おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

歩いて1分の居酒屋

2009年09月01日 | 日記・エッセイ・コラム
近くの居酒屋が閉店した
 
家の近くに“ショッピングセンター”と呼ばれる
テナントが並んだ建物がある
居酒屋にスナック
一時期、美容院や喫茶店が入居していた時期があったが
押しなべて飲み屋街と言った風情の
最盛期には、そこはかとなく淫靡な雰囲気を醸し出した
こじんまりとした小さな地元の歓楽街だった
 
大きなアーケードの両側に
3~4件ほどが軒を連ねる大きなショッピングセンターも
7年ほど前に火事で半分が消失し
残った片方の店舗が営業を続けていた
 
その一軒
 
一番最初はお好み焼きの店だった
たまにオカンに連れていってもらったが
いまほど“外食”の概念がなかった時代だったから
本当に、たまに
運動会の後とかに連れていってもらった
 
その後、スナック街となっていたテナント群には
それ以外の店舗が入らない時期が続いたが
全国的な“もつ鍋ブーム”のご多聞に漏れず
新装オープンした
もつ鍋屋はブームとともに去っていき
その後、数件の居酒屋がその場所に店を
出したが、長続きはしなかった
 
で、昨日、その歴史に幕を下ろした居酒屋
 
地元の人間が開いた、久々の店だった
小さい頃からの馴染みとあって
昔話にも花を咲かせたし、べろべろになるまで
飲み明かしたりもした
 
馬鹿会の会合でもお世話になった
以前は、二件の店を交代で使っていたが
もう一軒の鉄板焼きの店がなくなってからは
ここが馬鹿会のホームグランドとなっていた
 
最近じゃ、飲みに行っても
 
「今日は仕事やったん?」
 
と聞かれ
 
「仕事はあるのん?」
 
と続けざまに聞かれたものだった
 
「ないよ、今はどっこも、仕事ないやろ!」
 
なま中のジョッキを片手に
お互いの行く末に微笑みあったものだった
 
最初のお好み焼きや以来、一番長く続いた店だったが
その歴史に昨日、幕を下ろした
買物の用事を思い出して自転車での
スーパーへの道筋に、その店はある
 
店の灯りは付いていたが、看板の灯りは消えている
店内にも、人の気配(常連)はなかった
 
スーパーからの帰り道、まだ灯りのついている
店の前を通りながら、しみじみと思った
 
(ショッピングセンターで誰の命名やろ?)
 
飲み屋しかないテナントにつける名前ちゃうやろ!と
寒さを感じ始めた夜にひとりで思った