鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

ノスタルジックな散歩道②

2017-03-13 21:16:00 | Weblog

くもりがちで寒い週明け。

一昨日・・・。
中学1年生の夏迄、住んでいた駅近くを歩いて。

住んでいた鉄筋コンクリート3階建ての社宅は、既に解体されて、父の勤めていた会社の敷地になっていました。

この社宅には、18世帯の社員の家族が入居していて、南側のベランダの下に、各家庭2坪くらいの花壇などが作れるスペースが割り当てられていて、それぞれ好みの樹木(小さなものに限られたようですが)や草花を植えたりして、ガーデニングを楽しんでいたようです。

当時、女性は、結婚すれば、家庭にはいり、職業婦人というのは、まだ少なかったように思います。

ガーデニングや家庭菜園に興味のあるご家庭では、ご主人が手入れをしていたようですが、殆どは、お家にいる奥様方の手に任されていたようでした。

ウチは、母が公務員をしていたから、専ら、父が、鉢植えのサツキなど咲かせておりました。
・・・というよりは、ウチのスペースには、サツキしかなかったように思います。

もちろん・・・そういった家庭園芸が嫌いなご家庭もあるようで、一応、雑草などは、抜いておられたようですが、お隣さんなどに、スペースを貸してあげていた方もいらっしゃったようでした。

子供達は、各家庭のスペースを見て回ったりして、遊びまわっていたことを思い出しました。

やはり、Mさんちの薔薇がいいよね・・・だとか。

社宅では、ペットの禁止は、なかったようで、3階に住む社員の御宅では、コリー犬を飼っていたし(ベランダに犬のお家があったみたい)、そこのオバサンが、夕方になるとコリー犬をお散歩させていると遊んでいた子供達が、集まってきます。

コリー犬の名前は、メリーちゃんといいました。

私の真向かいさんの家では、トラ猫がいて、ウチに上がり込んでは、晩のオカズの安魚を盗んで行ったりしましたが、父の上司だったので、文句は言えなかったみたいです。

ふてぶてしい面構えのトラ猫で、私のことを、睨み付け、見下げていたような気がします。

飼い主の奥さんもデブで、高飛車なひとで、会社での人事権は、この奥さんに握られていて、社宅に住む奥様方は、日参していたと聞いています。

ウチの母などは、朝8時には、勤めに出ていましたから、他の奥様方とは、殆ど、交流がなくて、今思えば、その方が、気楽でヨカッタ・・・と言っていました。


社宅でのペットは、犬のメリーちