3) ビールジョッキ、ビアマク、ゴブレットを作る。
① ビールジョッキ
取ってが付いた円筒状で、ビ-ルを飲む為の容器です。一般的にはガラス製品が多いですが、
近頃は陶器製のジョッキも使われる様に成りました。
尚、大、中、小ジョッキと大きさが異なりますが、容量に付いての統一規格は存在しないそうです
一般には、大で700mℓ、中で350~500mℓ(中2杯で大1杯分が普通)、小で200~300mℓ
程度だそうです。ガラス製のジョッキには、持ち手部分の下に容量が、刻印されている場合が
多いそうですので、確認して下さい。
陶器製の利点は、ビールの泡が肌理細かになり、旨さを引き立てると共に、熱伝導の悪い陶器は
ビールの冷たさを保持するとも言われています。
作品を作るのは、単純な形の為、比較的容易です。但し大ジョッキの様に高さが必要な場合には
土を高く挽き上げるのがやや難しいです。
) 持ち手部分を付ける際の注意点。
a) 容量の大きなジョッキの場合、ビールを入れた状態では1kg以上になる場合が多いです。
それ故、持ち手部も頑丈に作る必要があります。
b) 但し、本体に取り付ける部分は軽量にしたいです。
さもないと、本焼きの際に、本体が持ち手側に引っ張られ、楕円形に成り易いです。
その対策として、本体部分の口縁をやや肉厚にするのも、一つの方法です。
c) 取り付け位置も大切です。持った時にバランスの良い位置にしますが、取り付けの上端が
ジョッキの口縁の近くにくると、口縁が歪みます。
d) 大ジョッキは親指以外の4本の指を、持ち手部と本体の間に通し、手の甲が持ち手に
当たる様にします。それ故、持ち手部と本体の間を若干広めにする必要があります。
中、小のジョッキの場合は、掌(てのひら)で、持ち手を握る様にします。この場合ジョッキの
形が縦長の方が、持ち易くなります。
) 高台は「ベタ底」の場合も有りますが、底部も施釉した方がよく、一般的な輪高台にします。
② ビアマグを作る。
ビールジョッキよりやや容量が少なく、やや丸みを帯びた物や、口縁がややラッパ型に開いた形の
物が一般的で、持ち手の付いた物と無い場合があります。持ち手の無い場合には、胴体部分が
持ち易い径にする事です。作品は湯飲みの口径と、背が高い形に成ります。
) 施釉しない方がビールの泡立ちが良く、ビールも旨くなるとの事で、焼き締めの陶器や、
内側だけでも施釉しない器が多いようです。
) 陶器で施釉しない場合、若干器にビールが浸み込みます。長い間には、汚れとなって不衛生
になり易いですので、注意が必要です。
③ ゴブレットを作る
脚つきのグラスで、ソフトドリンクやビールなどを飲むのに用いるもので、本来はガラス製や金属
製のものですが、陶器でも作られる様に成りました。
容量は240~360mℓ程度のものが多いようです。
一般に、本体を作ってから、脚を付けます。脚は末広がりのやや「バチ高台」の方が安定して
います。
以上にて、酒器の話を終わります。
次回より蓋物についてお話します。