1) ぐい呑を作る。
多くの種類の杯(盃)の内で、最も形に変化のあるものは、「ぐい呑」ではないかと言われています。
「ぐい呑」の形は、小さな抹茶々碗と見なされ、ほぼ同じで様な特徴を有しています。
即ち、作者の個性を強く漂わせる、個性的な作品が多く、釉や絵柄も抹茶々碗と類似したものも多い
です。その大きさも変化に富みます。更に一般の杯(盃)より大振りで、片手で持つ事が多いです。
① 「ぐい呑」は、盃の中でも人気のある焼き物ですので、陶芸を楽しんでいる方なら、一度は手掛
けていると思います。大きさも特に規定がある訳ではなく、形も自由に気軽に作れ、好みの形に
出来ますし、一度に数個~数十個を作る事も可能です。
② 作り方は、(電動)轆轤で、数挽きの方法で行う事が多いです。
土殺しの終わった土の上部を、作品の大きさに合わせて、土取りし中央に穴を開けて成形し
ます。この工程は、湯飲みを作る際と同じです。湯飲みより高さが低く、直径がやや小さ目に
成ります形は、抹茶々碗を小形にした様なものになります。高台が付いている作品が多い
ですが、「べた高台」(又は、碁笥底)の作品もよく見受けられます。
③ 「ぐい呑み」は施釉するか、焼き締めにするかによって、その表情と使い良さにも大きく違いが
出ます。施釉したものは、表面がガラズ質で覆われる為、汚れなどが付き難くなりますが、
焼き締めの様に、少しづつ酒が器に浸み込み、独特の艶が出る事は少ないです。
人気のある「ぐい呑」は、備前焼や信楽焼きの様な焼き締め陶器の様です。
④ 可盃(べくはい)に付いて。
可盃(杯)とは、注がれた酒を飲み干すまで、下に置けない盃の事です。
a) 底の部分が独楽の様に尖り、置くと傾いてしまいます。主に、お座敷遊びの盃として、
高知県などで使われています。
b) 「そらきゅう」も可盃(杯)の一種で、円錐形の底に小さな穴が開けられています。
指で小さな穴を塞ぎ、飲み干すまで下に置けません。
主に、熊本、鹿児島、宮崎などで、焼酎を飲むときに使われています。
・ 「ソラ」と差し出されて「ギュウ」と飲む事からこの名が付いているとの説があります。
2) 馬上杯(ばじょうはい)を作る。
昔、戦に出陣する武将が馬に騎乗したまま、飲酒し易い様に、高台が握り易く高い盃で酒を飲み
味方の 勝利を祈って、士気を挙げた事に由来した名前です。
他の説では、腰が高く馬上にいる様子であるから、この名が付いたとも言われています。
馬上杯であっても、底(畳付き)の部分は、やや広くして安定した状態で置ける様に成っています。
) 高台の高い杯を作る際には、一体で作り削り出して作る方法と、後で高台部分を取り付ける
方法があります。高台の高さによりますが、高台部分が長い時には後者の方法を取ります。
削り出す方法では、轆轤挽きし易い様にやや太めの高台にします。但し、高台部分が太く長い
場合、乾燥に時間が掛り、効率良く作品を作るのが難しくなります。
) 付け高台の方法にも二通りの方法があります。
a) 器部分と高台部分を別々に轆轤挽きした後、両方とも同じ程度に乾燥させて、「ドベ」等で、
接着する方法です。高台部分が、極端に細い場合にも向いています。
即ち、細い部分を上にして轆轤挽きする為、作業が楽に成ります。
但し、器部と高台部の中心線が一致している必要があります。
b) 器部分を逆さに伏せて底削り後に、底に新たな土を置いて轆轤挽きで高台部を成形
する方法です。この場合の利点として、器と高台の中心線を一致できる事です。
但し、細い部分を下にして轆轤挽きしますので、細い脚の場合には土が振れ易いです。
尚、太く作ってから、乾燥後に削り作業で細くする事も出来ます。
c) 脚の部分を中空にする場合と、ムク(芯ばで土)の場合があります。極端に細い場合には
ムクにしますが、やや太めの場合には、中空にします。中空にする場合には、後から削る
のではなく、轆轤挽き時に中空に成形します。中空の方が軽くなり易く、強度的には、ほぼ
同じに成ります。
3) ビールジョッキ、ビアマク、ゴブレットを作る。
以下次回に続きます。