陶芸に限らず、何事にも手順があります。手順を忘れたり、手順前後の誤りにより、思いも拠らない
結果を招く事は多いです。
8) 使用前に行う事。
① 割れやひびが無いかを確認する。
② 食器用の水漏れ防止剤を使う。
③ 底(畳付)に砥石を掛ける。(以上が前回迄の話です。)
④ 土鍋など直火に当てて使う作品(耐熱食器)。
普通は窯から出した作品は上記処理を行った後や、市販されている作品は購入後、直ぐに使え
ます。例外として、土鍋等を直ぐに使用する事は避けるのが一般的です。
ⅰ) 新品の土鍋は水を通し易い。
土鍋には土鍋専用(直火可能)の土を使います。特徴として耐熱を保つ為にペタライトを多く
含み、最高温度も1200℃(SK-7)で焼成します。赤鍋土の場合には、1180℃程度です。
注:ペタライト( リチウム長石、葉長石)とは;土鍋土には、40~50%入っています。
この物質を入れる事で、熱膨張率を少なくし直火で焚いても割れない鍋になります。
土鍋の内側と側面は施釉しますが、直火が当たる底は無釉に成っています。
焼きの甘さによる焼き締まりがやや弱く、素地の粒子もやや粗い為、更に底が無釉であり、
場合によっては内側の釉に貫入(ヒビ)が発生する為などで、新品の土鍋を何の処理もせず
使うと、水漏れ(水が染み出す)恐れがあります。
ⅱ) 「目止め」をしてから使用する。
上記理由により粘土間の隙間を無くすのが、「目止め」と呼ばれる方法です。
これは、土鍋を長持ちさせる方法て、「ヒビ」の発生も抑制してくれます。
「目止め」用には、片栗粉や「お粥(おかゆ)」等の澱粉質を使い、細かい隙間を埋めます。
a) 片栗粉を使う方法。
市販されている安価な片栗粉は、ジャガイモの澱粉を使っています。
水と片栗粉(水に対して約10%程度)を溶き、土鍋の八分目程入れ、弱火で沸騰させます。
沸騰させたら火を止め自然冷却し、その後中身を捨て良く水洗いし、乾燥させれば完成です
b) お粥(おかゆ)を炊く。
残りご飯を使うと、速くお粥を作る事が出来ます。
ご飯茶碗半分ほどのご飯と水を土鍋の八分目ほど入れ、弱火で炊き込みお粥を作ります。
炊き上がったら自然冷却し、お粥を取り出し土鍋を水洗いします。完全に乾燥すれば完成
です。尚、米のとぎ汁や小麦粉を使う事もありますが、澱粉の濃度が薄くなり勝ちで、
目止めの効果が薄いと言う方もいます。
長らく使用し続けると、目止めの効果が薄れ水漏れを起こす様でしたら、再度目止めを
行います。
c) 土鍋使用上の注意事項。
・ 土鍋は意外と脆いですので、急熱や急冷は避けて下さい。
即ち、最初は弱火で、次第に土鍋が暖かく成ったら火力を上げます。
又、底に水滴などが有る場合は、拭き取ってから火にかけます。熱い土鍋を急激に冷やす
事も厳禁です。
・ 土鍋の臭い消し。
土鍋を長く使っていたり、臭いの強い食材を使用すると、土鍋に臭いが着く事があります。
その際には、茶葉(茶殻でも可)を入れ10分程煮立てると臭いを消す事が出来ます。
・ カビ(黴)が発生した土鍋には、「(お)酢」を約50cc程入れ、弱火で10分程煮沸する
と良い。「酢」には殺菌効果と消臭効果があります。
尚、カビ防止には湿気の多い場所や濡れたまま保管しない事です。
・ 焦げが出来た場合には、重曹を入れ焦げを浮き上がらせてから、ブラシや金属類で強制的
に剥がします。但し、土鍋を傷付けてはいけません。
尚、焦げの程度が軽微の場合には、一晩水に着けて置くと、焦げが浮き上がる場合もあり
ます。
・ ヒビ割れ防止
熱い状態の土鍋を冷水に漬けると、割れを起こす事もあります。
常温でしっかり冷ました後、水洗いします。長時間洗剤液に着けておくと、洗剤が浸み込む
事がありますので、注意が必要です。
以下次回に続きます。
