作品に自分の名前やマーク、窯元の名前などを入れる事は、現在では当然の行為と思われています。
サイン(銘)には作者の印、染付けや上絵付けで記した書銘、釘や籤(ひご)などで掘り込む刻銘、
その他に印章を捺した物があります。又その書体も千差万別です。
江戸時代の野々村仁清が自分の作品に、最初に銘(サイン)を入れたと言われています。真偽の程は
不明です。それ以前では、「窯印」があっても個人を指すサインは無く、今は著名な作品であっても
無名の人の作った作品となっています。但し、作られた時代や作られた土地などはある程度確定で
きます。
現在は多くの人が共同で使う窯や陶芸教室などでは、サインが無ければその人の作品として特定
できませんからサインを入れる事は、必須条件です。
勿論サインでなく、マークであっても作り手が特定できれば、どの様な印でも問題は無いのですが、
完成した作品とし、場合によっては、後世に残る作品であれば有るほど、「キッチリ」したサインが
必要になります。勿論作品のどの位置に入れるかは、作者の自由ですが、出来れば読み易いサインで
読み易い位置に入れる事です。更に、真似され易いサインではなく、特徴のあるサインの方が当然
良い訳です。但し、だからと言って、目立つ処に入れるのも善し悪しですし、出来れば避けたい場所
もあります。尚、当然ですが、外から容易に見る事の出来ない器の内側などは、サインの役目があり
ません。
1) 出来るなら避けたい場所。
① 作品には正面とみなす部分が有るのが一般的です。正面にサインを入れるのは、なるべく避け
る事です。目立ち過ぎるサインは、出しゃばり感があります。但し、サインは作品が生乾きの
時に行う事が多く、施釉し焼成するまで正面が決定できない場合が、生じる可能性もありま
すが、なるべく生の状態の時に正面を決める事も大切です。
② サインは表立って表す事は少ないです。
表立った場所とは、皿類や丼状の器の内側などで、無意識でも自然に目に入る場所です。
但し飾り皿として使う場合には、内(表)側に入れる事もあります。又、大きな目のサインや
強調された目立つ形のサインも出来るだけ避けたい事項です。当然ですが、サインは作者を特定
する物ですので、他人と似通った物も敬遠したいです。
③ 陶や石、木製の印鑑を使う場合には、印を押す際に力が入り、その結果作品が変形する場所は
避けたいです。具体的には、壷や花瓶類の袋物と呼ばれる器の底や高台内です。
捺印は、素地が完全に固まる前に行う必要があります。その為、この様な位置に捺印すると、
底が変形したりします。但し、針や竹ひご等を用いて掘り込みサインを入れる分には問題あり
ません。底や高台内にサインを入れたい場合、施釉時に呉須等の下絵付けの要領で、筆書き
する事もあります。書銘といいます。
2) 一般的にサインを入れる場所。
正面を避ける為、作品の横方向(正面に対し略直角)に入れると無難です。特に耳の付いた器や
花器の場合、耳の下側に入れる事が多いです。
① 高台脇に入れる。抹茶々碗や袋物と呼ばれる作品などに多い例です。
印を押してサインを入れる場合、高台脇は比較的肉厚に成っており、近くに底がありますので、
作品が変形する事は少ないです。又作品を引っ繰り返す事なく、サインが確認できます。
② 裏底に入れる。平皿の様な場合には、裏底の中央又は右下に入れる事が多いです。
角皿は、タタラ状の粘土板の周囲を持ち上げて、縁を作る方法が一般的です。サインは縁作り
の前に入れる事です。平皿に脚(高台)が付いている場合には、高台内に入れます。
③ 高台内に入れる。作品を伏せた状態で初めて、サインが確認できます。書銘が適します。
作品によっては、高台内が狭い為、多くの字数が入りません。
以下次回に続きます。
サイン(銘)には作者の印、染付けや上絵付けで記した書銘、釘や籤(ひご)などで掘り込む刻銘、
その他に印章を捺した物があります。又その書体も千差万別です。
江戸時代の野々村仁清が自分の作品に、最初に銘(サイン)を入れたと言われています。真偽の程は
不明です。それ以前では、「窯印」があっても個人を指すサインは無く、今は著名な作品であっても
無名の人の作った作品となっています。但し、作られた時代や作られた土地などはある程度確定で
きます。
現在は多くの人が共同で使う窯や陶芸教室などでは、サインが無ければその人の作品として特定
できませんからサインを入れる事は、必須条件です。
勿論サインでなく、マークであっても作り手が特定できれば、どの様な印でも問題は無いのですが、
完成した作品とし、場合によっては、後世に残る作品であれば有るほど、「キッチリ」したサインが
必要になります。勿論作品のどの位置に入れるかは、作者の自由ですが、出来れば読み易いサインで
読み易い位置に入れる事です。更に、真似され易いサインではなく、特徴のあるサインの方が当然
良い訳です。但し、だからと言って、目立つ処に入れるのも善し悪しですし、出来れば避けたい場所
もあります。尚、当然ですが、外から容易に見る事の出来ない器の内側などは、サインの役目があり
ません。
1) 出来るなら避けたい場所。
① 作品には正面とみなす部分が有るのが一般的です。正面にサインを入れるのは、なるべく避け
る事です。目立ち過ぎるサインは、出しゃばり感があります。但し、サインは作品が生乾きの
時に行う事が多く、施釉し焼成するまで正面が決定できない場合が、生じる可能性もありま
すが、なるべく生の状態の時に正面を決める事も大切です。
② サインは表立って表す事は少ないです。
表立った場所とは、皿類や丼状の器の内側などで、無意識でも自然に目に入る場所です。
但し飾り皿として使う場合には、内(表)側に入れる事もあります。又、大きな目のサインや
強調された目立つ形のサインも出来るだけ避けたい事項です。当然ですが、サインは作者を特定
する物ですので、他人と似通った物も敬遠したいです。
③ 陶や石、木製の印鑑を使う場合には、印を押す際に力が入り、その結果作品が変形する場所は
避けたいです。具体的には、壷や花瓶類の袋物と呼ばれる器の底や高台内です。
捺印は、素地が完全に固まる前に行う必要があります。その為、この様な位置に捺印すると、
底が変形したりします。但し、針や竹ひご等を用いて掘り込みサインを入れる分には問題あり
ません。底や高台内にサインを入れたい場合、施釉時に呉須等の下絵付けの要領で、筆書き
する事もあります。書銘といいます。
2) 一般的にサインを入れる場所。
正面を避ける為、作品の横方向(正面に対し略直角)に入れると無難です。特に耳の付いた器や
花器の場合、耳の下側に入れる事が多いです。
① 高台脇に入れる。抹茶々碗や袋物と呼ばれる作品などに多い例です。
印を押してサインを入れる場合、高台脇は比較的肉厚に成っており、近くに底がありますので、
作品が変形する事は少ないです。又作品を引っ繰り返す事なく、サインが確認できます。
② 裏底に入れる。平皿の様な場合には、裏底の中央又は右下に入れる事が多いです。
角皿は、タタラ状の粘土板の周囲を持ち上げて、縁を作る方法が一般的です。サインは縁作り
の前に入れる事です。平皿に脚(高台)が付いている場合には、高台内に入れます。
③ 高台内に入れる。作品を伏せた状態で初めて、サインが確認できます。書銘が適します。
作品によっては、高台内が狭い為、多くの字数が入りません。
以下次回に続きます。
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