わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶磁器と色彩 6 (色彩心理 2)

2010-12-20 21:53:53 | 陶磁器と色彩
前回に続き、色彩の心理について、お話致します。

1) 色が与える印象

 ④ 進出色と後退色  

  a)  同じ距離にある物でも、その色によって、遠くに離れて見える場合と、近くにある様に見える

    事が有ります。

     遠くに見える(凹んで見える)色を、後退色と言い、近づいて見える(飛び出して見える)色を、

    進出色と言います。

  b) 一般に、明るい色や、暖色系は、進出色で、暗い色や、寒冷色は後退色と言えます。

  c) 原因は、定かではありませんが、色の三属性の内、「色相」の影響が大きいです。

    暖色系の波長は、寒色系の波長よりも長く、光が目のレンズ(水晶体)を通る際、短い波長は、

    長い波長より、屈折率が強く、目の網膜の手前に、長波長では、後ろ側に、焦点が合います。

    これを、脳が補正する為、水晶体の厚さを変え、短波長は奥の方に、長波長は手前側に成る様に

    する結果、暖色系は手前に、寒色系は奥に見えると言う、説も有ります。(「色収差」説)

 d) 交差点での、交通事故では、暖色系の赤い車は、寒色系の紺、青、グレーの車よりも、事故件数が

    少ないと言う、データも在るそうです。寒色系は実際よりも、遠くに感じるため、まだ安全と判断

    してしまう為です。

 ⑤ 膨張色と収縮色

   同じ坪数の部屋でも、広く見える部屋と、余り、広く見えない部屋が有ります。

   又、白い衣服は、太って見え、黒い衣服は、引き締まって、見える物す。

  a) 大きく見える色を、膨張色と言い、小さく見える色を、収縮色と言います。

  b) 「色相」の差よりも、「明度(あかるさ)」の差が、大きく影響しています。

    明度の高い色(白っぽい)程、膨張色と成り、低い黒は、収縮色と成ります。

   ・ その他、暖色は膨張、寒色は収縮、彩度が高い方が膨張、低い方が収縮色と、言われています。

 ⑥ 派手な色と地味な色

   鮮やかで、明るい色は、派手に見え、暗くて、鈍い色は、地味に見えます。

   派手や地味の好みは、年齢差、地域差、国民性、宗教性など、色々な要素が影響しています。

 ⑦ 目立つ色と目立たない色

   赤や橙などの暖色系は、目立つ色と言えます。それ故、消防車や郵便ポストは、赤く塗られています。

   道路標識なども、赤や黄色を使い、注意を向ける様にしています。

   ・ 但し、鮮やかな色が、溢れている所では、逆に白、黒などの色の方が、目立つ場合が有ります。

   ・ JIS(日本工業規格)では、安全標識に使う色を、以下の様に定めています。

     赤:  防火、禁止、停止、高度の危険

     黄赤: 危険、航海・航空の危険標識

     黄:  危険

     緑:  安全、避難、衛生、救護、進行

     青:  指示、用心

     赤紫: 放射線

     白:  通路、整頓

     黒:  矢印、縞模様、文字などの補助色

以下次回に続きます。
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陶磁器と色彩 5 (色彩心理 1)

