未熟なカメラマン さてものひとりごと

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2018(平成30)年、第30回全国高校女子駅伝 興譲館高校 感動をありがとう!

2019-01-21 23:41:31 | 駅伝
12月23日、京都で開催された2018全国高校女子駅伝で8位入賞した、岡山県代表の興譲館高校をデータにより検証してみたいと思います。例によって敬称略、過去の駅伝記事は、カテゴリーから“駅伝”を参照ください。

1時間7分25秒の好タイムで優勝したのは、鹿児島県代表の神村学園でした。最強のケニア人留学生、カマウ・タビタを擁し、トップとの31秒差を逆に、26秒の差をつけての完全優勝でした。カマウ・タビタの区間記録は歴代2位、あの青森山田のF.ワンジュクの歴代記録に2秒差に迫る好記録でした。

さて、今年の興譲館、地元井原市でもそれほど期待は高くありませんでした。10位台に残ればいい方、というのが大方の予想ではなかったでしょうか。
特に、1500m、3000m、5000mランキングにおいても、上位にランクインしているのは、3000m8.58.97の記録を持つ、留学生ムワンギ・レベッカ(以下、M.レベッカ)のみでした。
ちなみに昨年の3000mでみると、M.レベッカが9.13.01で20位、室田杏子が9.26.91で72位、青木未晴が9.29.92で96位でした。


また、有力校を紹介する、スポーツ情報誌においても、今年の興譲館を取り上げる記事は、ほんのわずかでした。
NHKの中継ではどうでしょう。果たして興譲館の選手がアップで映し出されることがあるだろうかと、いらぬ憶測をしてしまいます。
しかし、興譲館は、過去の大会において2度の優勝、10年連続の表彰台と輝ける歴史を持つ伝統校です。晴れの舞台では、きっとなにかやってくれずはずと、いい意味での番狂わせを期待していました。

一方で、強力なライバルが出現です。前回大会から本格的に強化を始めた倉敷高校です。インターハイ1500mで優勝したアグネス・ムカリを擁し、全国区の山本晏佳史を主力にとても大きな存在となりました。県の予選会では最終区でレベッカが逆転しましたが、中国地区大会では敗れています。来年度からは、まず予選会突破が、大きなハードルになるかもしれません。


それでは、今年の結果をデータで見てみましょう。
入賞校は以下のとおりでした。
1. 1:07:25 神村学園(鹿児島)
2. 1:07:51 長野東(長野)
3. 1:07:51 仙台育英(宮城)
4. 1:08:04 大分東名(大分)
5. 1:08:15 須磨学園(兵庫)
6. 1:08:16 豊川(愛知)
7. 1:08:20 立命館宇治(京都)
8. 1:08:32 興譲館(岡山)

興譲館の過去の成績と順位を見てみましょう。
29回(2017)7位 1.08.55
28回(2016)16位 1.10.01
27回(2015)6位 1.09.14
26回(2014)15位 1.10.33
25回(2013)2位 1.07.51
24回(2012)3位 1.08.03
23回(2011)2位 1.07.53
22回(2010)1位 1.07.50
21回(2009)3位 1.09.10.
20回(2008)2位 1.07.41

倉敷高校との順位、記録を比較してみましょう。
まず、県の予選会です。(11月4日 井原)区間順位とタイム、右が倉敷
1区 酒井  想 1位20.09 ⇔山本晏佳史2位20.36
2区 落合 莉子 2位13.47 ⇔アグネス・ムカリ 1位12.46
3区 舛田  華 2位10.21 ⇔萩原柚乃 1位10.14
4区 金澤 彩希 2位10.23 ⇔山下夏実 1位10.19
5区 M.レベッカ 1位16.15 ⇔江尻佳乃 2位17.43 
興譲館はタイムでは勝ちましたが、区間ごとの勝敗は2勝3敗でした。

次に全国大会です。右が倉敷
1区 酒井 想  16位 20:06 ⇔ 山本晏佳史 22位 20.15
2区 M.レベッカ 1位 12:32 ⇔ 萩原柚乃 20位 13.28
3区 山下穂香  25位 10:13 ⇔ 山下夏実 33位 10.19
4区 舛田 華  6位  9:35 ⇔ 藤田彩希 26位 9.55
5区 落合莉子  9位  16:06 ⇔ アグネス・ムカリ3位 15.15
興譲館の4勝1敗、本番では圧倒的な強さでした。これが経験値、伝統校の強みということでしょうか。

