山ノ上農産物直売所
毎年、11月の第2日曜日に開催される矢掛町の大名行列を、数年ぶりに見に行こうと思いました。スタートが12時半だったので、その前に、数日前に新聞で紹介されていた、干し柿で有名な限界集落・矢掛町山ノ上地区を訪ねることにしました。
目指すは、山ノ上公会堂ですが、ナビにヒットせず、感を頼りに車を進めました。実は初めてではないのですが、途中で完全に道に迷ってしまいました。こういうところで迷うと実に大変です。細い道を下ったところで対向車に出会ってしまい泣きそうになりました。絶対に脱輪しないようにとそればかり注意しながら何とか元に戻るとナビ画面の片隅に山ノ上公会堂が現れました。
最近では多くがこのようにビニールテント内に吊るされています。
やれやれと公会堂に車を停め、農産物直売所で果物の皮を干していたお年寄りに、「これは何ですか?」と尋ねると、「柿の皮です。栄養があるんですよ!」とのこと。粉末にして販売するそうです。
近くに、ビニールテント内ではなく、じかに干し柿を見れるところがあるか尋ねると、道を上がったところに昨日、皮をむいて干した家があると聞きました。「家の敷地内なので、声をかけ、了解を得てから撮るようにしてください。不審者と間違われるといけませんから」と丁寧な助言もいただきました。
2000個の干し柿
甘さが伝わってくるようです。
さてお目当てのお宅は、立派な門構えで、中の玄関先に、ご老人(女性)が椅子に座っているのが見えました。「こんにちは!写真撮らせてもらってもいいですか?」と尋ねると、どうぞと笑顔で了承をいただきました。聞くと、何人もカメラマンが訪ねてきたとか。金属パイプで作られた2階建て構造の干し場は、昨日剥かれたという柿がびっしり吊り下げられています。その数、2千個。2台の扇風機がフル回転していました。
聞くところによると、柿は手で剥き、家を出て暮らしている息子たちが帰ってきて手伝ったそうです。これだけ剥くとなると相当な労力で大変ですね。と尋ねると、いや段取りだけです。との回答。畑にゆずがあるので、よかったらどうぞ、と暖かい言葉をいただきましたが、大名行列の時間が近づいていたので、丁寧に辞退し、山ノ上をあとにしました。