2010-12-19 21:29:59 | 陶磁器と色彩
色の種類に拠って、人はどの様な、感覚を抱くかの研究は、かなり以前より、行われています。

1) 色が与える印象

 ① 暖色、寒色、中性色

   目で見た色を、あたかも皮膚で感じる様に、温度差が実感されます。

  a) 暖色: 赤や橙系統の色は、暖かさを感じる色です。

  b) 寒色: 青系統の色は、冷たい感じの色です。

  c) 中性色: 暖色、寒色に含まれない色です。緑、紫、グレーなどです。

  明度(明るさ)が高いと、やや冷たく感じ、彩度(鮮やかさ)増すと、より強く、寒暖差を感じます。

  同じ温度の液体に、色々な色を付け、その中に指を差込、温度を実感して貰った所、以下の様な結果が

  出ました。暖かい順は、赤、橙、黄、緑、菫(すみれ)、黒、青、白との事です。

  お風呂の、浴槽や壁のタイルを、暖色にすると、寒色にした時よりも、3℃ほど暖かく感じたとの

  研究が、報告されているそうです。

 ・ なぜ、色に温度差を、感じるのかは、人類の歴史的な経験が、影響している為です。

   即ち、太陽や炎は、赤、橙の色をしています。それ故、これらの色は、太陽や、炎を連想させて、

   暖かく、感じるのです。

   一方、青や青緑は、水や日陰などを、連想させる為、冷たく感じるのです。

 ・ 但し、この様に感じるは、必ずしも全ての人に、当てはめる物では、有りません。

   「赤は冷たい」「青は暖かい」と感じる人もいます。そこには、何らかの、心理的影響が、ある

    からです。例えば、青は晴天の空の色で、幸の色、暖かい色と、連想される訳です。

 ② 重く感じる色、軽く感じる色

   同じ重さの物も、色によって、重みに差が出る様に感じます。

  a) 明るい色ほど、軽く感じ、暗い色ほど、重く感じます。同じ重さの、黒い色の物は、白い物

    に対して、1.87倍重く感じるとの、研究も有ります。

  b) 但し、上記の研究は、見掛け上の重量比で、実際に、両方で持った感じでは、さほどの差は、

    感じられないとの事です。

  c) 色による重量感の差は、「シャルパンティエ効果」が、関係していると、言われています。

    この効果は、同じ重さの物でも、形が大きい物は、軽く感じられるという事です。

    昔、子供の頃、「鉄100貫と綿100貫では、どちらが重い?」と言う、なぞなぞをした事が

    有ると思います。「鉄100貫」と答えてしまい勝ちです。綿は白く軽い物との、先入観があり、

    鉄は、黒く重い感じがするからです。

   ・ 重量感の差については、「明度以外は、さほど関係がない」、と言う説が有力です。

 ③ 興奮色と鎮静色

   色には、人を興奮させる色と、気分を落ち着かせる、鎮静色が有ります。

   a) 色の「彩度」の影響が大きいです。

     「色相」や「明度」も関係しますが、「彩度」の影響が特に強く、「彩度」が高くなると、

     興奮感が強く成ります。

   b) 「色相」では、赤と赤紫が、興奮色で、橙、紫が中性色、寒冷色の「青み」が増すほど、

     又、暗く濁る程、鎮静感が増します。

   c) 「赤」など、鮮やかな暖色系は、交感神経を刺激して、血圧や脈拍を上げます。

     人類が、狩猟で生活をしていた頃、「赤」は傷ついた獲物の鮮血を、指していました。

     獲物に、立ち向かうには、血圧や脈拍を上げて、戦闘態勢をとる必要が有ります。

     その遠い記憶が、現在にも作用していると、考えられます。

  ④ 進出色と後退色   

以下次回に続きます。

 色彩心理
   
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陶磁器と色彩 4 (色の好み2)

2010-12-18 21:43:08 | 陶磁器と色彩
前回に続き、色の好みについて、お話します。

3) 地域差について

   我が国でも、関西と関東では、色の好みが違うと、言われています。

   特に、ファッション関係の色では、同じブランド品でも、色によって関東、関西では、売れる色の

   違いが、あるそうです。

 ① 東京では、青系の色が好まれ、大阪では、赤系の色が、好まれると、昔より言われています。

 ② この差の原因に、気候や、日照時間が関係しているとも、言われています。

   特に、太陽の影響が強く、光の強さ、日照時間、空気の透明度、気温、湿度、気圧が大きく関係して

   います。

 ③ 各地の太陽光を比較してみると、関東(東京)地方では、青領域の波長(短波長)の量が多く、

   関西(大阪)では、特に夏場で、強い光と共に、長波長(赤の領域)の量が、多く注がれるとの
   
   事です。その為、それぞれの波長に合った、色が綺麗に見えるので、関東では、ブルーを含む

   寒色系を、関西では、赤やオレンジを含む、暖色系を、好む傾向が有ると、言われています。

    注) 寒色、暖色についてが、後日お話致します。

 ④ 関東と関西の色の好みの差を、武士階級が好む色と、宮廷貴族が好む色との対比で、説明する人も

   います。 東の武家文化は、「剛直さ」を好む気風で、明快な色調を、好む傾向があり 青、緑、紺

   といった、男性的な色合いが多いです。

   一方、西の貴族文化は、優雅で繊細に洗練された、「雅(みやび)」を好む、傾向にあります。

   それ故、華やかな色調の他、微妙な配色が、好まれている様です。

4)人種差について

 地球上では、住む地域によって、肌や髪の毛の色、瞳の色などは、人種によって、大きく変わります。

 又、宗教と色との関係や、気候風土も、異なります。

 気候も強い日光が降り注ぐ、熱帯地方から、日光が乏しい、寒冷地帯まで、幅広く変化があります。

 砂漠の様に、雨のや湿度の少ない地域や、逆に熱帯雨林の様に、常に大量の雨や、湿度を含む地域が

 有ります。 これらの環境風土によっても、色に対する感覚が、違う事は多いに、理解できる事です。

 ① 日差しの強い地域

   東南アジアや、赤道直下の地域に住む人は、派手な色(原色に近い、鮮明な色)の暖色系の色を、

   好みます。又、ラテン系の民族では、性格も刺激的なものや、興奮を引き起こす色(例えば赤)を

   好みます。強い光の下では、派手な色が引き立つからです。

 ② 日差しの弱い地域

   ヨーロッパや北欧では、日差しも弱く、日照時間も短く成ります。

   この様な地域の方は、落ち着いた、寒色系を好み、内向的に成ります。

   地域の差は、配色のみならず、文化芸術にも、多くの影響を与えるものです。

 ③ 日本人の色の好み

   我が国は、温帯に属し、熱帯と寒帯の、両方の要素を、受けていると、思われます。

   日本人は天然の素材を生かし、その素材の持つ美しさを、引き出そうとして来ました。

   天然の石を、粉末化して、顔料にしたり、植物からは、多様な染料を、生み出しています。

   それ故、特有の色彩文化を、作り上げたとも言えます。

  ・ 但し、顔料の色の種類は、染料に比べて、非常に少ないそうです。

    (岩絵の具、泥絵の具と呼ばれる色で、群青、緑青、朱、弁柄、黄土、胡粉の類、墨、金、銀

    程度の、色数です。)

     注: 胡粉とは、貝を焼いて作った、白い粉で、炭酸カルシウムが主成分です。

  ・ 日本人は、色に対して、繊細であり微妙で、暖色系や、鈍い色の色数が多いのが、特徴に

    成っています。

  ・ 日本人の好みの色の、ベスト3は、一位が「白」、二位が「鮮やかな青」、三位が「明るい青」と

    成っています。

次回は、「色が与える印象について」お話致します。
 
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陶磁器と色彩 3 (色の好み1)

2010-12-17 21:34:09 | 陶磁器と色彩
色の好みは、男女差、年齢差、地域差、人類差、民族差などによって、違いが有るといわれています。

1) 男女差について

  ① 成人の男女については、世界的に同じ様な傾向が、見られます。

    一般的に、赤系統と青系統が、好まれています。

  ② 我が国では、赤、青の他に、白、黒の無彩色が加わります。

  ③ 女性は一般に、淡い明るい色を好み、男性は暗くて濃い色を好むのが、世界的に共通の様です。

    又、女性は、ピンク系の色に、魅せられます。

  ④ この好みの差は、人類の進化の過程で、作られたものと、言われています。

    即ち、男性が狩猟に従事し、女性が果実などの採取に従事した結果、赤く熟した果実に、敏感に

    反応する必要が生じ、女性に好まれる色と、成ったとの説です。

  ⑤ 現在では、「男らしさ」、「女らしさ」の男女差が、ほとんど無くなって来ています。

    その為、男女の好みも、接近し明確に、区別出来なく成っています。

2) 年齢差について

   年齢差による、色の好みの研究も、色々な国で行われ、その報告も有ります。

  ① 生後6ヵ月の乳児でも、色の好みがあると言う、報告も有ります。

    即ち、黄色(白)、ピンク、赤、橙(だいだい)の順で、好まれているそうです。

  ② 幼児(5~6歳児)では、純色を好む傾向に有ります。

    男児では、青又は緑、黒を好み、女児では、赤、赤紫を好み、黄、橙、ピンクは、男女共通して

    好まれています。成長と共に、男女差は、小さく成っていきます。

    尚、幼児の好む色の順位は、黄、白、ピンク、赤、橙、青、緑、菫(すみれ)と成ります。

  ③ 50歳以降の人は、純色よりも、淡い明るい色を、好む様に成ります。

    又、年配者は、渋い色(やや暗い色)を、好む様にも成ります。

    成人の、嗜好色の順位は、青、赤、緑、白、ピンク、菫、橙、黄との事です。

3) 地域差について

   我が国でも、関西と関東では、色の好みが違うと、言われています。

   特に、ファッション関係の色では、同じブランド品でも、色によって関東、関西では、売れる色の

   違いが、あるそうです。

以下次回に、続きます。

 参考文献: 「色彩心理がすべてわかる本」山脇恵子著 (株)ナツメ社発行

 色の好み 男女差 地域差 

   
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陶磁器と色彩 2 (色の三属性) 