次に興譲館の昨年(学年は当時)との区間ごとの順位とタイム比較です。
1区 酒井 想 3年 16位 20:06 ← 青木未晴 3年 15位 19:52
2区 M.レベッカ2年 1位 12:32 ← 的場麻歩 3年 11位 13:26
3区 山下穂香 2年 25位 10:13 ← 山下穂香 1年 4位 9:50
4区 舛田 華 3年 6位 9:35 ← 落合莉子 1年 4位 9:33
5区 落合莉子 2年 9位 16:06 ← 金丸芽生 3年 7位 16:14
M.レベッカと落合莉子が昨年を上回っています。


それでは、区間ごとに見ていきましょう。
1区 酒井 想(さかい こころ)3年 徳島県石井町立高浦中学校出身
9月8日の高松市陸協 3000mでチーム内ではレベッカに次いで9分32秒34の自己記録を出し、M.レベッカに次ぐ実力者です。県予選でも1区を走り、区間1位でした。
今年の酒井は、ライバル倉敷高校の山本との戦いでもありました。県予選会、中国地区大会でも同じ1区を走り、宿敵に打ち勝っています。
平成28年度の全国大会(1年時)では、2区で出場。区間10位の成績でした。
テレビのアナウンスは、長崎商業の廣中瑠梨佳が、新谷仁美(興譲館出身)の記録を更新するかどうかのタイム比較に終始していました。別な意味でも出身校の興譲館が目立った1区でした。
酒井は、最初から積極果敢にトップ集団に付き、廣中がスパートした後は2位集団を引っ張っていく積極果敢な走りでしたが、4.5km付近から徐々に遅れ始めます。興譲館としてはまずまずの出だし、何とか責任を果たしたのではないでしょうか。



2位集団を引っ張る酒井の力走

2区 M.レベッカ 2年 ケニアの留学生です。
3000mタイム 8.58.97
前年は故障のため出場できず、そのリベンジとして頑張りました。チーム一の小柄ですが、前述のとおり区間1位、歴代2位の好記録でした。区間の前半には、まったくTV画面に映りませんでしたが、2.5km付近から異次元の走りで追い抜き始めるころからやっと、映るようになりました。2区は上り下り、カーブの連続と難コースですが、各チームとも主力の選手を置いています。そんな中、M.レベッカは区間賞の走りで12人抜き。順位は4位と大幅にアップし、彼女も見事にその責任を果たしました。



レベッカは12人抜きの快走

3区 山下 穂香(やました ほのか)2年 神戸市立平野中学校出身
3000mタイム 9.48.40
両足のテーピングが、何とも痛々しい様子でした。昨年は、前述のとおり同じ3区を走り区間4位の好成績でしたが、今年は、前年よりも23秒も遅い区間25位となりました。思えば、県予選会、中国大会を故障で欠場、その後、徐々に回復したものの決して本調子ではありませんでした。それでも一生懸命走る姿には心を打たれるものがありました。一時は3位に浮上しましたが、2km付近で後続につかまり順位は、8位に後退します。山下にしては、不本意な結果だったと思いますが、こればかりは仕方ありません。



テーピングが痛々しい山下
   
4区 舛田 華(ますだ はな)3年 兵庫県揖保郡太子町立太子東中学校出身
3000mタイム 9.43.88
区間タイム9.35、区間6位の大健闘でした。順位は、北九州市立、須磨学園と8位グループを形成していましたが、結果的に順位を一つあげて7位でタスキを渡します。
主将としての責任感もあったのでしょう。見事にその役目を果たしました。
舛田としては、初めての都大路でしたが、最後の年でよい思い出を残すことができました。



8位グループの入賞争い、踏ん張る舛田

5区 落合 莉子(おちあい りこ)2年 宮崎県西都市立妻中学校出身
3000mタイム 9.38.80
昨年に続く都大路でした。昨年は、山下との1年生コンビで大活躍でした。今年は、最終区を託されました。途中、大分東名、須磨学園にかわされましたが、入賞圏内を争って、成田高校の小杉選手とのデッドヒート、最後はトラック勝負となりましたが、見事に制しました。この瞬間、テレビで応援していた井原市民は大喝采したことでしょう。予想以上の活躍はほんとに見事でした。



