前回に続き、色彩の心理について、お話致します。
1) 色が与える印象
④ 進出色と後退色
a) 同じ距離にある物でも、その色によって、遠くに離れて見える場合と、近くにある様に見える
事が有ります。
遠くに見える(凹んで見える)色を、後退色と言い、近づいて見える(飛び出して見える)色を、
進出色と言います。
b) 一般に、明るい色や、暖色系は、進出色で、暗い色や、寒冷色は後退色と言えます。
c) 原因は、定かではありませんが、色の三属性の内、「色相」の影響が大きいです。
暖色系の波長は、寒色系の波長よりも長く、光が目のレンズ(水晶体)を通る際、短い波長は、
長い波長より、屈折率が強く、目の網膜の手前に、長波長では、後ろ側に、焦点が合います。
これを、脳が補正する為、水晶体の厚さを変え、短波長は奥の方に、長波長は手前側に成る様に
する結果、暖色系は手前に、寒色系は奥に見えると言う、説も有ります。(「色収差」説)
d) 交差点での、交通事故では、暖色系の赤い車は、寒色系の紺、青、グレーの車よりも、事故件数が
少ないと言う、データも在るそうです。寒色系は実際よりも、遠くに感じるため、まだ安全と判断
してしまう為です。
⑤ 膨張色と収縮色
同じ坪数の部屋でも、広く見える部屋と、余り、広く見えない部屋が有ります。
又、白い衣服は、太って見え、黒い衣服は、引き締まって、見える物す。
a) 大きく見える色を、膨張色と言い、小さく見える色を、収縮色と言います。
b) 「色相」の差よりも、「明度(あかるさ)」の差が、大きく影響しています。
明度の高い色(白っぽい)程、膨張色と成り、低い黒は、収縮色と成ります。
・ その他、暖色は膨張、寒色は収縮、彩度が高い方が膨張、低い方が収縮色と、言われています。
⑥ 派手な色と地味な色
鮮やかで、明るい色は、派手に見え、暗くて、鈍い色は、地味に見えます。
派手や地味の好みは、年齢差、地域差、国民性、宗教性など、色々な要素が影響しています。
⑦ 目立つ色と目立たない色
赤や橙などの暖色系は、目立つ色と言えます。それ故、消防車や郵便ポストは、赤く塗られています。
道路標識なども、赤や黄色を使い、注意を向ける様にしています。
・ 但し、鮮やかな色が、溢れている所では、逆に白、黒などの色の方が、目立つ場合が有ります。
・ JIS(日本工業規格)では、安全標識に使う色を、以下の様に定めています。
赤: 防火、禁止、停止、高度の危険
黄赤: 危険、航海・航空の危険標識
黄: 危険
緑: 安全、避難、衛生、救護、進行
青: 指示、用心
赤紫: 放射線
白: 通路、整頓
黒: 矢印、縞模様、文字などの補助色
以下次回に続きます。
1) 色が与える印象
④ 進出色と後退色
a) 同じ距離にある物でも、その色によって、遠くに離れて見える場合と、近くにある様に見える
事が有ります。
遠くに見える(凹んで見える)色を、後退色と言い、近づいて見える(飛び出して見える)色を、
進出色と言います。
b) 一般に、明るい色や、暖色系は、進出色で、暗い色や、寒冷色は後退色と言えます。
c) 原因は、定かではありませんが、色の三属性の内、「色相」の影響が大きいです。
暖色系の波長は、寒色系の波長よりも長く、光が目のレンズ(水晶体)を通る際、短い波長は、
長い波長より、屈折率が強く、目の網膜の手前に、長波長では、後ろ側に、焦点が合います。
これを、脳が補正する為、水晶体の厚さを変え、短波長は奥の方に、長波長は手前側に成る様に
する結果、暖色系は手前に、寒色系は奥に見えると言う、説も有ります。(「色収差」説)
d) 交差点での、交通事故では、暖色系の赤い車は、寒色系の紺、青、グレーの車よりも、事故件数が
少ないと言う、データも在るそうです。寒色系は実際よりも、遠くに感じるため、まだ安全と判断
してしまう為です。
⑤ 膨張色と収縮色
同じ坪数の部屋でも、広く見える部屋と、余り、広く見えない部屋が有ります。
又、白い衣服は、太って見え、黒い衣服は、引き締まって、見える物す。
a) 大きく見える色を、膨張色と言い、小さく見える色を、収縮色と言います。
b) 「色相」の差よりも、「明度(あかるさ)」の差が、大きく影響しています。
明度の高い色(白っぽい)程、膨張色と成り、低い黒は、収縮色と成ります。
・ その他、暖色は膨張、寒色は収縮、彩度が高い方が膨張、低い方が収縮色と、言われています。
⑥ 派手な色と地味な色
鮮やかで、明るい色は、派手に見え、暗くて、鈍い色は、地味に見えます。
派手や地味の好みは、年齢差、地域差、国民性、宗教性など、色々な要素が影響しています。
⑦ 目立つ色と目立たない色
赤や橙などの暖色系は、目立つ色と言えます。それ故、消防車や郵便ポストは、赤く塗られています。
道路標識なども、赤や黄色を使い、注意を向ける様にしています。
・ 但し、鮮やかな色が、溢れている所では、逆に白、黒などの色の方が、目立つ場合が有ります。
・ JIS(日本工業規格)では、安全標識に使う色を、以下の様に定めています。
赤: 防火、禁止、停止、高度の危険
黄赤: 危険、航海・航空の危険標識
黄: 危険
緑: 安全、避難、衛生、救護、進行
青: 指示、用心
赤紫: 放射線
白: 通路、整頓
黒: 矢印、縞模様、文字などの補助色
以下次回に続きます。