未熟なカメラマン さてものひとりごと

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2022 女子第34回全国高校駅伝 頑張れ岡山・興譲館 直前予想

2022-12-24 08:43:43 | 駅伝
いよいよ迫ってきました全国高校駅伝大会、今年も岡山県の代表として地元興譲館高校が頑張ります。どのような活躍を見せてくれるのかとても楽しみです。

今朝(23日)の地元・山陽新聞に記事が掲載されていました。
要旨は次の通りです。
前回5位の原動力となった“大砲”の留学生が抜けた分個々が力を付け、底上げが進んだ。チームをけん引するのは奥本菜瑠海(2年)1区、昨年の10位を上回る意気込みで期待。市内のクロスカントリーコースで走り込みを続け、ロード仕様の脚づくりに注力してきた。9年ぶりの表彰台はもちろん、1時間7分台で頂点をも狙う。

興譲館が得意とする粘りのレース、晴れの舞台で実力以上の力を出しきる頑張りに大いに感動をもらってきました。



2018第30回大会 最終区で競り合う落合莉子 NHKテレビから


2013第25回大会 最終区で競り合う奥野舞子 準優勝に貢献した NHKテレビから


2012第24回大会 最終区で力走する足立知世 二人抜いて3位に、素晴らしい粘りに感動 NHKテレビから

今年の予選大会の記録を見てみましょう。
1.09.22 昨年は、1.08.55(全国大会 1.09.45 5位)でしたから、27秒下回っています。
予選会、地区大会も合わせたランキングでは7位にランクしています。

予選会前年との比較
1区 奥本菜瑠海 島根県知夫中(2)19.25 ← 奥本菜瑠海 20.04
2区 樋口美桜 岡山県宇野中(2)13.29 ← 森陽向 13.50
3区 細見芽生 兵庫県白鷺中(1)9.41 ← 土屋舞琴 9.57
4区 杉森月音 広島県神辺西中(2)9.49 ← 樋口美桜 9.50
5区 チェボティビンカドゴ ケニア(3)16.58 ← ワングイエスター 15.14(NSR)
ワングイエスターの存在がいかに大きかったかがわかります。

今年の平均タイムを昨年と比較すると
3000m平均タイムランキング 9.25で青森山田と並んで第7位にランクしていますが、昨年が9.29で8位でしたから、チームの実力はアップしているとみて間違いないでしょう。

次に留学生の存在です。
昨年は、ワングイエスターという、3000m8.53.45という大砲がいましたが、今年のチェボトビンカドゴは3000m9.7.22で、特に目立つ存在ではありません。

エース・奥本菜瑠海の実力アップに大いに期待
奥本菜瑠海、昨年の3000mのタイムは9.30.55でしたが、今年は9.16.80でその差は、留学生のマイナス分をひとりで十分カバーしています。今年も1区を走ると思いますが、昨年の10位をどの程度上回るか、期待が持てます。
留学生のカドゴを2区に起用し、先行逃げ切りを狙うか、それとも最終5区に起用し追い上げを図るか、今大会、最も若い藤井監督(30歳)にとって悩みどころではないでしょうか。
順当にいけば、入賞は間違いないと思いますが、昨年の5位を上回る記録が出せるか、粘りの興譲館に期待したいと思います。



2005第17回大会予選会(県大会)新谷仁美の走り(筆者撮影)17年後の現在もトップランナーで走り続けるスーパースター


2010第22回大会 姉妹のリレーで優勝テープを切る赤松眞弘 興譲館の黄金時代の歴史を刻んだひとり NHKテレビから 
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2022女子第34回全国高校駅伝 優勝校を予測する そして負けるな興譲館

2022-12-23 00:18:12 | 駅伝
いよいよ25日に迫った全国高校女子駅伝。地元岡山県の興譲館高校を応援したいと思っていますが、まずはデータにより優勝校を予測したいと思います。
例によって敬称略、過去の駅伝記事はカテゴリー“駅伝”をご覧ください。