最終区、成田とのデッドヒート


最後は引き離した

今年は、7月上旬の西日本豪雨により井原陸上競技場が使用できず、井原市木之子町特設コースに変更になるなど、練習環境にもいろんな変化がありました。
また、うれしいニュースとして、偉大な先輩、1区の区間記録を持つ新谷仁美選手が1万メートルに復帰したことも励みになりました。

来年は、M.レベッカ、山下穂香、落合莉子が残りますし金澤彩希もいます。新入生も入ってくることでしょう。陸上部内の切磋琢磨により、往年の強い興譲館を見せてくれることを期待してやみません。


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2018(平成30年)全国高校女子駅伝 感動をありがとう! 長野東高校の巻

2019-01-08 22:01:10 | 駅伝
遅くなりましたが、昨年末の全国高校女子駅伝の結果をデータにより分析してみたいと思います。例によって敬称略、過去の駅伝記事はカテゴリーから“駅伝”をご覧ください。

今回は準優勝した長野県代表の長野東高校を取り上げてみたいと思います。
当初の私の予想は、以下の通りでした。
須磨学園(兵庫)、仙台育英(宮城)、神村学園(鹿児島)に続くのが、勢いに乗っている長野東(長野)、大分東名(大分)です。レース展開では、表彰台も夢ではありません。(12月21日の記事より)

結果は以下の通りとなりました。
須磨学園(兵庫) 5位 1.08.15
仙台育英(宮城) 3位 1.07.51
神村学園(鹿児島)1位 1.07.25
長野東(長野)  2位 1.07.51
大分東名(大分) 4位 1.08.04
実力を出し切れなかった須磨学園、仙台育英、長野東の底力、留学生の圧倒的強さを見せつけた神村学園と大分東名、ということになるのでしょうか?

(長野東・記録)
県大会1時間8分54秒、
地区大会1時間10分00秒(1位)
3000m平均タイム:9分17秒(3位)
県最高記録:1時間7分41秒(前回大会2017)

それでは区間ごとの記録を見ていきましょう。
1区 高松いずみ(2年)19.41 区間9位
2区 荻谷 楓(3年)13.13 区間6位 全体7位にアップ
3区 高安 結衣(3年)09.48 区間9位 全体5位にアップ
4区 小原 茉莉(2年)09.26 区間1位 全体2位にアップ
5区 小林 成美(3年)15.43 区間4位 最終2位
全員が9位以内という、素晴らしい成績です。層の厚さを感じます。
県立高校で、当然ながら全員が長野県出身です。前年は、和田有菜という全国トップクラスの選手を擁しての準優勝でした。今回はそのような選手はいませんが、それでも準優勝
、層の厚さを感じます。

次に前回大会の成績を参考までに見てみましょう。学年は当時です。
1区 和田有菜(3年) 19.09 区間1位  
2区 高松いずみ(1年)13.13 区間6位 全体2位
3区 高安結衣(2年)9.43 区間3位 全体2位
4区 臼田彩花(2年)09.34 区間5位 全体2位
5区 小林成美(2年)16.02 区間3位 最終2位
前年は11年目で準優勝、初の表彰台となりました。一昨年は6位が最高順位でした。最終5区は小林成美、笑顔でのゴールインは印象的でした。和田有菜は2年連続の区間賞でした。

それでは、今回の経過を見ていきましょう。
1区 は2年生、高松いずみでした。トップとの差は40秒でした。前年の和田有菜と比較すると32秒の遅いタイムでしたが、区間9位はまずまずの出だし、責任を果たしたといえるでしょう。
2区 は3年生、荻谷楓です。結果、トップとの差を34秒差の7位につける好走でした。各チームの実力者が集う2区でよく奮闘しました。前年は、故障でメンバーから外れましたが。今季は復調。3000mは、チーム一番の9.07.45。彼女の出来が今回の成績に大いに左右されると思われていました。区間6位は見事でした。これでチームは波に乗った感じです。

3区 は3年生、高安結衣です。前年も同じく3区を走りましたが、前年よりも5秒遅いタイム、区間順位は9位でしたが、全体順位では2位をキープしました。トップとの差は、少し開いて41秒になりました。

4区 は2年生、小原茉莉です。初めての都大路でしたが、前回大会同区間の記録を8秒も上回る区間1位の大金星。全体の順位を成田とほぼ同着の2位に押し上げました。
あとは3年生キャプテン小林成美に託します。