2010-12-16 22:12:13 | 陶磁器と色彩
色は、人の心に働きかけ、色々な感情を、引き起こします。

人を和ませたり、安心させたりする色もあれば、人に嫌悪感を与えたり、「イライラ」と、不安にさせる

色も有ります。又、同じ色であっても、その時の気分で、受け取り方が、大きく異なる場合も有ります。

この様な、色と人との関りを、研究し解明する学問に、「色彩心理学」と言う分野が有ります。

この様な話も、追々、述べたいと、思っております。

先ずは、色についての基本的な事から、お話します。

2) 色は三つの要素で成り立っています。この要素を、属性といいます。

 ① 色み(色相): 赤、黄、緑、青、紫など、色そのものの事です。

 ② 明度: 色の明るさを表します。明度が、一番高いのは白で、一番低いのは黒です。

 ③ 彩度: 色相の鮮やかさです。彩度の高い色は、その色に他の色が、混入していない色で、他の色が

   混じるに従い、彩度は低く成ります。

3) 有彩色と無彩色

   上記、色の三属性の内、「明度」のみを持ち、他の「色相」と「彩度」を、持たないもので、白、

   灰色、黒がそれです。

4) 色に名前を付ける(ここでは、陶芸に限定せずに、一般的に使用されている、色の名前です。)

  名前の付け方には、大きく分けて、慣用色名と、系統色名が有ります。

  ① 慣用色名: 茜色(あかねいろ)、朱色、藍色(あいいろ)、象牙色、セピア、エメラルドグリーン、

    空色など、日常で良く耳にする言葉で、動物、植物、染料、顔料、地名、人物、自然現象など

    から、取り入れ、名付けたものです。

   ・ JIS(日本工業規格)では、「JIS慣用色名」として、147色の和名と、122色の外来語の

     色名の、計269色を指定しています。

  ② 系統色名

    基本色名10色(赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫)と、3種類の無彩色
  
    (白、灰、黒)を基本とし、更に、明度や彩度を表す修飾語(薄い、濃い、明るい、暗い、

     鮮やかな等)を、付け加えて全色を、表す方法で、JIS規格にも、有彩色260色、無彩色

     90色、計350色が、設定されています。

      例: 明るい赤、くすんだ青みの黄、等と表します。


* 参考資料として、陶芸に関係ありそうな、JIS慣用色名(和名のみ)を、以下に表記します。

  紅赤、 えんじ(臙脂)、 茜(あかね)色 、 赤 、朱色、 鉛丹(えんたん)色 、とび(鳶)色

 小豆(あずき)色、 弁柄(べんがら)色 、 海老茶 、 金赤、 赤茶 、 赤錆(あかさび)色 、赤橙
 
 柿色 、 れんが(煉瓦)色 、 錆(さび)色、 桧皮(ひわだ)色 、 栗色 、 黄赤 、 橙色、茶色

 焦(こげ)茶 、 褐色 、 土色、 小麦色 、 金茶 、 黄土色、 朽葉色 、 芥子(からし)色

  黄色 、 ひわ(鶸)色 、 鶯(うぐいす)色 、 抹茶色 、黄緑 、 若草色、 萌黄(もえぎ)

  草色 、 若葉色 、松葉色 、 白緑(びゃくろく)、 緑 、 緑青(りょくしょう)色 、 深緑

  もえぎ(萌葱)色 、 若竹色 、 青磁色 、 鉄色、 青緑 、 錆浅葱(さびあさぎ)、 浅葱(あさぎ)色

  水色 、 空色 、 青 、 濃藍(こいあい)、 露草色 、 紺青(こんじょう)、るり(瑠璃)色

  紺色 、 藤色 、 藤紫 、 青紫 、 菫(すみれ)色 、 しょうぶ(菖蒲)色 、 江戸紫、 古代紫

  なす(茄子)、 紫紺(しこん)、 あやめ(菖蒲)色 、 赤紫 、 胡粉(ごふん)色 、 象牙色

  銀鼠(ぎんねず)、 茶鼠(ちゃねずみ)、鼠色 、利休鼠(りきゅうねずみ)、 鉛色 、 黒茶

  墨 、 黒 、 鉄黒(てつぐろ)、 金色 、 銀色

以下次回に続きます。

 色の三属性(要素)  JIS慣用色名
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陶磁器と色彩 1 (色が見る理由)