(スポーツ誌が推す有力校とは)
まずは、スポーツ誌はどのように分析しているのでしょうか?私見を加えると以下のようになりました。

トラックの平均タイム、今季の駅伝成績、経験などを総合的に判断すると一番優位に立つのは神村学園(鹿児島)としています。昨年は、1区で出遅れたため、最後まで響きましたが、今年は田島愛梨がおり、その心配はなさそうです。2~4区は9分20秒台の選手でつなぎアンカーはけた違いの強さを見せるカロラインが締めるという構図です。
対抗馬は、やはり前回優勝の仙台育英(宮城)です。1区を杉森心音が走れば、層の厚い仙台育英、4区までに神村学園に20秒以上の差をつければ勝敗はどうなるかわかりません。この両校に割って入るのが、薫英女学院(大阪)と立命館宇治(京都)です。3000m日本人トップの9.05.03の記録を持つ水本佳奈を要する薫英女学院、チーム平均で9分15秒の記録を持ち、前哨戦となる10月9日のくらよし駅伝を制した立命館宇治、力はまさに拮抗しています。
実力伯仲のこの4校のうち3校が表彰台に上がるのは間違いないようです。
次にポイントを絞ってみてみましょう。


(データで比較してみる)
その1 強力な留学生を要する私立校 3000mタイム順

1.神村学園(鹿児島)カリバ・カロライン(ケニア)8.42.31
2.大分東名(大分)スーサン・カモソ(ケニア)8.50.24
3.青森山田(青森) ルーシー・ドウ―タ(ケニア) 8.56.91
4.世羅(広島・県立) ローズ・ワングイ(ケニア) 9.04.32
5.興譲館(岡山) チェボティビン・カドゴ(ケニア) 9.07.22
6.白鵬女子(神奈川)ジェシンタ・ニョカビ(ケニア) 9.15.66

けた違いの強さを見せるのはカリバ・カロライン(ケニア)(神村学園)です。
今年の表彰台、入賞にからむのが、他にルーシー・ドウ―タ(青森山田)チェボティビン・カドゴ(興譲館)とジェシンタ・ニョカビ(白鵬女子)です。


その2 3000m平均タイム (←昨年との比較)

1. 神村学園(鹿児島)9.12 (←9.12)
2. 立命館宇治(京都)9.15 (←9.17)
3. 仙台育英(宮城)9.16 (←9.11)
4. 薫英女学院(大阪)9.17 (←9.15)
5. 白鵬女子(神奈川)9.24 (←9.37)
6. 長野東(長野)9.24 (←9.33)
7. 青森山田(青森)9.25 (←9.40)
8. 興譲館(岡山)9.25 (←9.29)
9. 学法石川(福島)9.27 (←9.26)
10. 成田(千葉)9.29


昨年と比較し大幅に力をつけているのが、白鵬女子(神奈川)、青森山田(青森)と長野東(長野)です。


その3 都道府県大会の記録 本年←昨年 (全国大会 順位))
今年の都道府県大会の記録を昨年の記録及び全国大会の記録と比較してみましょう。

1. 神村学園(鹿児島)1.07.27 ← 1.07.50 (1.08.23 3位)
2. 仙台育英(宮城)1.08.41 ← 1.07.12 (1.07.16 1位)
3. ルーテル学院(熊本)1.08.54 ← 千原台1.09.09(1.10.14 10位) 
4. 長野東(長野)1.09.14 ← 1.09.17(1.09.51 7位)
5. 興譲館(岡山)1.09.22 ← 1.08.55(1.09.45 5位)
6. 筑紫女学園(福岡)1.09.37 ← 北九州市立1.09.59(1.09.57 9位)
7. 順天(東京)1.09.50 ← 1.09.52(1.10.48 14位)
8. 青森山田(青森)1.09.50 ← 1.12.10(1.11.10 16位)
9. 立命館宇治(京都)1.10.04 ← 1.09.30(1.08.59 4位)
10. 薫英女学院(大阪)1.10.19 ← 1.08.24(1.08.23 2位)
11. 成田(千葉)1.10.55. ← 日体大柏1.11.05(1.11.53 20位)
12. 白鵬女子(神奈川)1.11.10 ← 1.12.36(1.12.15 24位)


