、手に濡れた布を巻き、土殺しをする場合(地方)も有ります。

   b) 布も、両手に巻く場合と、片手で巻く方法が有ります。

     (手に巻きつけるのでは無く、片手に布や皮をもって、土殺しを行う方法も有ります)

   c) 何れも、肌を守ると同時に、水切れを防ぐ目的で使用します。

  ② 延べ上げ、延べ下げ、をする。(土殺し)

    a) 土殺しの目的は、土をロクロの中心に置く事です。(芯出し)

      その他、土の練り癖を直す。空気を抜く(実際は難しい)などの、効果が有ります。

    b) 延べ上げ。(土を上にあげる。)

      両手の肘は、体(太ももなど)に固定します。

      (手が振ら付いていては、土殺しは、不可能です。)

    ) 濡らした、両手で土を抱え込み、小指の付け根に力を入れ、両手で土を上にあげます。

       掌(手のひら)で、必ず抱え込んで、下さい。

    ) 高さは、なるべく高くします。

      (上に行くほど、細く成ります。途中の傾斜は、なだらかにします。)

    ) 手は途中で止まらずに、スムーズに上まであげる。

      (途中で止まったり、水切れを起すと、その部分で、土が切れる恐れが、有ります。)

    ) 最上段では、力を抜き、一息入れ、土から、ゆっくり手を離します。

      急いで手を離すと、土が振らつきますから、注意。

      最後は、両手で拝む様な、手付きに成ります。

   c) 延べ下げ。(土を下に下ろす。)

    ) 細く上に引き上げた土を、土の頭を抱え込み、向こう側、即ちロクロが右回転の場合、

      時計の針で、10時又は11時の方向に倒します。(右回転では、右手を使います。)

      尚 両手を重ね、手前側に土を倒す方法を、取る人もいます。

    ) すると力を入れなくとも、土が自然に回転しながら、下に降りていきます。

    ) 下に降りたら、両手で土の外周をしっかり、押さえ込みます。

 ③ 延べ上げ、延べ下げを、数度繰り返す。

   a) 土殺し完了の確認は、左手で、土殺しの部分を、抱え込みます。

     その手が、振ら付かければ、土殺しが完了と成ります。

     (手が静止した状態で、止まっていれば、O Kです。)

   b) 回数は3回程度が望ましいが、慣れない方は、回数が多く成ります。

      回数が多くなると、土が水を吸い、土が弱くなり、腰が無くなります。

      出来るだけ早く、作業を終える様にします。

   c) 慣れない人は、力で土を、押さえ込もうとします。

      その為、摩擦熱で、土が熱を持って、暖かくなっている場合が有ります。

     これは、力の入れ過ぎと、水切れにより、手が十分滑らない為に、起こります。

     泥を出し、手が滑れば、少しの力で、土殺しが、可能です。


・ 何度も述べますが、ロクロ作業には、標準的な方法(一般的方法)は有りません。

 上記以外の方法で、土殺しをしている方も、多いと思います。

 ・ 各方法は、それなりの理由や、歴史が有ります。自分なりの方法(最初に習った方法)で、

 土殺しをして下さい。

 尚 土殺しのやり方が、色々有るからと言って、あれこれ手を出す事は、良くありません。

 一つのやり方を、マスターして下さい。

 どうしても、他の方法が気になるならば、自分の方法を完成してから、試してください。

 以上で、「土殺しの話」を終わります。
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