訪問日:令和3(2021)年10月10日(日)
蝶の世界のスーパースター・アサギマダラ(*1)が福山市内でも見ることができるという記事を見かけ、早速出かけました。訪問先は、福山市津之郷町の俄山(にわきやま)の広場ですが、場所に関する情報はこれしかなく少々不安でした。
グーグルマップで検索すると、俄山弘法太子堂(*2)という寺院を見つけることができました。
この近くに違いないと見当をつけ、とりあえずこのお寺を目指し、わからなければ現地の人に訪ねようと思いました。
ナビの案内のまま進みましたが、1台がやっと通れる狭い山手町の町なかの道を何か所が通過し、不安になりました。そしてやっと比較的広い道に出ましたが、進むにつれて前方はまったくの山道、すれ違う車もなく、これで合っているのか不安は続きます。そのうち「アサギマダラ飛来地」との看板を目にすることができ、ほっとしました。
駐車スペースの向こう側の山の斜面にフジバカマが植えられている
フジバカマ 右と左のかたまり
そして右手眼下には、広場(草原)があり、そこを目指し細い急な坂道を下って停車。初老の男性二人の姿が見えたので、「フジバカマ(*3)はどこですか?」と尋ねたところ、目の前を指して「ココですよ」と返事が返ってきました。
よく見ると斜面に背丈の低いピンクのフジバカマが、何か所かに分けて植えられていました。このお二人は、ここを管理されている「山手・津之郷里山里地を守る会」のメンバーとのことでした。
肝心のアサギマダラはというと、いました。たったの2匹ですが飛んでいました。個人的には、数年前の大山・桝水原で見て以来です。本当に感動的でした。
アサギマダラは比較的大きなチョウでひらひらと優雅に舞います。写真を撮るため近づいてもそれほど動じません。
お二人に、長野でマーキングされたアサギマダラの写真を見せてもらいました。単純に計算しても、その距離おおよそ600㎞以上、よくぞ飛んできた、と感動するばかりですが、一体そのエネルギーはどのように生成されるのでしょう?
この2匹は、ここ一週間見られるとのことでしたので、その間にしっかり栄養を蓄えて、目的地に向かいまたどこかで休憩するのでしょう。
多い日には、20匹以上も飛んでいるとか。先日の地元新聞にも、この場所で何匹も飛ぶチョウの写真(撮影日9月21日)が掲載されていました。
でも出会えただけでもよかったと満足して、広場をあとにしました。
フジバカマに停まるアサギマダラ
ほんとに美しい
こちらはもう一匹
近くに寄ってもさほど動じません
アサギマダラを追い掛け回す黄色い小さなチョウ
湿地に小さな赤トンボが停まっていました。ハッチョウトンボかと思いましたが違うようです
帰りにせっかくなので、俄山弘法大師堂と、明王院に寄って帰りました。
俄山弘法大師堂
石段と山門
山門に奇妙な面がありました
本堂
霊水が販売されています
明王院 広島県福山市草戸町
愛宕山中腹近くにあり、眼下に草戸千軒町遺跡を見渡す明王院は、中道山円光寺明王院と称し、国宝の「本堂」「五重塔」を有する真言宗大覚寺派の古刹として知られています。
急な石段の向こうに山門 山門は広島県指定の重要文化財
山門から境内を望む
国宝 明王院五重塔 建立は1348年の南北朝時代
国宝 明王院本堂 鎌倉時代の元応3年(1321)の建立
*1 アサギマダラ
アサギマダラは羽を広げると10cmほどの大きさになる美しい蝶で、名前のアサギ部分は「浅葱色(あさぎいろ)」を意味しています。
日本で唯一知られている長距離の「渡り」をするチョウとして有名です。春から夏にかけて南方や低地で羽化したアサギマダラは北東や高地に渡り、そこで繁殖します。夏の間は暑さを避けて冷涼な地で過ごし、秋になると越冬のため南西諸島や台湾まで渡っていくのも確認されています。基本的にはふわふわとゆっくりと飛びますが、風に乗るとかなり速いスピードで飛ぶ事ができます。渡りの移動距離は千キロを超え、最長で2千キロを超えた記録もあります。
*2 俄山弘法大師堂
807年(大同2年)、弘法大師(空海)が明王院を開くときに俄谷を訪れ、病に悩む地域住民の救済のために加持祈祷(かじきとう)を行い、錫の杖で俄山の斜面の岩を突くと、そこから霊水が噴出するようになったと伝えられています。霊水は「温泉水弘法水」として近隣住民が数多く集まり利用するようになりました。「温泉水弘法水」の御利益を求める民のために、お堂や水くみ場、お籠り堂(休憩所・宿泊所)が整備されています。
*3 フジバカマ
フジバカマは「秋の七草」の一つで、万葉の時代から人々に親しまれてきた植物です。夏の終わりから秋の初め、茎の先端に直径5mmほどの小さな花を、長さ10cm前後の房状に多数咲かせます。川沿いの湿った草原やまばらな林に見られ、まっすぐに伸びる茎に、3裂する葉が対になってつきます。地下茎が大量に伸びて猛烈な勢いで広がるため、自生地では密生した群落になるのが普通ですが、現在の日本には自生に適した環境が少なくなったため激減し、絶滅危惧種となっています。
次回は、重伝建の町 岡山県高梁市吹屋地区 「田舎そばの味は守られていた」を予定しています。
蝶の世界のスーパースター・アサギマダラ(*1)が福山市内でも見ることができるという記事を見かけ、早速出かけました。訪問先は、福山市津之郷町の俄山(にわきやま)の広場ですが、場所に関する情報はこれしかなく少々不安でした。
グーグルマップで検索すると、俄山弘法太子堂(*2)という寺院を見つけることができました。
この近くに違いないと見当をつけ、とりあえずこのお寺を目指し、わからなければ現地の人に訪ねようと思いました。
ナビの案内のまま進みましたが、1台がやっと通れる狭い山手町の町なかの道を何か所が通過し、不安になりました。そしてやっと比較的広い道に出ましたが、進むにつれて前方はまったくの山道、すれ違う車もなく、これで合っているのか不安は続きます。そのうち「アサギマダラ飛来地」との看板を目にすることができ、ほっとしました。
駐車スペースの向こう側の山の斜面にフジバカマが植えられている
フジバカマ 右と左のかたまり
そして右手眼下には、広場(草原)があり、そこを目指し細い急な坂道を下って停車。初老の男性二人の姿が見えたので、「フジバカマ(*3)はどこですか?」と尋ねたところ、目の前を指して「ココですよ」と返事が返ってきました。
よく見ると斜面に背丈の低いピンクのフジバカマが、何か所かに分けて植えられていました。このお二人は、ここを管理されている「山手・津之郷里山里地を守る会」のメンバーとのことでした。
肝心のアサギマダラはというと、いました。たったの2匹ですが飛んでいました。個人的には、数年前の大山・桝水原で見て以来です。本当に感動的でした。
アサギマダラは比較的大きなチョウでひらひらと優雅に舞います。写真を撮るため近づいてもそれほど動じません。
お二人に、長野でマーキングされたアサギマダラの写真を見せてもらいました。単純に計算しても、その距離おおよそ600㎞以上、よくぞ飛んできた、と感動するばかりですが、一体そのエネルギーはどのように生成されるのでしょう?
この2匹は、ここ一週間見られるとのことでしたので、その間にしっかり栄養を蓄えて、目的地に向かいまたどこかで休憩するのでしょう。
多い日には、20匹以上も飛んでいるとか。先日の地元新聞にも、この場所で何匹も飛ぶチョウの写真(撮影日9月21日)が掲載されていました。
でも出会えただけでもよかったと満足して、広場をあとにしました。
フジバカマに停まるアサギマダラ
ほんとに美しい
こちらはもう一匹
近くに寄ってもさほど動じません
アサギマダラを追い掛け回す黄色い小さなチョウ
湿地に小さな赤トンボが停まっていました。ハッチョウトンボかと思いましたが違うようです
帰りにせっかくなので、俄山弘法大師堂と、明王院に寄って帰りました。
俄山弘法大師堂
石段と山門
山門に奇妙な面がありました
本堂
霊水が販売されています
明王院 広島県福山市草戸町
愛宕山中腹近くにあり、眼下に草戸千軒町遺跡を見渡す明王院は、中道山円光寺明王院と称し、国宝の「本堂」「五重塔」を有する真言宗大覚寺派の古刹として知られています。
急な石段の向こうに山門 山門は広島県指定の重要文化財
山門から境内を望む
国宝 明王院五重塔 建立は1348年の南北朝時代
国宝 明王院本堂 鎌倉時代の元応3年(1321)の建立
*1 アサギマダラ
アサギマダラは羽を広げると10cmほどの大きさになる美しい蝶で、名前のアサギ部分は「浅葱色(あさぎいろ)」を意味しています。
日本で唯一知られている長距離の「渡り」をするチョウとして有名です。春から夏にかけて南方や低地で羽化したアサギマダラは北東や高地に渡り、そこで繁殖します。夏の間は暑さを避けて冷涼な地で過ごし、秋になると越冬のため南西諸島や台湾まで渡っていくのも確認されています。基本的にはふわふわとゆっくりと飛びますが、風に乗るとかなり速いスピードで飛ぶ事ができます。渡りの移動距離は千キロを超え、最長で2千キロを超えた記録もあります。
*2 俄山弘法大師堂
807年(大同2年)、弘法大師(空海)が明王院を開くときに俄谷を訪れ、病に悩む地域住民の救済のために加持祈祷(かじきとう)を行い、錫の杖で俄山の斜面の岩を突くと、そこから霊水が噴出するようになったと伝えられています。霊水は「温泉水弘法水」として近隣住民が数多く集まり利用するようになりました。「温泉水弘法水」の御利益を求める民のために、お堂や水くみ場、お籠り堂(休憩所・宿泊所)が整備されています。
*3 フジバカマ
フジバカマは「秋の七草」の一つで、万葉の時代から人々に親しまれてきた植物です。夏の終わりから秋の初め、茎の先端に直径5mmほどの小さな花を、長さ10cm前後の房状に多数咲かせます。川沿いの湿った草原やまばらな林に見られ、まっすぐに伸びる茎に、3裂する葉が対になってつきます。地下茎が大量に伸びて猛烈な勢いで広がるため、自生地では密生した群落になるのが普通ですが、現在の日本には自生に適した環境が少なくなったため激減し、絶滅危惧種となっています。
次回は、重伝建の町 岡山県高梁市吹屋地区 「田舎そばの味は守られていた」を予定しています。