コースが前年と異なる場合があるので単純に比較はできませんが、青森山田が大幅にアップしているところが特筆すべき点です。地区大会で白鵬女子が1.08.48の好記録を出しているのも気になります。

その4 花の1区を走る有力選手のいる高校(学年) 3000m記録

全体の約3割を占める最重要区間です。優勝するためには、ここで上位を死守することが大切です。最後の1kmから勾配がいっそうきつくなり、ここで力を温存しスパートできたチームが優位に立ちます。
1. 薫英女学院 水本佳奈3 9.05.03
2. 順天 小川陽香3 9.05.46
3. 神村学院 田島愛梨3 9.07.13
4. 仙台育英 杉森心音3 9.10.52
5. 立命館宇治 山本釉未2 9.11.75
6. 筑紫女学園 松本明莉3 9.12.11

以上、データにより各代表チームを分析してみました。結果が楽しみです。
次回は興譲館高校を分析してみたいと思います。
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2020年高校女子駅伝 強豪校の実力をデータにより分析する

2020-12-19 00:23:00 | 駅伝
いよいよ高校女子駅伝が12月20日の日曜日、たけびしスタジアム(西京極陸上競技場)を発着点とするコースで開催されます。コロナの関係でどうなるか危ぶまれましたが、無観客ですが開催されるとのこと、高校女子駅伝ファンとしてうれしい限りです。
いつもながら沿道で、声援をしている方にも自粛の要請があり、テレビの実況中継で我慢することになりそうです。
ただ、コロナの関係で、出場校でも選手の中に、高熱のある者、感染の疑いが出た場合には、その時点で出場の可否を判断することになります。この場合、予選会で次のタイムを出した学校が出場となります。大変気の毒ですが、実際そのような事例が発生するかもしれません。


(予選会の成績から)

まず予選会のタイムから見てみましょう。突出しているのが、1時間6分台を出した次の2校です。
まず、歴代最高タイムを出した鹿児島の神村学園、1時間6分4秒、5分台も夢ではなかったといいますから高校女子駅伝始まって以来の快挙です。昨年の1時間6分32秒を28秒更新しています。また1996年に埼玉栄高校が出した大会記録1時間6分26秒を22秒も上回っています。他県とは条件も違うので単純に比較はできませんが、予選会での前年との比較は、間違いなくチームの勢いを示しています。シューズの効果も否めませんが、この記録には、ただただ驚くばかりです。本番のコースでどのような記録を出すのか楽しみです。

次に昨年の優勝校の仙台育英高校です。昨年のタイムが1時間7分38秒、今年が1時間6分59秒ですから、前年を39秒も更新してきました。
この2校に続くのが、1時間7分44秒の福岡の北九州市立、1時間8分45秒の兵庫の須磨学園、1時間8分55秒の岡山・興譲館となります。


(3000mの記録から 本年度ランキングトップ40名で抽出) 月刊陸上競技よりデータ拝借)
次に本年度の3000mのタイム(7月から12月の記録)で有力校を比較してみましょう。

神村学園 7名
8.53.04 M.シンシア 
9.06.22 久保心優
9.07.09 黒川円佳
9.08.61 中須瑠奈
9.10.70 木之下沙耶
9.20.71 鳥居華
9.24.90 田島愛梨
素晴らしいタイムの選手がずらり。7名全員がエントリーしています。まさに優勝候補の筆頭です。

仙台育英 4名
9.03.60 米沢奈々香
9.05.17 杉森心音
9.06.24 山中菜摘
9.23.99 札場美桜
上位3名は、神村学園にも引けをとりませんが、あと1名の選手がカギを握りそうです。今年も神村学園と優勝を争います。