5区 は3年生、小林成美です。前回も5区を走りましたが、今回はその記録を19秒も上回る区間4位(日本人最高順位)の好走。キャプテンとしての意地もありました。神村学園のカマウタビタには抜かれましたが、最後のトラック勝負で、仙台育英の武田千捺との激闘を制し、同タイムながら2位を死守しました。

県立高校ゆえに何かと制約が多い中、昨年に続き準優勝は見事という他ありません。今後も長野東に目が離せません。


小林成美がゴール直前で仙台育英を捉える
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2018(平成30年)全国高校女子駅伝 感動をありがとう! 神村学園の巻

2019-01-07 23:32:26 | 駅伝
遅くなりましたが、昨年末の全国高校女子駅伝の結果をデータにより分析してみたいと思います。例によって敬称略、過去の駅伝記事はカテゴリーから“駅伝”をご覧ください。

優勝したのは、鹿児島県代表の神村学園でした。
当初の私の予想は、以下の通りでした。
須磨学園(兵庫)、仙台育英(宮城)、神村学園(鹿児島)に続くのが、勢いに乗っている長野東(長野)、大分東名(大分)です。レース展開では、表彰台も夢ではありません。(12月21日の記事より)

結果は以下の通りとなりました。
須磨学園(兵庫) 5位 1.08.15
仙台育英(宮城) 3位 1.07.51
神村学園(鹿児島)1位 1.07.25
長野東(長野)  2位 1.07.51
大分東名(大分) 4位 1.08.04
実力を出し切れなかった須磨学園、仙台育英、長野東の底力、留学生の圧倒的強さを実感させた神村学園と大分東名、ということになるのでしょうか?

それでは区間ごとの記録を見ていきましょう。
1区 平田歩弓(3年)19.39 区間6位
2区 中須瑠菜(1年)13.15 区間11位 全体8位にダウン
3区 黒川円佳(1年)09.47 区間6位 全体4位にアップ
4区 木之下沙椰(1年)09.38 区間11位 全体5位にダウン
5区 カマウタビタ(3年)15.06 区間1位 最終1位

前年2017(平成30年)の記録 学年は当時 タイム1.09.04
1区 平田歩弓(2年) 19.50 区間13位  
2区 中尾友梨奈(2年)13.38 区間21位 全体16位
3区 久田ちひろ(3年)10.04 区間16位 全体14位
4区 山田れいり(3年)09.52 区間20位 全体15位
5区 カマウタビタ(2年)15.40 区間2位 最終8位
すべての区間で、前年を上回りました。

それでは、経過を見ていきましょう。
1区 平田歩弓がトップと38秒差、2位との差を7秒差の6位につけ、上々の出だしでした。まず第一の功労者といえるでしょう。スタート時から2キロ付近まで、長崎商業の廣中瑠梨佳と競うようにトップを果敢に走りました。昨年の記録を11秒更新の6位は見事でした。
トップとの差は、22秒でした。
スローペースで展開した序盤、長崎商業の廣中瑠梨佳、最初から飛び出していれば、新谷仁美の区間記録を更新することは十分可能だったと思いますが、誠に残念でした。



平田から2区中須へ

2区を走ったのは1年生、中須瑠菜でした。昇り下りの難コース、各チームが主力の選手を当てている中、順位を二つ落としたものの、トップとの差を34秒差で何とか踏ん張りました。

次に3区を走ったのが、同じく1年生、黒川円佳です。区間6位の記録で4位につけ、順位を4つ上げ健闘しましたが、トップとの差は40秒に開いてしまいます。

4区を走ったのが、同じく1年生の木之下沙椰です。区間11位の記録で、順位は一つ落としてしまいましたが、トップとの差は逆に31秒差とアップしました。この時点で、神村学園の初優勝はほぼ確定したものとなりました。しかし留学生に100%頼ることなく、一人一人が力をつけ、その力を存分に発揮したことが勝因につながりました。

5区は、留学生の3年生カマウタビタです。異次元の走り、大きなストライドで31秒の差を逆に26秒の差をつけての完全勝利でした。

これまでの記録を見ていきましょう。
過去の最高タイム 2017 県大会 1.08.00
過去の最高順位 14年大会 2位
タイムも順位もクリアしました。
意外と小柄のタビタの優勝インタビューは、笑顔でかわいい声、好感が持てました。タビタ以外、今回の出場者は全員、鹿児島出身。チームワークもいいのでしょう。
今後の活躍が期待されます。

