岡山県浅口市寄島町干拓地のアッケシソウ
22日の土曜日、寄島町の干拓地にアッケシソウを見に行って来ました。毎年この時季になると地元の新聞に紅葉したアッケシソウが見ごろと紹介されています。非常に貴重で、絶滅危惧種に指定されているらしく、とにかく一度見ておこうと思いました。目指すは三郎島、自宅から約35分ほどです。今にも雨が降りそうな天気でしたが、何とか到着までもちました。
目的地に近くなると、アッケシランドと書かれた幟が何本も立っていました。駐車場は2カ所用意されていました。第一駐車場から数分歩くと、テントが張ってあり、「アッケシソウを守る会」の方たちでしょうか、お揃いの黄色い法被を着たお年寄りの方たちが、元気に、パンフレットを配ったり、ガイドをされていました。そしてすぐ前に自生地。思っていたよりも随分狭く感じました。色も、モミジぐらいの赤を連想していましたが、やや茶色がかかって、赤茶色といった感じです。説明によりますと、自生地は、この地区(AとB)とさらに西側に、C地区とD地区の計4か所あるそうです。一番大きいのが、このA・B地区で小さいながら展望台も設置されています。自生地の向こう側に水路があり、水鳥の親子がすいすいと泳いでいました。
このアッケシソウの自生地ですが、北半球に多く分布し、現在日本では、北海道、香川県、岡山県でのみ生育が確認されています。したがって、寄島町干拓地は、「本州で唯一の自生地」ということになります。アッケシソウは、塩水の入る砂泥地のみに育つ1年草で、草丈は10~40㎝、葉は肉質で、鱗片状に退化しています。花は夏から秋にかけて、一節の3花ずつ両側につき、各花の中央部に白い雌しべ、雄しべが見られます。秋には、全体が緑から紅色に変わり、その形状から別名サンゴソウとも呼ばれます。
最初に発見されたのが北海道厚岸町(あっけしちょう)の牡蠣島で、アッケシソウはその町名をとり命名されました。現在、もっとも有名なのが、北海道能取湖(のとろこ)のアッケシソウです。その群落は見事で、年間20万人の観光客が押し寄せるそうです。
また、カルシウム、マグネシウムなどミネラルを豊富に含んでいるため、摂取すると体によく、その効能も数知れず。実際に韓国では、アッケシソウ塩として販売されているようです。
せっかくなので、C地区と、D地区にも行ってみることにしました。
一番遠いD地区まで、約400mもあります。しかしありがたいことに、無料の貸出自転車がありました。この自転車の存在を知っている人は多くありません。別に歩いてもいいのですが、お天気のことを考え、今日は借りることにしました。D地区、C地区は規模は小さいのですが、実際に中に入って近くで見ることができます。
いずれにしても、貴重なアッケシソウ、何とかこの自生地を保存維持してほしいと思うばかりです。