わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

粘土1(粘土とは?)

2010-01-27 22:24:56 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
粘土は、陶器の原料ですから、一番大切な物ですが、一般の方は、意外と無関心な場合が多い、

傾向に有ります。(プロの陶芸家は、土に強い「こだわり」が有るのは、当然ですが)

粘土は、陶芸材料店に行けば、直ぐ作陶できる状態で、販売されています。

一般の方は、どの土を選ぶかは、

 ① 土の産地 ② 土の色(焼成後の色) ③ 肌理の粗さ等を、基準にして、選んでいると、思います。

 実際作陶に入ると、④ 土の硬さ、⑤ 収縮率、⑥ 作陶のし易さ、⑦ 釉薬との相性、⑧ 焼成温度、

 ⑨ 使う土の特徴、長所、短所など、知っていなければ、成らない事が、多く有ります。

 人によっては、土を「ブレンド」したり、自分で土を、見つけ出す(採取)場合も有ります。
 
 今回から、粘土について、幾つか、述べたいと思います。

1) 粘土とは何なのか 

   (趣味で陶芸をする人は、「粘土が何であるか」は、たいした、意味を持たないかも、知れません。

   それ故、興味が無ければ、読み飛ばして下さい。)

 ① 粘土とは、文字通り、「ねばる(粘)土」で、英語の[clay]も、「粘りつく土」が語源です。

   主に、「焼き物に成る土」として、使用されます。

 ② 元々は、火成岩と言う岩石で、これが、水や温泉などの水蒸気、風、地震、火山活動などの、

   地殻変動による力で、割れ、砕かれ、更に雨で流され、色々な物質と混ざり合い、化学作用を受け、

   更に、砂よりも細かく成り、粘土が出来上がります。

 ③ それ故、天然の粘土は、砂、長石、雲母、鉄分などの金属類や、不純物を含みます。

   又、土の産出場所や、周囲の環境の、違いにより、土の成分は、千差万別です。

 註: 火成岩とは、地中にある、マグマが、固まった物です。

   黒い玄武岩で、代表される、火山岩は、マグマが、急激に冷えて固まった物(火山の噴火など)で、

   白い花崗岩で、代表される、深成岩は、地中の深い所で、ゆっくり冷えて固まった物です。

 ④ 磁器や陶器の原料は、主に花崗岩が、主になっています。

  ) カオリン: 純粋に近い花崗岩は、カオリンと呼ばれ、磁器の原料(陶石)や、白絵土と成ります。

     特徴は、色が白く、比較的粒子が粗く、粘りの少ない事です。

  ) 粘土: カオリンが、砕け、流され、不純物が混ざり、見かけ上、黄色や、茶色、黒などの

     色が付いて見えます。粒子が細かく、粘り(可塑性)も有ります。

 ⑤ 主な粘土に、木節粘土、蛙目粘土が有ります。

  ) 木節粘土: 花崗岩が、風化し、腐った木や、腐植物などと共に、水底に沈殿し堆積した物で、

     褐色や、黄色、黒色などの、色をしていますが、焼成すると、不純物が、燃えて消失し、

     白い色に成ります。

  ) 蛙目粘土: 生成は、木節粘土と、同じですが、粘土中に、大きな石英が、混ざり、

     蛙の目の様に、見える事から、この名前が付いています。

     可塑性は、カオリンと木節との、中間です。

以下次回に続きます。
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