今年は3年間の集大成、とにかく2.3.4区の1年生の活躍が目を引きました。
初優勝、おめでとう!感動をありがとう。



テープを切るタビタ
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2018高校女子駅伝 優勝校を予想する。

2018-12-21 23:37:24 | 駅伝

日生港(岡山)本文とは関係ありません。

2018高校女子駅伝 都道府県予選・地区大会をデータにより分析し、今年の見所を探りました。優勝するのはどのチームでしょうか。
例により敬称略。過去の駅伝記事は、カテゴリーから“駅伝”をご覧ください。

まず、都道府県予選、地区大会でのタイムランキングを見てみましょう。
〇タイムランキング
1.須磨学園(兵庫)1時間8分4秒 兵庫県大会
2.神村学園(鹿児島)1時間8分10秒 九州大会
3.仙台育英(宮城)1時間8分23秒 宮城県大会
4.大分東明(大分)1時間8分43秒 九州大会
5.樟南(鹿児島)1時間8分53秒 鹿児島県大会2位
6.長野東(長野)1時間8分54秒 長野県大会
7.薫英女学院(大阪)1時間9分19秒 大阪府大会

須磨学園、ライバル西脇工業に完全勝利、全区間で競り勝ち、3年ぶりの都大路です。
目標は、上位入賞ですが、1時間7分台で三度目の優勝がなるでしょうか。

次に3000mの平均タイムをランキングで見てみましょう。
〇3000m平均タイムTOP20 エントリー上位5名で選出(月刊陸上競技より)
1.仙台育英(宮城)9.15
2.須磨学園(兵庫)9.16
3.長野東 (長野)9.17
4.薫英女学院(大阪)9.20
5.神村学園(鹿児島)9.20
6.倉敷(岡山・中国)9.22
7.成田(千葉)9.24
8.世羅(広島)9.24

このタイムランキングと、3000m平均タイムで、高校の実力を窺い知ることができます。
須磨学園(兵庫)、仙台育英(宮城)、神村学園(鹿児島)は、今年の優勝候補といえるでしょう。

次に初出場の高校を見てみましょう。
〇都道府県予選、地区大会で初出場の高校
長崎 長崎商 1.10.11
錦城学園 東京・南関東 1.10.18
倉敷 岡山・中国 1.10.22

長崎商(長崎)は諫早に1分0秒の差で競り勝ちました。1区・廣中璃梨佳が区間新。諫早の連勝記録を23でストップさせました。来年以降も両校の戦いが続くのでしょうか。もし廣中璃梨佳が1区を走るなら、2005年に新谷仁美(興譲館)が打ち立てた18分52秒を13年ぶりに塗り替えられるかが、今大会一の注目点です。

錦城学園(きんじょう)は、1880年創立の私立の高校です。全員が東京都出身。目標は1時間9分台と控えめです。順天高校とともに都道府県予選で新記録を打ち立てました。

倉敷、岡山県大会では2位でしたが、中国地区では舟入(広島)と競り合い、最終区でインターハイ1500m女王のアグネス・ムカリが逆転し初の都大路を決めました。
男女でアベック出場となります。県大会1位の興譲館との戦いが来年以降も続きそうです。

〇都道府県予選で新記録1位の高校
東京 順天1.10.04(2区間で新)、錦城学園1.10.18(1区間で新)
長野 長野東1.08.54(1区間で新)
大分 大分東名 1.08.53(3区間で新)
富山 富山商1.10.17(5区間すべてで新)
滋賀 比叡山1.13.08(2区間で新)

須磨学園(兵庫)、仙台育英(宮城)、神村学園(鹿児島)に続くのが、勢いに乗っている長野東(長野)、大分東名(大分)です。レース展開では、表彰台も夢ではありません。
大分東名の目標は、ずばり、1時間8分10秒、3位です。県最高順位の7位を更新するのは間違いないでしょう。

