昨年の大会から
(例によって敬称略とさせていただきます。ご了承ください。過去の駅伝記事は、カテゴリーから、‘駅伝’を選択ください。)
駅伝の激戦区といわれる兵庫県、かつて男子の西脇工業と報徳学園の争いは熾烈を極め、兵庫を制するものは全国を制す、といわれたほどです。女子は本年、1年生の活躍で須磨学園の21連覇を阻止し見事優勝、晴れて県の代表になりました。しかし、激戦区とはいえ、昨年全国大会4位の須磨学園が破れたというのは実に衝撃的でした.
兵庫県立西脇工業高校は、日本の“へそ”といわれる兵庫県の西脇市にあり、駅伝(全国優勝8回単独最多)の西脇工業として知られています。昭和38年新設、校訓は「自立・創造・誠実・勤労」です。西脇市のHPでは、「駅伝の町・西脇市」と紹介しているほどです。
今回の県予選会の成績を須磨学園と比較し分析してみましょう。
総合タイム 1.09.43 須磨学園 1.10.59 タイム差 マイナス1分16秒
1区 南 美沙希(1)19.28 ⇔前畑 有希(3)19.42 タイム差(-14秒)
2区 高橋 ひな(1)13.05 ⇔康本 花梨(3)13.58 タイム差(-53秒)
3区 坂本 茉矢(3)09.53 ⇔秋山あみる(1)09.56 タイム差(-3秒)
4区 大西 結菜(1)09.56 ⇔和田さくら(1)10.02 タイム差(-6秒)
5区 村上 智美(2)17.21 ⇔新立 啓乃(2)17.21 タイム差(0秒)
5区(同タイム)を除くすべての区間で須磨学園に勝っています。特に1区・2区の一年生のスタートダッシュは素晴らしく、この時点で1分以上の差がつき、もう勝負あったという感じでした。特に2区の高橋ひな、が3年生康本花梨に53秒という大差をつけ圧勝したのは決定的でした。
高橋ひな、は昨年の全日本中学選手権で800m、1500mで2冠を達成、東京国体のインターハイ800mでは、中学新記録となる2分7秒9を樹立しています。高校生になっての今年、インターハイ800mに優勝しています。駅伝の季節を迎え、今後、長距離に挑戦したいとの希望ですが、1年生のビッグスリーといわれる豊川高校の猿見田裕香、大阪薫英女学院高校の嵯峨山佳菜未、常盤高校の樺沢和佳奈に肩を並べることができるのか非常に興味あるところです。
須磨学園は、昨年の1.08.16と比較し、実に2分43秒も遅いタイムでした。やはり太田琴菜、福田有衣の存在はあまりにも大きかったようです。そういう中で前畑有希、康本花梨は、今年のけん引役でしたが、逆に西脇工業の1年生コンビに大きく水をあけられていましました。
次に昨年の県大会との比較です。
総合タイム 1.09.43 昨年 1.12.11 タイム差 マイナス2分28秒
1区 南 美沙希(1)19.28 ⇔坂本 茉矢(2)20.20 タイム差(-52秒)
2区 高橋 ひな(1)13.05 ⇔佐藤 愛(2)13.55 タイム差(-50秒)
3区 坂本 矢(3)09.53 ⇔角田 凪彩(3)09.58 タイム差(-5秒)
4区 大西 結菜(1)09.56 ⇔山川 小春(1)10.03 タイム差(-7秒)
5区 村上 智美(2)17.21 ⇔戸田真由香(1)17.55 タイム差(-34秒)
やはり、1区、2区で合計、1分42秒短縮しています。
次に11月16日(日)に行われた近畿高等学校駅伝競争大会の成績をみておきましょう。
総合タイム 1.12.00 4位 須磨学園 1.10.31 3位
1区 村上 智美(2)21.03 18位 ⇔ 前畑 有希(3)19.45 2位
2区 南 美沙希(1)13.17 3位 ⇔ 秋山あみる(1)13.40 5位
3区 大西 結菜(1)10.00 4位 ⇔ 康本 花梨(3)09.51 2位
4区 工藤ひかり(3)10.30 5位 ⇔ 和田さくら(1)10.14 2位
5区 山川 小春(2)17.10 5位 ⇔ 新立 啓乃(2)17.01 3位
1区の村上智美の出遅れが響きましたが、2区以降は順調な走りでした。特に2区の南美沙希の走りは、県大会の2区・高橋ひなには劣るものの、高松望ムセンビとほぼ同タイムの素晴らしい走りでした。注目の高橋ひなはメンバーに入っていなかったものの、優勝の立命館宇治高校のタイム、1時間9分7秒に、2分53秒も差をつけられており課題も残ります。
しかしながら、西脇工業高校は、各都道府県大会のタイム順でも堂々の第5位、21年ぶりの出場で入賞も十分可能性もあります。男子も昨年に続き1位で、高校のホームページに「男女アベック出場」とありました。駅伝の町・西脇市、今年の暮れは学校だけではなく、西脇市全体も大いに盛り上がることでしょう。
話は変わりますが、今年の各都道府県の予選会の成績を見ていて、興味を持ったことがあり書き出してみました。
1. 出場校の少ない都道府県
(4校)高知県、香川県
(5校)青森県
(6校)徳島県
(8校)奈良県、和歌山県
2. 出場校の多い都道府県
1位 65校 愛知県
2位 64校 東京都
3位 58校 大阪府
4位 48校 神奈川県
5位 44校 埼玉県
6位 42校 千葉県
7位 36校 熊本県
8位 31校 広島県
9位 30校 兵庫県
3. 1位、2位のタイム差が大きい県
1位 長野県 9分51秒 長野東高校 1.10.26 ⇔ 諏訪二葉高校1.20.17
2位 岡山県 7分09秒 興譲館高校 1.10.19 ⇔ 岡山操山高校1.17.28
3位 青森県 6分15秒 青森山田高校1.09.44 ⇔ 八戸学院高校1.15.59
4位 秋田県 6分14秒 花輪高校 1.09.55 ⇔ 大曲高校1.16.09
5位 大阪府 6分07秒 薫英女学院高校1.10.2 ⇔ 大阪成蹊女子高校1.16.9
6位 岩手県 5分33秒 盛岡誠桜高校1.12.47 ⇔ 花巻東高校1.18.20
4. 1位、2位のタイム差が少ない高校
1位 02秒 福島県 学法石川高校1.14.23 ⇔ 田村高校.1.14.25
2位 18秒 千葉県 市立船橋高校1.09.29 ⇔ 柏日体高校1.9.47
3位 22秒 北海道 旭川龍谷高校1.10.59 ⇔ 札幌日大高校1.11.21
22秒 熊本県 有明高校 1.11.22 ⇔ 熊本信愛女学院高校1.11.44
5位 24秒 富山県 富山商業高校1.14.10 ⇔ 高岡商業高校1.14.34
6位 27秒 大分県 大分西高校 1.12.34 ⇔ 大分東明高校1.13.01
7位 29秒 新潟県 新潟明訓高校1.14.32 ⇔ 新潟南高校1.15.01
8位 33秒 埼玉県 埼玉栄高校 1.10.21 ⇔ 昌平高校1.10.54
次回は、岡山県の興譲館高校を分析してみたいと思います。