立命館宇治 3名
9.02.86 三原梓
9.12.96 村松結
9.20.14 瀬川藍
日本人1位の記録を持つ三原梓ですが、10月に左足首を疲労骨折しています。久しぶりの駅伝になりますが、どのような走りができるのか、昨年1区の雪辱なるか注目です。

世羅 3名
9.18.25 テレシア.ムッソーニ
9.18.98 山際夏芽
9.24.48 加藤小雪
昨年は全国大会の2区で区間賞の圧倒的な力を見せたT.ムッソーニですが、今期は調子が出ていないようです。彼女の出来次第で順位が大きく変わりそうです。

須磨学園 2名
9.13.32 道清愛紗
9.24.97 土井葉月
昨年の全国大会6位のメンバー4人が残り、さらに県大会では昨年の記録を31秒も上回り絶好調。表彰台を狙えるかもしれません。

北九州市立 2名
9.18.55 酒井美玖
9.23.30 柳井綾音
昨年の全国大会3位の筑紫女学園に競り勝った北九州市立は2年ぶり10回目の出場です。本年予選会での成績では、堂々第3位の成績。入賞は間違いないようです。

このほか、上位40名には1名しかランキング入りしていませんが、粘りの岡山・興譲館。東北大会で仙台育英に次ぎ2位となった福島・学法石川などが、大会を盛り上げそうです。

寒波到来で、全国的に大変なことになっていますが、天候が大会開催に影響のないよう祈るばかりです。また、コロナに関しても、緊急事態宣言が発令された場合や、京都府や京都市でイベントの開催ができなくなった場合などは大会の中止も検討するとしています。
さまざまな障害がある今大会。何とか無事に終わってほしいものです。
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2019全国高校女子駅伝 直前予想 優勝するのはどのチーム データより分析

2019-12-21 23:38:44 | 駅伝
明日に迫った第31回全国高校女子駅伝、いったい優勝するのはどこの高校でしょうか。
まず、昨年の結果をおさらいしてみましょう。

2018年の予想と結果を比較する

大手スポーツ誌では、次のように分析しました。(紹介順を順位予想と見る)
合わせて、上位5人の3000m平均タイムと全国大会の順位、タイムを併記しています

予想順位 校名 予選・地区 3000m平均 全国順位 タイム
1位 仙台育英  ③1.08.23  ①9.15 → 3位 1.07.51 
2位 長野東   ⑥1.08.54  ③9.17 → 2位 1.07.51 
3位 須磨学園  ①1.08.04  ②9.16 → 5位 1.08.15 
4位 神村学園  ②1.08.10  ⑤9.20 → 1位 1.07.25 
5位 大分東名  ④1.08.43  ⑩9.25 → 4位 1.08.04 
6位 薫英女学院 ⑦1.09.19  ④9.20 → 11位 1.09.09 
7位 世羅    ⑧1.09.29  ⑧9.24 → 17位 1.09.52 
8位 立命館宇治 1.10.26   ⑨9.25 → 7位 1.08.20
9位 豊川    ⑨1.09.34   不明 → 6位 1.08.16
10位 山梨学院  ⑪1.09.36  ⑫9.28 → 18位 1.10.08 
11位 北九州市立 ⑩1.09.35  ⑮9.30 → 10位 1.09.03 
番外 興譲館   1.10.55   ⑯9.31 → 8位 1.08.32 
   成田    ⑬1.09.52  ⑦9.24 → 9位 1.08.34

都道府県・地区大会の記録と、3000m平均タイム(上位5人)の2点がそのチームの強さの指標となります。2位の須磨学園が、5位に終わったのは意外でしたが、上位5位までには、多少順位は違うものの、ほぼ順当にその結果が出ていると思います。