注目すべきは、全区間で記録を更新した富山商業(富山)です。1897年創立の県立高校です。当然全員が富山県出身。過去最高順位13位の記録更新が期待されます。

白熱する都道府県予選、まさに食うか食われるかの戦いですね。
〇1位と2位の差が僅差の都道府県
1.北海道 6秒差(旭川龍谷1.14.40 ⇔ 札幌日大1.14.46)
2.秋田 7秒差(大曲1.15.30 ⇔ 秋田北鷲 1.15.37)
3.福岡 8秒差(筑紫女学園1.11.08 ⇔ 北九州市立1.11.16)
4.鹿児島 13秒(神村学園1.08.40 ⇔ 樟南 1.08.53)
5.東京 14秒差(順天1.10.04 ⇔ 錦城学園(新)1.10.18)
6.愛知 21秒差(豊川1.09.34 ⇔ 光ヶ丘女 1.09.55)
札幌日大(北海道)、錦城学園(南関東)、光ヶ丘女(東海)、北九州市立(北九州)、樟南(南九州)が地区代表で出場です。

永遠のライバルともいうのでしょうか、福岡の筑紫女学園と北九州市立です。筑紫女学園は4年連続25回目の出場です。目標は8位入賞。北九州市立は地区大会・北九州で復活です。
鹿児島の神村学園に敗れた樟南は、地区大会・南九州で復活。3年ぶり3回目の出場。目標は、こちらも8位入賞です。

〇出場回数の多い高校
京都 立命館宇治 30年連続30回目
高知 山田    30年連続30回目
宮城 仙台育英  27年連続27回目
富山 富山商業  27年連続27回目
青森 青森山田  26年連続26回目
岡山 興譲館   20年連続20回目

まさに駅伝の伝統校、強豪校ですね。立命館宇治の荻野由信監督は、1回大会から30年指揮をとり続けました。このうち3回の全国優勝を誇ります。この荻野監督も9月に古希を迎えました。長い監督人生に敬意を表したいと思います。

他にも、都道府県予選からこんなデータを拾ってみました。
〇1位と2位の差に大きな開きのある都道府県
高知 9分32秒 (1位・山田1.14.16 ⇔ 2位・高知小津1.23.48)
富山 8分43秒 (1位・富山商1.10.17(新)⇔ 2位・高岡商1.19.00)
長野 7分58秒 (1位・長野東(新)1.08.54 ⇔ 2位・長野日大1.16.52)
山梨 7分08秒 (1位・山梨学院1.11.57 ⇔ 2位・韮崎1.19.05)
宮城 6分21秒 (1位・仙台育英1.08.23 ⇔ 2位・東北1.14.44)

〇予選会出場校が多い都道府県
東京 64校 (429校 国立6校、公立186校、私立237校)出場率15.0%
愛知 61校 (222校 国立2校、公立165校、私立55校)出場率27.5%
大阪 57校 (258校 国立1校、公立161校、私立96校)出場率22.1%
埼玉 50校 (196校 国立1校、公立147校、私立48校)出場率25.5%
愛知県のスポーツに対する取り組みが進んでいることがわかります。

〇予選会の出場校が少ない都道府県
青森 3校 (78校 公立61校、私立17校)出場率3.8%
高知 4校 (46校 公立37校、私立9校)出場率8.7%
徳島 6校 (38校 公立35校、私立3校)出場率15.8%
島根 6校 (47校 公立37校、私立10校)出場率12.8%
香川 7校 (40校 公立30校、私立10校)出場率17.5%
宮崎 7校 (53校 公立38校、私立15校)出場率13.2%
青森県が特に出場率の低いことがわかります。

〇予選会で一番遅いタイムの高校
福島県 猪苗代高 1.47.07
出場に心から敬意を表します。

いよいよ明後日に迫った全国大会、出場者全員の普段の練習成果をいかんなく発揮し、悔いのない戦いにしてもらいたいと思います。
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2018高校女子駅伝 有力校の実力を探る 兵庫県代表 須磨学園高校の巻

2018-12-14 22:40:18 | 駅伝

ナンテン 本文とは関係ありません。

今年も、各都道府県の予選会、地区大会が終わり、いよいよ12月23日の都大路まであと一週間ばかりとなりました。昨年は、ケニアのスーパー留学生、ヘレン・エカレラを擁する宮城の仙台育英高校が歴代2位、1時間6分35秒という素晴らしいタイムで優勝しました。今年はどのような戦いになるのでしょうか。駅伝ファンとしては、目が離せません。

