世界最大の木造軸組建築物 その大きさに圧倒されます。
9月22日(土)、職場の親睦旅行があり、久しぶりに参加しました。今回の旅行先は、観光都市奈良です。行程表には、東大寺大仏殿~興福寺・阿修羅像~平城宮跡とあり、いずれも奈良を代表する観光名所ばかり、どこか修学旅行のようでもありました。でも、自分なりの被写体を見つけることができるのではと、期待もありました。前回、奈良を訪れたのは、平成20年の7月ですから4年ぶりとなります。
井原を定刻に出発、途中、事故による渋滞もあって、少し心配しましたが、最初の訪問地・東大寺の駐車場になんとか予定の時刻に到着しました。この駐車場は、南大門のすぐ近くにあり、散策にはとても便利です。
車を降りて、すぐに気づくことがありました。東アジアの若い外国人の団体です。おそらく中国か韓国の観光客でしょう。昨今、領土問題で揺れる日中・日韓ですが、このような光景を見るとほっとします。
参道に出ると、あちらこちらに鹿の姿がありました。特に小鹿は見ているだけで気分も癒される感じがします。多くの人が写真に撮り、お相手をする小鹿もうんざりかもしれません。そしてすぐ目の前に南大門。運慶快慶作の巨大な金剛力士像を眺め、少し歩くと大仏殿です。ここで、一行は大仏殿希望者と、戒壇院希望者とに分かれました。戒壇院には行ったことが無く、興味もありましたが、被写体としては、やはり大仏殿です。
それにしても、今日は何ともさわやかな一日でしょうか。青い空に秋の雲が点々と広がり何とも言えません。受付を過ぎると、回廊沿いにハギの花が咲いてまさに秋の風情です。
正面に大仏殿を拝むと、改めてその大きさに感動さえ覚えます。時は天平の時代、聖武天皇の発願で建立された、大仏殿(東大寺金堂)と大仏(盧舎那大仏)。その歴史の中で何度か兵火に会い消失、そして復元、修理されて今日にその姿を見せています。大仏殿は、当時に比べ、高さ、奥行きは現在のものと変わりませんが、横幅は、1.5倍もあったそうです。世界最大の木造建築物といいますが、近代においては、集成材によりさらに大きなものが建築され、正しくは木造軸組建物として、世界最大というのだそうです。
線香の煙を浴びて、大仏殿に入るとちょっと薄暗い中に、でーんと存在感のある大仏様。
ぐるりと回って見物を終えたあと、すぐに出口に向かいます。残された時間で、撮りたいところがいろいろあったからです。大仏殿の後ろ側を通って最初に向かったのが、二月堂裏参道です。瓦が組み込まれた土塀が続き、何ともいい感じなのです。急いで辿り着くと二月堂の裏山から下る水路に、以前見つけたように沢ガニを探しました。ずっと眺めていると、隣で同じように探していた女性といつのまにか共同作業になっていました。「ほら!あそこにいますよ!」「ほんとですね!」「ほら、ここにも!」といった感じ、なにげなく居合わせた者同士が気軽に会話できる、こういうのも旅の楽しみですね。この沢ガニ、最近、野生化したアライグマに食べられて激減しているそうです。こんなところにカニがいるという意外性。環境がいいのでしょう。これからも繁殖し続けて欲しいと願うばかりです。(つづく)