2010-12-15 21:32:42 | 陶磁器と色彩
人間は、五感を通して、外からの情報を、得ています。

 特に視覚による情報量は、全体の8割以上と、言われています。視覚の他、聴覚11%、嗅覚3.5%

 触覚1.5%、味覚が1%程度と、されています。

 陶磁器では、視覚と触覚が重要で、一部、焼きの加減を、指で弾きその音色で、判断しますので、聴覚も

 使用します。

 ・ 陶磁器の、出来の良し悪しを、判断する方法も、色々有りますが、なんと言っても、色の良し悪しで

   評価される事も多いです。勿論、使い勝手の良い作品も、大事ですが、使い勝手は、使ってみて

   初めて判る物で、一目見て判るとは、限りません。

   一目で判断すると成ると、形よりも、やはり色の良し悪しと、成ります。

 ・ 色の好みは、十人十色で、一概に良い色、悪い色と、区別する事は出来ません。

   今回の「テーマ」は、その色について、お話したいと、思います。

 1) 同じ色でも、人によって、見える色が違う(見え方が違う)

    同じ色、例えば赤ならば、万人が同じ赤に、見える訳では有りません。

    鮮明に赤く見える人、茶色がっかった赤に見える人、グレーを含んだ赤に見える人、黒っぽい赤に

    見える人など、個人差が大きいそうです。それ故、貴方の見ている赤が、他の人も、同じ赤と

    認識する事は、誤りともいえます。

 ① 色はどの様にして感じるのか?

   人の目は、明るい所でしか、色を感じる事が出来ます。暗い場所では、明暗は判りますが、色は、

   判別できません。明るい光の下で、色が感じられます。

  ) 色を感じる細胞が、目の網膜上の「中央か」に存在し、光に刺激され、脳に伝達されます。

  ) この細胞を、視細胞と呼び、600万~700万個あります。

     赤色を感知する「L 錐体」、緑色を感知する「M 錐体」、青色を感知する「S 錐体}の三種の

     視細胞が、有ります。割合は、6:3:1で、存在します。

     尚、「R 錐体」「G 錐体」「B 錐体」と呼ぶ、呼び方も有ります。

  ) この三種類の組み合わせで、全ての色を、見分ける事が出来ます。

     人は、1000万~750万種の異なった色を、見分けられると、言われています。

  ) この細胞は、生まれながらに、個人差があり、「L 錐体」が少ない場合には、赤をはっきり見る

     事は、出来ません。又、全く無ければ、赤色を感知できません。逆に、他の人より視細胞が多い
     
     場合には、赤の中にも、他の人より、多くの色々な赤を見る事が、出来るそうです。

     同様に、緑色や、青色を感知する、視細胞の強弱により、緑色や青色がよく見えたり、

     見えなかったりする様です。

 ) 尚、昔はこの様に、色が他の人と、大きく異なって見える人を、「色弱」と呼んでいましたが、

    現在では、余り使われていません。

    この様な方は、人種、民族、男女差によって、その割合が、若干異なります。我が国では、男子で

    全体の5%(20人に一人)程度、女子で0.2%(500人に一人)の頻度で、発生するそ

    うです。 又「色弱」の程度によっては、本人も気ずかない場合も有ります。それ故、同じ色が、

    少々違って見えている事も、十分考えられる事です。

 ) 加齢や病気によっても、見える色が、変わる事が有ります。

    加齢による白内障の為、目の水晶体が、黄変したり、白濁し、青系統の色が抜け落ち、赤っぽく
 
    見えたり、黄色と白が、判別できなくなる事も有ります。

    又、糖尿病網膜症などによる、網膜の病気にかかると、網膜の錐体の機能が、損なわれます。

    特に、元々少ない青を感知する錐体は、被害が出やすく、青系の色が、感知できなく成ります。

以下次回に続きます。

色の見え方
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陶芸家を目指す 29 (二足の草鞋)

