迫力のある打ち上げ花火
(つづき)
尾道ロープウエイの終点・山頂駅に着き、千光寺公園に出ると、そこには花火を見る大勢の人の姿がありました。コンクリートの縁に座り込んで話をしているカップル、立って雑談をしている人など、浴衣姿の若い女性も多く見受けられました。しかし花火を撮るには、木々など障害物も多く、これは意外でした。レストランの展望台に上がれば抜群の眺望とはわかっていますが、ずらり並ぶ三脚を見ると、ここでの撮影はあきらめるしかありません。
そこで、千光寺まで降りてみることにしました。この道は確か「文学の小道」だったと思います。月明かりだけをたよりに、曲がりくねった坂道を降りて行きますが、「ここでころんでは話にならない」と、本日一番の慎重さで歩きました。千光寺までこんなに下っていたとは思いもよりませんでした。途中、見晴らしがよいと思われる大きな石の上には、かならず人がいてカメラを構えています。恐らく随分早くから来て場所を確保しているのでしょう。
そして、千光寺に到着です。松の木がある縁台付近には、びっしりと先客が場所を摂り、入る隙間もありません。千光寺のお堂の欄干付近もカメラを構えた人であふれ、これは営業妨害ではと思うほどです。しかしここで撮影するしかないと意を決し、隅の方で三脚をセットし、カメラを備え付けて後方から構えます。自宅を出る前にカメラの設定は済ましていました。ピントは無限大、シャッタースピードはbulb(バルブ)モード、絞りはISO200でF14です。リモートスイッチも接続していました。場所も離れているので、花火の全体像をいかようにも撮影することができます。
準備ができたあとは、後方から三脚を構えます。後ろに気を遣いながら少しずつ、前進し、納得とは行きませんが、なんとか撮影できるポジションに構えることができました。撮影時間は、3秒から5秒ぐらいでしょうか。あまり時間を摂りすぎると、露出オーバーとなり、真っ白になってしまいます。特にスターマインなどは光量があるので注意が必要です。また、バランスも大事です。右に、左に打ちあがる箇所がずれると、バランスの良い画像となります。まったく同じ位置に上がると、面白味のないものとなってしまいます。それから、随分高く上がるものもありますし逆の場合もあります。あとは運と勘がたよりです。それでも1時間もすると結構な枚数になります。帰りのこともあるので三脚をしまい、千光寺をあとにすることにしました。千光寺道、途中の空き地という空き地にはかならず人がいて花火を見ています。石段にも右に左に人が座りこんでいるので降りるのにも注意が必要です。
2号線まで出ると、あとは一路、ベイタウン尾道を目指し来た道を帰ります。尾道大橋を過ぎたころに、ふと橋と花火をセットで撮ろうと思いました。空き地でまたまた三脚をセットしカメラを乗せて撮影です。しかしアングル的には、もう少し高い位置から撮らないと絵にならないこともわかりました。再び三脚をしまいこんで歩き始めますが、先を若いカップルが同じように歩いていました。家を出てから一度も水分を摂っていなかったので、相当のどが渇いていました。これだけ汗をかいたら、熱中症になるかもと、そんなことを考えていると、やっとベイタウンに到着です。時刻はちょうど午後9時半でした。花火も終わる時間です。やれやれと車に戻ると、まず自販機を探します。喉をうるおしてやっと一息いれることができました。帰りは高速を利用しましたが、自宅に着いたのは一時間後の午後10時半でした。
花火の撮影よりも、久しぶりに本格的に歩いた、というのが今日の印象です。結局、簡易椅子は一度も使用することはありませんでした。撮影の成果はというと、まあまあというところでしょうか。おのみち住吉花火まつりのHPの昨年のギャラリーを見ると、皆さんすごい迫力で、自分の未熟さを痛感しているところです。体重は2キロも減っていました。しかしもうこりごりではなく、来年もぜひ挑戦をしたいと思っているところです。
尾道大橋と花火