わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤の失敗 14 (割れ2)

2010-02-24 22:01:09 | 電動ロクロの技法
作品の、「割れ」「ヒビ」に付いて、話を続けます。

 2) 口縁の割れや「ヒビ」。

   縁に「割れ」や「ヒビ」が入る原因には、幾つかの要因があります。

  ① 縁の肉厚に、差がある。

    肉厚に差が有ると、均一に、乾燥する事は出来ず、薄い部分から、乾燥が進み、変形しながら、

    「ヒビ」が入る場合が、有ります。極端に差が出ない様に、すると共に、片側だけが、

    乾燥しない様にします。

  ② 皮による、拭き取りや、締めが弱い。

    皮で拭くのは、単に縁を、綺麗にするだけでは、ありません。土を摘み締める、役目も有ります。 

    但し、強く摘み過ぎて、縁を薄くしないで下さい。  
   
  ③ 縁に無理な力が、掛かる場合。

    コーヒーカップなどで、取っ手を本体につける場合、接着面が、縁の近くにあると、圧接により、

    本体の縁に、「ひび」が入る事が有ります。

    この場合も、縁より1cm程度、下に取り付ける事を、勧めます。

  ④ 縁に、鋭角の切り込みがある。

   ) デザイン上、縁を、鋭利な刃物で、「V字」状に、切れ込みを、入れる場合が有ります。

     この「V」の先端部を、そのままにして置くと、乾燥と共に、ここから亀裂が走り、割れて

     行きます。「竹ひご」等を使い、先端に、丸み(R、アール)をつけて、予防します。

     勿論丸みは、大きい程、安全ですが、小さくても、有効です。必ず丸みを付けて下さい。

   ) この鋭利な「V」は、縁だけの問題ではなく、作品の、側面に、透かし彫りをした場合にも、

     当てはまります。

   ) 又、手で縁を裂いたり、摘み取ったりして、変形させる場合が、有ります。

     この場合も、縁に無理な力が、掛かり、「割れ」や「切れ」の、原因に成ります。

     どうしても、やりたい時には、鋭角の部分を、少なくする事です。
    
  ⑤ 縁の近くに、透かし彫り(孔)がある。

   ) 縁と透かし彫りの、端との寸法は、最低でも5mm以上取る、必要が有ります。

      出来れば、1cmあれば、更に望ましいです。 この寸法が、短いと、縁が切れます。

   ) 同様に、透かし彫り同士の、間隔も5mm以上、取る必要が有ります。

  ⑥ わざと、「割れ」や「ヒビ」を入れる。

    基本的には、「割れ」「ヒビ」は、無いようにすべき物ですが、模様として、造る事があります。

    即ち、袋物と言われる、壷や、花瓶の側面に、「割れ」「ヒビ」を入れて、模様にする方法です。

    やり方は、乾燥させた作品の内側から、「コテ」を使い、径を無理やり、拡げて、縦方向の

    「割れ」を造ります。やり過ぎると、穴が開く恐れが有りますので、注意します。

 3) 「割れ、ひび」の補修

以下次回に続きます。

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