わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

造る39(酒器15、杯、盃、ぐい呑、ジョッキ類を作る1)

2013-03-01 21:54:08 | 陶芸入門(初級、中級編)

杯、盃、ぐい吞などは酒を飲む際に使用する器で、現在ではほとんどが陶磁器製品です。

江戸中期以前は、主に漆塗りの杯(木製)が用いられ、それ以降に陶器製の徳利と盃が使われる

様になったとの事です。 その形や大きさは千差万別ですが、アルコール濃度の濃い酒(日本酒や

蒸留酒など)は比較的容量が小さく、ビールやワイン及び蒸留酒を水などで,割って飲むアルコール

濃度が薄い場合に使用する器は、比較的容量が大きな器になっています。

  注1: 杯は酒を盛る器の全てに当てはまる漢字ですが、盃は一般に日本酒を飲む際に使用する

     杯を指します、いずれも「さかずき」と読みます。但し杯は「はい」とも呼びます。

  注2: 賜杯(天皇より賜った杯)や大きな金杯、優勝カップなどの何々杯と呼ばれる杯は、実際に

      使用する事を前程に作られた訳ではありません。あくまでもシンボルとしてその存在感を

      示す物で、ほとんどが金属製で、類型的な形をした物が多いです。

      (尚、木製に漆塗りのものもあります。)

  注3: ぐい吞は、酒器と言うより、他の目的で作られたものを、盃として転用したのが始まりで、

       大振りの酒杯に見立てて使い、独酌の場合や、急いで飲む場合などに用いられます。

       今一番人気のある盃は、ぐい吞で多くの作家が、独自の形や意匠を凝らして手掛けて

       発表(発売)しています。

  ウイスキーやビール、ワインなどの洋酒を飲む際には、ガラス製品の器を使う事が多いですが、

  近頃では陶磁器製の器も好まれて使われる様になりました。

1) 盃の持ち方: 山口瞳氏の書かれたものからの引用です。

   注: 山口瞳(やまぐち ひとみ、本名同じ1926年~ 1995年) 男性の作家、エッセイスト。

   「まず盃を持ってくれたまえ。そうだ。誰でも人差し指と親指で盃を持つだろう。中指を盃の下部に

   軽く添える人もいるかも知れない。それでいい。この際、人差し指と親指は、盃の円の直径を指し

   示す形になる。これも自然にそうなるはずである。そうでないと盃が落ちてしまうし、落ちない

   までも不安定で、余分な力を必要とすることになる。そうやって盃を持ったら、これを唇に近づける

   そうして、人差し指と親指の中間のところから飲むのである。この際に、舐める様にではなく、

   盃の酒を口の中に放り込む様にして飲む。これが正解である。これが見た目に綺麗な酒の

   飲み方である。」とし、続けて徳利の持ち方も記述しています。

   「徳利の持ち方は非常に簡単である。銚子を持つ。それをそのまま倒せばいい。親指と残りの

    四本の指で持つ。そうして、親指を下に向ける様にして倒すのである。相手に向かって縦に突き

    だしてはいけない。銚子をひねってはいけない。それだけのことである。」と記述しています。

    以上 何かの参考に成ればと紹介しました。

以下次回に続きます。

   

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