次に今年の予想と、3000mの平均タイムを見てみましょう。

2019年の予想(大手スポーツ誌による紹介順を順位予想と見る)
予想順位 校名 予選・地区 3000m平均
1位 神村学園   ①1.06.32 ①9.10
2位 仙台育英   ②1.07.38 ②9.12
3位 立命館宇治  ⑤1.09.15 ③9.15
4位 須磨学園   ⑥1.09.16 ④9.17
5位 興譲館    ③1.08.41 ⑧9.27
6位 諫早     ④1.09.05 ⑩9.31
7位 筑紫女学園  ⑧1.09.35 ⑧9.27
8位 錦城学園   ⑦1.09.22 ⑤9.22
9位 成田     ⑨1.09.43 ⑥9.25
10位 長野東   ⑩1.10.26 ⑤9.24
11位 世羅    ⑪1.10.47 ⑦9.26
12位 常盤    ⑫1.10.52 ⑫9.31


やはり神村学園(鹿児島)か

今年の強さを見るには、昨年のタイムとの比較が一番です。
そうしてみると、上位で一番タイムを更新しているのは、興譲館ですが、次に更新しているのが神村学園です。3000m平均も昨年よりも10秒も早いタイムとなっています。
鹿児島県大会では、1時間6分32秒の記録、本番ではさらにタイムアップすることが予想され、1996年に埼玉栄が作った高校最高記録を更新するかが、注目されます。
また直近の3000mの競技会では、日本人5人が自己ベストをマークしまさに勢いに乗っています。
唯一の不安材料は、留学生シンシア。まだ本来の走りにはなっていないようです。


対抗1番手の仙台育英(宮城

留学生ムソニが故障のため、本番でも登録外が決まっています。
しかし、日本人だけの予選会では、昨年よりも45秒も早いタイムを記録しています。
3000mの個々の自己ベストは、木村梨七の9分7秒30を初め、12秒から13秒台がずらり。それは、神村学園をも凌駕しています。
問題は、爆発的な力を持つ、神村学園のシンシアに対抗する手段。
シンシアがアンカーなら、それまでに20秒以上の差をつけておかなければ、昨年と同じく最終区で逆転されることになります。


立命館宇治(京都)、須磨学園(兵庫)昨年との比較

昨年は、100点中の60点、次年度は暴れると豪語した立命館宇治の荻野監督ですが、今年はずばり狙いに行くと話しています。
京都府大会は風の影響もあり、記録は出せませんでしたが、近畿地区大会では、見事に1位。
3000mでは、三原梓、村松結が好調で日本人トップクラス。不安材料は、村松灯が調整不足という点と、神村学園や仙台育英ほど選手層が厚くない点でしょうか。
しかし、3000m上位5人の平均タイムも9分15秒、1位を狙う位置にいるのは間違いありません。
そして、その立命館宇治と地区大会で互角に戦ったのが、兵庫の須磨学園です。
昨年は、予選会で全国1位という記録を持ちながら本番では5位に沈んでしまいました。
今年度、記録的には、樽本の9分16秒84を筆頭に、3000mの上位5人が9分20秒を切っていいます。
とびぬけたエースはいませんが、総合力で勝負します。


さあ、いよいよ本番です。
アクシデントの無いよう、無事に自分の実力を思う存分発揮し、悔いの無い、思い出深い大会に
していただきたいと思うのです。

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令和元年(2019)全国高校女子駅伝 岡山県予選会より今年の興譲館の実力を探る

2019-12-03 16:59:43 | 駅伝
師走に入り、12月22日に京都市で開催される全国高校女子駅伝大会も近づいてきました。
まず岡山県興譲館高校をデータにより分析してみたいと思います。例によって敬称略、過去の駅伝記事は、カテゴリーから“駅伝”をご覧ください。



井原運動公園陸上競技場

全国高校女子駅伝の予選を兼ねた岡山県高校駅伝が11月3日、井原市の井原運動公園陸上競技場発着の女子5区間21.0975㌔(井原マラソンコース・11時10分スタート)で行われました。
昨年の大会で興譲館は、倉敷に4区まで45秒差で先行を許し最終区でなんとか逆転するというぎりぎりの試合運びとなりました。
実力を付けつつある倉敷高校に、今年こそ、創部以来の21年連続21回目の出場も危ういのでは、と心配の声も周囲から聞こえてきます。
しかし、結果は予想に反して?興譲館高校が5区間オール区間賞、1分10秒の差をつけての完全勝利となりました。