2010-12-14 21:43:11 | 陶芸家を目指す
陶芸で、収入を得る方法として、「御自分の作品を売る」、「陶芸教室を開く」等の、話をして来ましたが、

第3の方法として、本業の他に、副業を設ける方法です。

 昔より、一般的に、採られている方法です。

 例えば、将来、小説で生計を、建てたい(1本立ちしたい)と、希望を持った小説家の卵は、当面、

 出版社に就職したり、学校の国語の先生等で、収入を確保して、小説を書き続けています。

 小説には、「芥川賞」「直木賞」の様な大きな賞から、各出版社が主催する、各種の賞が存在しています。

 これら、何れかの賞を、獲得できる日まで、二足の草鞋(わらじ)を、履くき続けます。

 画家を志す人達も、学校の美術の先生や、一般企業のデザイン部門に、職を得て将来に備えています。

 ボクシングの世界でも、世界チャンピオンを目指しながら、アルバイトや他の職業に、就いて居るのが

 普通です。同様の事が、「劇団員」「若手お笑いタレント」等、売れる迄は、二足の草鞋で、頑張って

 居ます。それ故、本業と副業の2本立てで、現在を乗り切るのに、何ら引き目を感じる必要は、

 ありません。 尚、どちらが本業で、どちらが副業かは、明確に区別する必要も、ありません。

1) 学校の先生との兼業

   一番一般的な方法です。美術学校などで、勉強したからと言って、直ぐに、売れる作家には、

   なれません。

   ・ 文化勲章を受章した、板谷波山出さえ、東京美術学校卒様後、石川県工業学校で、彫刻科、

     後に、陶磁器科の先生として、生徒を教えていました。そして陶芸展などに、応募し入選を

     繰り返しながら、名前が知れ渡る様に、成りました。

     同様に、学校の美術の先生をしながら、全国の粘土を採取研究し、定年後伊豆に窯を、築いた

     陶芸家も居ます。

   ・ 学校の先生の利点は、時間的に余裕が有り、まとまった期間休暇が、取れる事かも知れません。

 2) スッタフ、アシスタントについて

   ・ 学校の先生に成るには、大学等の卒業資格が、必要に成りますので、それは無理の方は、

     陶芸関係の、他の就職(バイト)先を見つける事に成ります。     

   ・ カルチャーセンテター等や、大きな陶芸教室などの、スッタフやアシスタントとして、採用して

     貰うことも有りますが、「コネ」が必要で、採用して貰う事は、少ないでしょう。

   ・ 公民館活動で、陶芸を教える事も出来ますが、収入は、雀の涙程度です。

     (公民館活動は、御自分で立ち上げる事が、出来るのが、強みです。)

 3) 地方の陶磁器の窯場などに、下働きとして仕事をしながら、技術と資金を貯め、独立する人も、

    居ます。 但し有名の作家などは、弟子を採る事は、ありません。あくまでも、修行としての

    価値しかありません。将来作家になれたとしたら、堂々と○○の先生の、指導を受けたと、宣伝

    する事が出来ます。この世界では、この様な経歴も、重要な事に成ります。

 4) 陶芸とは、全く関係ない、仕事を持つ

    趣味的の物から、次第にのめり込み、作家を目指す人も居ます、その際本業を持っていれば、

    収入が或る程度、安定しますので、不安も少なくて済む、利点もあります。

以上で「陶芸家を目指す」の、話を終わります。長々と、書いて来ましたが、参考に成ったかどうかは、

ご自身でご判断ください。

 「どの様な陶芸家を目指すのか?」 目標を掲げて挑戦して下さい。

 才能も重要ですが、それ以上に、熱意と情熱が大切です。

次回からは、別のテーマでお話します。

陶芸と二足の草鞋
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陶芸家を目指す 28 (陶芸教室を開く13)

2010-12-13 21:34:23 | 陶芸家を目指す
前回に引き続き、陶芸教室を、開く方法(準備)について、お話致します。

 ④ 募集広告

  ) 看板による宣伝

   b) 貸し看板による宣伝

    貸し看板で代表的なのは、駅構内に掲げられた看板や、電柱広告です。

    イ) 駅構内の貸し看板: 駅のホームなどに、掲げられている看板類です。

       電車を待つホームの反対側に在る、看板で、内側に、蛍光灯が入った行灯(あんどん)型

       の物も有ります。単に駅で待つ人だけでなく、電車が止まった際にも、見て貰えます。

       駅近辺に、教室が在る場合は、効果が期待されます。簡単な地図を載た物も、有ります。

       期間を区切り、借りる事に成りますが、ホームの何処に、設けるかによっても、効果が変り

       ます。ホームの外れの様に、余り人が集まらない所よりも、改札口近くが、有望ですが、

       その位置に空きがあるとは、限りません。

       そこを借りる際には、駅などに、問い合わせて下さい。(鉄道会社が直接取り扱う場合と、

       その関連業者が、広告を取り扱う事も有ります。)

