わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

造る42(酒器18、杯、盃、ぐい呑、ジョッキ類を作る4)

2013-03-11 22:45:44 | 陶芸入門(初級、中級編)

3) ビールジョッキ、ビアマク、ゴブレットを作る。

 ① ビールジョッキ

   取ってが付いた円筒状で、ビ-ルを飲む為の容器です。一般的にはガラス製品が多いですが、

   近頃は陶器製のジョッキも使われる様に成りました。

   尚、大、中、小ジョッキと大きさが異なりますが、容量に付いての統一規格は存在しないそうです

   一般には、大で700mℓ、中で350~500mℓ(中2杯で大1杯分が普通)、小で200~300mℓ

   程度だそうです。ガラス製のジョッキには、持ち手部分の下に容量が、刻印されている場合が

   多いそうですので、確認して下さい。

   陶器製の利点は、ビールの泡が肌理細かになり、旨さを引き立てると共に、熱伝導の悪い陶器は

   ビールの冷たさを保持するとも言われています。

   作品を作るのは、単純な形の為、比較的容易です。但し大ジョッキの様に高さが必要な場合には

   土を高く挽き上げるのがやや難しいです。

  ) 持ち手部分を付ける際の注意点。

    a) 容量の大きなジョッキの場合、ビールを入れた状態では1kg以上になる場合が多いです。

      それ故、持ち手部も頑丈に作る必要があります。

    b) 但し、本体に取り付ける部分は軽量にしたいです。

      さもないと、本焼きの際に、本体が持ち手側に引っ張られ、楕円形に成り易いです。

      その対策として、本体部分の口縁をやや肉厚にするのも、一つの方法です。

    c) 取り付け位置も大切です。持った時にバランスの良い位置にしますが、取り付けの上端が

      ジョッキの口縁の近くにくると、口縁が歪みます。

    d) 大ジョッキは親指以外の4本の指を、持ち手部と本体の間に通し、手の甲が持ち手に

       当たる様にします。それ故、持ち手部と本体の間を若干広めにする必要があります。

       中、小のジョッキの場合は、掌(てのひら)で、持ち手を握る様にします。この場合ジョッキの

       形が縦長の方が、持ち易くなります。

   ) 高台は「ベタ底」の場合も有りますが、底部も施釉した方がよく、一般的な輪高台にします。

 ② ビアマグを作る。

   ビールジョッキよりやや容量が少なく、やや丸みを帯びた物や、口縁がややラッパ型に開いた形の

   物が一般的で、持ち手の付いた物と無い場合があります。持ち手の無い場合には、胴体部分が

   持ち易い径にする事です。作品は湯飲みの口径と、背が高い形に成ります。

   ) 施釉しない方がビールの泡立ちが良く、ビールも旨くなるとの事で、焼き締めの陶器や、

      内側だけでも施釉しない器が多いようです。

   ) 陶器で施釉しない場合、若干器にビールが浸み込みます。長い間には、汚れとなって不衛生

      になり易いですので、注意が必要です。

 ③ ゴブレットを作る

   脚つきのグラスで、ソフトドリンクやビールなどを飲むのに用いるもので、本来はガラス製や金属

   製のものですが、陶器でも作られる様に成りました。

   容量は240~360mℓ程度のものが多いようです。

   一般に、本体を作ってから、脚を付けます。脚は末広がりのやや「バチ高台」の方が安定して

   います。

以上にて、酒器の話を終わります。 

次回より蓋物についてお話します。 

コメント
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