私は、1区の中盤に近い七日市町付近で待機していました。スタートしてから7分過ぎ、白バイ2台の先導で、最初に並走してやってきたのは、興譲館の森陽向(もりひなた)と倉敷の萩原柚乃(はぎわらゆの)の両選手です。まさにデッドヒート、一騎打ちの様相です。
過去、何度も応援に行っていますが、このような展開は記憶にありません。
全選手が通過したあと、5区の選手が帰ってくるまで、一旦自宅に戻って待機し、頃合いを見て再び向かいましたが、空はいまにも雨が降ってきそうな天気でした。



白バイに先導されてトップ選手がやってきました。1区中盤・七日市町付近


興譲館の森陽向と倉敷の萩原柚乃とが並走


後続の選手たち(7位~11位付近) 倉敷南/堀家、倉敷中央/平田、岡山一宮/迫田、岡山南/梅里

出直し、同じ場所で待機していると、最初にやってきたのが、興譲館の留学生ワンブイです。
早い、まさに疾風のように走り去っていきました。
50秒後にやってきたのが、倉敷の留学生アグネスムカリでした。留学生同士最終5区の戦いでしたが、スピードは明らかに違っており、今日の勝敗は見えた感じがしました。



疾風の如く走り去る興譲館 W・ワンブイ、これにはお年寄りもビックリ


次にやってきたのが倉敷 アグネス・ムカリ

興譲館と倉敷のタイム差

それでは、興譲館と倉敷のタイム差を区間ごとに見ていきましょう。(興譲館⇔倉敷)
1区 森  陽向19:43 ⇔ 萩原 柚乃19:53 -10秒
2区 山下 穂香13:23 ⇔ 山本晏佳吏13:27 -04秒 計-14秒
3区 土屋 舞琴10:03 ⇔ 高橋 実夢10:05 -02秒 計-16秒
4区 谷口 萌優10:13 ⇔ 藤田 彩希10:17 -04秒 計-20秒
5区 W・ワンブイ 15:19  ⇔ A・ムカリ 16:09 -50秒 計-1分10秒
藤井監督は1区で区間賞を取れたたことが、勝敗を分けたと言っていますが、4区までのタイム差はわずか20秒。5区の留学生の調子次第では、順位が入れ替わることも十分あり得ました。
何といっても圧巻は、ワンブイです。15分19秒は監督も驚く区間新記録でした。
3000mの自己記録は8月10日に出した8.57.56、全国上位には神村学園のシンシア(8.49.72)、世羅のムッソーニ(8.51.77)がいます。しかし彼女は、1年生、まだ未知の力を秘めています。記録はもっと伸びるでしょう。
他には、3年生になったレベッカがいます。自己記録は、8.59.95で5位です。先輩の意地を見せて、最後の都大路を走りたいことでしょう。留学生同士の戦い、どちらが選ばれるか興味あるところです。

また、1年生、森 陽向(もり ひなた)の今後の活躍も期待されます。3000mで9.20.76の記録(全国30位)を持つ萩原 柚乃(はぎわら ゆの)を抑えての区間賞は本当に見事でした。
倉敷高校は、昨年より1分47秒も早いタイムでしたが、優勝はなりませんでした。後述の都道府県ランキングでも、7位に相当する好タイムでした。県の大会で2位が9分台というのは初めてのことだそうです。


興譲館 昨年との比較

次に昨年の各区間と比較し、現在の実力を見てみましょう。
本年1時間8分41秒/昨年1時間10分55秒
1区 森  陽向(1)19:43 ⇔ 酒井 想(3)20:09 -26秒
2区 山下 穂香(3)13:23 ⇔ 落合莉子(2)13:47 -24秒 計-50秒
3区 土屋 舞琴(1)10:03 ⇔ 舛田 華(3)10:21 -18秒 計1分08秒
4区 谷口 萌優(2)10:13 ⇔ 金澤彩希(2)10:23 -10秒 計1分18秒
5区 W・ワンブイ(1)15:19 ⇔ M・レベッカ(2)16:15 -56秒 計2分14秒