さて、今年の予選会では1時間8分台を出した高校が5校ありました。その中でも、1時間8分4秒というトップタイムで、強豪の西脇工業に完全勝利した、須磨学園高校をデータにより分析してみたいと思います。
例によって敬称略。過去の駅伝記事はカテゴリーから「駅伝」をご覧ください。

須磨学園高校は、兵庫県神戸市須磨区にある学校法人須磨学園が運営する私立の高校です。
創立は1922年(大正11年)で、まもなく100周年を迎えます。クラブ活動は盛んで、文化部、運動部ともに多くの部があります。有名大学への進学率も高く、まさに文武両道の高校です。学校は高台にあり、登校には、まず140段の石段を登らなくてはなりません。
卒業生に、駅伝でも活躍しオリンピックにも出場した、1500mの日本記録保持者、小林祐梨子がいます。今、駅伝の解説者としても活躍しています。

11月4日(日)に、女子第35回兵庫県高等学校駅伝競走大会が篠山市で行われ、須磨学園はオール区間1位で西脇工業に圧勝。特に5区を走った大西ゆかり(3年)は16分8秒で区間新記録を出しています。
今年度は、かつての、福田有衣や横江理沙のような、特に目立つ選手がいるわけではありませんが、全体のレベルが平均して高いということにほかなりません。
それでは、今年の予選会を振り返ってみましょう。

11月4日 篠山
タイム 1時間8分4秒
1区 土井 葉月(1)19.28 1位
2区 樽本つかさ(2)13.16 1位
3区 荒井 優奈(3)09.29 1位
4区 福永 愛佳(1)09.44 1位
5区 大西ひかり(3)16.07 1位 区間新
2位の西脇工業に4分31秒の大差をつけての圧勝でした。
ちなみに、昨年の1位西脇工業のタイムは、1時間8分39秒でした。

次に地区大会の成績を見てみましょう。
11月18日 大阪・能勢
タイム 1時間8分40秒 総合1位
1区 大西ひかり(3)19.29 2位
2区 土井 葉月(1)13.19 2位
3区 樽本つかさ(2)09.41 2位
4区 金山  琳(3)09.40 1位
5区 荒井 優奈(3)16.31 1位
総合1位でしたが、この結果に、チームは 反省や課題を多く感じているようです。
しかし、2位の薫英女学院は1時間9分19秒(39秒差)、3位は立命館宇治1時間10分26秒(1分46秒差)でしたので、今年の須磨学園の実力を窺い知ることができます。

過去の予選会の成績を振り返ってみましょう
平成26年度 兵庫県予選 11月2日 篠山
1位 西脇工業 1時間9分43秒 全国大会17位(1.10.40)
2位 須磨学園 1時間10分59秒

平成27年度 兵庫県予選 篠山
1位 西脇工業 1時間8分31秒 全国大会5位(1.08.51)
2位 須磨学園 1時間9分58秒

平成28年度 兵庫県予選 11月6日 篠山
1位 西脇工業 1時間8分56秒 全国大会2位(1.08.08)
2位 須磨学園 1時間9分42秒 

平成29年度 兵庫県予選 11月5日 篠山
1位 西脇工業 1時間8分39秒 全国大会6位(1.08.46)
2位 須磨学園 1時間9分07秒

平成26年からの県予選のタイムですが、今年の須磨学園のタイムが、いかに素晴らしいかよくわかります。
兵庫県予選で須磨学園は、第5回大会から第25大会まで21年連続全国大会出場、第26大会から第29回大会までは西脇工業でした。果たして第30回大会から須磨学園の時代が続くのでしょうか。

次に、有力選手を見ていきましょう。
11月4日判明分でベスト50位から。←は前年
1500m 
大西ひかり(3) 4.21.41 第15位 ← 4.21.14
樽本つかさ(2) 4.23.38 第19位
土井 葉月(1) 4.24.00 第23位

3000m
大西ひかり(3) 9.14.20 第21位 ← 9.09.50
樽本つかさ(2) 9.16.84 第24位
今年の福井国体、少年少女A 3000m 大西ひかり(3)9分28秒54で第9位

各県の予選会、コースが異なるので一概には言えませんが、今年の須磨学園の実力は本物といえるでしょう。
久しぶりの都大路、直前に故障者が出るなど、特にトラブルがなければ、表彰台だけではなく、優勝の可能性も大いにあり得ると思います。
今年の結果に注目し、大いに健闘を祈りたいと思います。

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