     ・ 駅から遠い位置にある、教室の場合、宣伝効果は、余り期待できません。

    ロ) 駅構内ではなく、駅に通じる道筋や、駅前などに、貸し看板が有る事も、有ります。

       この場合の、看板使用の申し込みは、何処にしたら良いか、迷う事と思いますが、空きが

       ある場合には、前の広告が、白く塗り粒されています。又、その看板の隅に、連絡先が、

       記されて居る場合もあります。 時には、広告会社から、看板使用の売り込みも有ります。

    ハ) 電柱広告: 道路の脇に立てられている電柱に、広告を載せる方法で、街中で良く見かける

       看板の宣伝方法です。

     ・  電柱に巻き付ける方法と、四角い板状の物を、掲げる方法が有ります。

       縦長の同じ2枚の看板を、背中合わせに、電柱に巻き付け、通行人や、自動車などから、

       見える様にして居ます。

     ・ 四角い看板は、電柱の上部に取り付けますので、通行人の目の高さより、かなり高い位置に

       成りますので、目に留まり難いかも知れません。

     ・ 電柱の広告は、電柱1本では、余り効果はありません。ある程度本数が多い方が良いの

       ですが、費用も増えます。又、教室周辺に取り付けるべきで、余り遠い場所には向きません。

    ニ) その他の看板: 路線バスの側面や後側に、看板を付ける事も有ります。

       教室周辺を走る、路線バスは、ある区間を、頻繁に往復していますので、人目に付き易い

       です。但し、余り効果は、期待できません。

  c) その他の宣方法

    イ) 路線バス内の、停留所の音声案内の際、その停留所の宣伝が、入る場合が有ります。

      「次は○○です。××陶芸教室は、この停留所が便利です」などと、放送して貰えます。

       初めて聞く人には、宣伝効果が、あるかも知れませんが、一般には、聞き流しているのが、

       実情でしょう。

    ロ) 陶磁器の、展示会や、即売会などで、案内書を配布したり、無料体験コーナーを設け

       たりして、募集する事も、可能です。

  陶芸教室の経営が、上手くいくかは、いかに会員(生徒)を集めるかに、掛かっています。

  それ故、なるべく、費用を掛けずに、人を集める事が、大切に成り、色々知恵を絞って下さい。

以上で、陶芸教室を開く場合の、話を終わります。

陶芸で、収入を得る方法として、「御自分の作品を売る」、「陶芸教室を開く」等の、話をして来ましたが、

次回より、第3の方法について、述べたいと思います。

貸し看板
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陶芸家を目指す 27 (陶芸教室を開く12)

2010-12-12 21:51:08 | 陶芸家を目指す
前回に引き続き、陶芸教室を、開く方法(準備)について、お話致します。

 ④ 募集広告

  ) 看板による宣伝

     看板による宣伝も、以前程の、効果は無くなりました。

     看板は、ある一定の期間同じ場所で、掲げられますので、募集効果と言うよりも、陶芸教室の

     存在を、アピールする方が、主目的に成ると思われます。

   ・ 看板には、自前の看板と、貸し看板が有ります。

   a) 自前の看板は、看板を掲げる場所を、御自分で探し出し、「看板屋さん」に依頼して、

     看板を設けます。(勿論、御自分で、看板を製作する事も、可能です。)

    イ) 自分の敷地内に、看板を建てる。

       店の入り口や、屋根の上等に、屋号と共に、目立つような大きさで、看板を建てます。

       看板を、どの様な人に、見て貰うのかによっても、看板の字の大きさ、内容が異なります。

     ・ お店の前を、歩いて通る人を、対象とするなら、字は適度の大きさで、字の数も

       多少多く書く事が出来ます。

     ・ 自動車や、電車など動く物から、看板を見て貰うには、看板の面積も、ある程度広く、

       文字も大きく、少な目にしなければ、宣伝効果には、なりません。

       又、目の高さも、重要に成ります。遠くから見せる為には、高い位置に、設ける方が、

       有利ですが、高過ぎる位置の看板は、近くに来ると、見えなくなる場合も有ります。

     ・ 現在では、手書きの看板の他、LEDで文字を点灯した、看板を多く見かけます。

       次々に、文字が変化し、多くの情報量が、表示できます。(手書きの看板より、高価ですが

       プログラムを変更する事により、更新が可能と成ります。文字だけでなく、簡単な絵も可能

       です。) 又、看板と違い、夜間でも明るく表示し、宣伝効果も大きいと、思われます。

     ・ 看板とは呼びませんが、同じ様な働きをする物に、暖簾(のれん)や幟(のぼり)旗が

       有ります。暖簾は、入り口に吊るす布で、屋号などが、染め抜かれています。

       幟旗は、竹ざお等に、名前が入った、長方形の布の端を通して、立てた物です。

     ・ 広い窓が、通りに面している場合には、透明なガラス窓の内側に、紙に書いた「○○陶芸

       教室」の張り紙を、出す事も可能です。

    ロ) 敷地を借りて、自前の看板を建てる。

       ご自分で、地主さんと相談して、土地を借り受けます。

       (この交渉が、苦手な人には、後で述べる、貸し看板の方法が有ります。)

       借地料は、発生するが、好みの(見易い)位置、宣伝効果の有りそうな位置、道案内を、

       兼ねた位置等に、建てる事が出来ます。賃貸契約は、複数年で更新と成ります。

       この様な看板は、本職の看板屋に、依頼したい物です。当然、耐用年数にも、差が出ます。

       ペンキは、色によって、紫外線の影響を強く受ける物と、余り受けない物が有ります。

       紫外線の影響で、退色する場合もありますので、専門家に、任せた方が、無難です。

    ハ) 上記ロ)で述べた、看板の取り付け位置は、教室から余り離れた場所では、効果が有り

       ません。近くの人や、近くを通り掛った人、又は、貴方の教室を目指して、おいでになる人

       等が、対象に成りますので、教室の近辺に掲げた方が、良いでしょう。

  b) 貸し看板による宣伝

    貸し看板で代表的なのは、駅構内に掲げられた看板や、電柱広告です。

 以下次回に続きます。

 看板 宣伝 
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陶芸家を目指す 26 (陶芸教室を開く11)

2010-12-11 22:23:21 | 陶芸家を目指す
前回に引き続き、陶芸教室を、開く方法(準備)について、お話致します。

 ④ 募集広告

 ) ネットを利用した宣伝

  d) HPの更新

    更新が、御自分で出来る場合には、費用が掛かりませんが、業者に委託すると、小さな変更記事

    でも、多額の金額を、請求されます。

    それ故、業者に作って貰っても、ご自分で変更(更新)が、可能なソフトであるかを、確認して

    から、HPの製作を、依頼した方だが良いでしょう。

  e) HPの功罪

   イ) HPは、地域や、場所に関らず、不特定多数の人に、見てもらえます。

    その為、紙を媒体とした広告よりも、広い範囲の人を、対象とした、募集宣伝広告と成ります。

    埼玉県に在る私の所にも、(体験者ですが)神奈川県、千葉県、茨城県、群馬県など遠くから、

    おいで下さる方が、結構います。

   ロ) HPを見る方の内、約半数は、陶芸とは関係ない方だとも、言われています。

     更に、同業者も多く、陶芸を始めようとする為に、HPを見る方は、1割程度とも言われ、

     アクセス数が、必ずしも、募集に直結する物でも、ありません。そこが悩みの種でも有ります。

   ハ) HPを作った為に、陶芸とは、直接関係ない、色々な職業の方々から、電話やFAX、メール

      等で連絡が入ります。一番多いのが、俗に言う売り込みの、類(たぐい)です。

   ・ 売り込みで、多いのは、広告掲載の依頼、新しいHPの製作、事務用品の販売、その他

     食料品の販売(りんご、メンタイコ、酒類、味噌など)、互助会の勧誘、事業拡大の為の手助け

     及び、プロバイダーの変更など、あらゆる分野の、売り込みが有ります。

   ・ 電話番号は、HP上に掲載して有りますので、電話での売り込みが在るのは、予想されますが、

     HP上に掲載されていない、メールでも、多く入って来ます。(所謂、迷惑メールです。)

     前回お話した、HPを紹介してくれる、サイトの登録には、メールアドレスを記入しますので、

     何処か(いずれか)のサイトから、第三者に漏れ、広く知れ渡った物と、思われます。

     (メール番号が、1件幾らで、販売されているとも、聞いて居ます。それ故、知れ渡っても

      良いメールを、営業用の番号にし、プライベートの番号と、区別すると、良いでしょう。)

    ・ 尚、迷惑メールを無くす方法として、着信拒否や、迷惑メール判別方法が有りますが、

      余り効果はありません。 相手も、アドレスを変えたり、手を換えて送り続けます。

      それ故、根気良く削除を繰り返すと、相手も、送り付けない様に成ります。

      私も1日に100件近い迷惑メールを、受けたこともありましたが、削除を繰り返した結果、

      今では、数件程度に減っています。

  ) 看板による宣伝

     看板による宣伝も、以前程の、効果は無くなりました。

     看板は、ある一定の期間同じ場所で、掲げられますので、募集効果と言うよりも、陶芸教室の

     存在を、アピールする方が、主目的に成ると思われます。

以下次回に続きます。
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