全員が、昨年よりも10秒以上タイムを短縮し、最終2分14秒もタイムをアップしました。
今年は、近年にない6人の新入生が入ってきました。そこに競争の原理が働き全体の底上げが一気に進んだということでしょう。
層の厚い、力をつけた往年の興譲館が戻ってきた感じです。
また、監督のオーダーが見事に功を奏しました。倉敷を意識した布陣、各選手の調子とそれぞれの能力を見極め適材適所に配置する、見事でした。


興譲館 県予選総合タイム 近年の比較と全国大会/タイムと順位

次に過去5年間の予選会のタイムと全国大会のタイム・順位をみていきましょう。
2019 第35回 1:08:41 
2018 第34回 1:10:55 → 1:08:20 第8位入賞 ムワンギ・レベッカ区間賞
2017 第33回 1:10:47 → 1:08:55 第7位入賞
2016 第32回 1:11:14 → 1:10:01 第16位
2015 第31回 1:08:52 → 1:09:14 第6位入賞
2014 第30回 1:10:19 → 1:10:33 第15位

ここ3年間、全国大会では、予選のタイムを大きく上まわっています。藤井監督は、6分台で走らないと優勝争いには加われないと見込んでいます。


2019年 都道府県ランキング10傑

2019順位 校名(県名) タイム  2018タイム(順位)全国大会タイム・順位
1位 神村学園(鹿児島) 1.06.32  1.08.40( 3位) 1.07.25 優勝
2位 仙台育英(宮 城) 1.07.38  1.08.23( 2位) 1.07.51  3位表彰台
3位 興 譲 館(岡 山) 1.08.41  1.10.55(13位) 1.08.32  8位入賞
4位 諫  早(長 崎) 1.09.05  *
5位 須磨学園(兵 庫) 1.09.16  1.08.04( 1位) 1.08.15  5位入賞
6位 筑紫女学園(福岡) 1.09.35  1.11.08(16位) 1.09.33 15位
7位 成  田(千 葉) 1.10.18  1.10.18(12位) 1.08.34  9位
8位 豊  川(愛 知) 1.10.26  1.09.34( 7位) 1.08.16  6位
9位 世  羅(広 島) 1.10.47  1.09.29( 6位) 1.09.52 17位
10位 常  盤(群 馬) 1.10.52  1.09.16(18位) 1.11.33 13位
11位 大分東名(大 分) 1.11.04  1.08.53( 4位) 1.08.04  4位
14位 立命館宇治(京都) 1.11.18  1.11.36(20位) 1.08.20  7位

この都道府県ランキングは、各予選会でコース形状が異なることから参考でしかありません。
前評判では、タイム1位で最強の留学生シンシアを擁する神村学園、留学生抜きで1時間7分台を出したランキング2位の仙台育英が抜きんでています。
仙台育英は、留学生ムソニを含め、3人が3000mランキング30位以内に名前を連ねています。
また10傑には入っていませんが、立命館宇治も3000mランキング30位に3人が入っている実力校です。昨年は、全国大会では予選大会よりも3分16秒も早いタイムでした。
また、2年ぶり出場の長崎の諫早、そして兵庫の須磨学園、福岡の筑紫女学園も実力のチームで上位入賞を狙います。

興譲館、昨年は、落合莉子が最終5区で感動的な粘りを見せ、成田に打ち勝って入賞をものにしました。この粘りが興譲館の信条ではないかと思います。
留学生を除いて特に早い選手がいない興譲館、優勝は難しいでしょうが、何とか表彰台を目標に頑張ってもらいたいと思います。
大会まで、ケガには十分気を付け、本番でとにかく力を出し切って悔いのない走りをしてもらいたいと思うのが、地元ファンの願いです。

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