結果を招く事は多いです。
8) 使用前に行う事。
① 割れやひびが無いかを確認する。
② 食器用の水漏れ防止剤を使う。
③ 底(畳付)に砥石を掛ける。(以上が前回迄の話です。)
④ 土鍋など直火に当てて使う作品(耐熱食器)。
普通は窯から出した作品は上記処理を行った後や、市販されている作品は購入後、直ぐに使え
ます。例外として、土鍋等を直ぐに使用する事は避けるのが一般的です。
ⅰ) 新品の土鍋は水を通し易い。
土鍋には土鍋専用(直火可能)の土を使います。特徴として耐熱を保つ為にペタライトを多く
含み、最高温度も1200℃(SK-7)で焼成します。赤鍋土の場合には、1180℃程度です。
注:ペタライト( リチウム長石、葉長石)とは;土鍋土には、40~50%入っています。
この物質を入れる事で、熱膨張率を少なくし直火で焚いても割れない鍋になります。
土鍋の内側と側面は施釉しますが、直火が当たる底は無釉に成っています。
焼きの甘さによる焼き締まりがやや弱く、素地の粒子もやや粗い為、更に底が無釉であり、
場合によっては内側の釉に貫入(ヒビ)が発生する為などで、新品の土鍋を何の処理もせず
使うと、水漏れ(水が染み出す)恐れがあります。
ⅱ) 「目止め」をしてから使用する。
上記理由により粘土間の隙間を無くすのが、「目止め」と呼ばれる方法です。
これは、土鍋を長持ちさせる方法て、「ヒビ」の発生も抑制してくれます。
「目止め」用には、片栗粉や「お粥(おかゆ)」等の澱粉質を使い、細かい隙間を埋めます。
a) 片栗粉を使う方法。
市販されている安価な片栗粉は、ジャガイモの澱粉を使っています。
水と片栗粉(水に対して約10%程度)を溶き、土鍋の八分目程入れ、弱火で沸騰させます。
沸騰させたら火を止め自然冷却し、その後中身を捨て良く水洗いし、乾燥させれば完成です
b) お粥(おかゆ)を炊く。
残りご飯を使うと、速くお粥を作る事が出来ます。
ご飯茶碗半分ほどのご飯と水を土鍋の八分目ほど入れ、弱火で炊き込みお粥を作ります。
炊き上がったら自然冷却し、お粥を取り出し土鍋を水洗いします。完全に乾燥すれば完成
です。尚、米のとぎ汁や小麦粉を使う事もありますが、澱粉の濃度が薄くなり勝ちで、
目止めの効果が薄いと言う方もいます。
長らく使用し続けると、目止めの効果が薄れ水漏れを起こす様でしたら、再度目止めを
行います。
c) 土鍋使用上の注意事項。
・ 土鍋は意外と脆いですので、急熱や急冷は避けて下さい。
即ち、最初は弱火で、次第に土鍋が暖かく成ったら火力を上げます。
又、底に水滴などが有る場合は、拭き取ってから火にかけます。熱い土鍋を急激に冷やす
事も厳禁です。
・ 土鍋の臭い消し。
土鍋を長く使っていたり、臭いの強い食材を使用すると、土鍋に臭いが着く事があります。
その際には、茶葉(茶殻でも可)を入れ10分程煮立てると臭いを消す事が出来ます。
・ カビ(黴)が発生した土鍋には、「(お)酢」を約50cc程入れ、弱火で10分程煮沸する
と良い。「酢」には殺菌効果と消臭効果があります。
尚、カビ防止には湿気の多い場所や濡れたまま保管しない事です。
・ 焦げが出来た場合には、重曹を入れ焦げを浮き上がらせてから、ブラシや金属類で強制的
に剥がします。但し、土鍋を傷付けてはいけません。
尚、焦げの程度が軽微の場合には、一晩水に着けて置くと、焦げが浮き上がる場合もあり
ます。
・ ヒビ割れ防止
熱い状態の土鍋を冷水に漬けると、割れを起こす事もあります。
常温でしっかり冷ました後、水洗いします。長時間洗剤液に着けておくと、洗剤が浸み込む
事がありますので、注意が必要です。
以下次回に続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます