『喜劇(コメディ)』というのは、かなり難易度の高いモノなのかもしれません・・・。
・・・所謂・・・笑い・・・嗤い・・・哂い・・・。
観客を笑わせるのが、喜劇ということになれば、古くは、シェイクスピアの『真夏の夢』、本邦でも歌舞伎の演目にも『身替座禅』などの作品も。
現在では、三谷幸喜さんの作品群が、コメディなのだろうし、喜劇の主流なのでしょう。
遅刻しそうなのに、来客やら家族らが、外出の邪魔ばかり・・・で、そのヤリトリに嗤いを取る・・・その手法には、未だに馴染めず・・・。
もともと、ドタバタ・・・が好きでないことに加えて、短気なので。
観客に哀しみの涙を流させることは、簡単でも、笑いの涙・・・というのは、ちと難易度が高いか・・・と思います。
それだけ、洗練された喜劇を演じる・・・というのは、かなり難しいのかも?
だから、安易なお笑い・・・という分野が誕生したのでしょうかね?
ボケとツッコミ・・・自虐ネタ、妬み・・・そんな笑いが、主流の現代で、1960年代のブロードウエィのコメディを、江戸版に書き換えたあたり・・・。
『笑い』に対する苦悩が読み取れるような気がしました。
レヴューと歌で、場を繋ぐ・・・楽しく・・・愉快に・・・日頃の憂さを忘れて。
違うのもしれません・・・私の勝手な思い込みかもしれません。
某国営放送が、土曜か日曜のお昼の時間帯に、放送していた軽い喜劇番組。
なんだか、そんなものを彷彿とさせられました。
私は、関西に住んだことがないし、関西の方の週末だか、日曜だかのお昼は、『よしもと新喜劇』だそうな。
私は、見たことが無いので、面白さがわからないのですが・・・。
『コメディ・トゥナイト!』では、全ての丁稚に、自由を与える・・・という壮大な目的で、丁吉は、奔走します。
つまらぬ仕事ばかりで、賃金も安く、自由もない丁稚生活からの解放を夢見て。
でも、なんだか、少し噛みあわない。
そんな舞台だったように思います。
主演の片岡愛之助さんをはじめ、役者さんは、水準以上の出来だったにも関わらず。
舞台上の役者さんに、
『座席(料金)の高い方も、安い方も・・・』
と言わせるあたり・・・やはり、上質で洗練されたコメディとは、少し乖離しているのかもしれません。
商業演劇ですから、仕方のない事なのですが・・・。
歌舞伎だの、梨園だのと申しましても、所詮は、河原乞食でございます・・・とおっしゃったのは、かの中村吉衛門さんだったかと思いますが、そんな奥ゆかしい謙遜も、通じない世界になってきているのでしょう。
上質で洗練されたコメディ・・・。
上演される日は、来るのでしょうか?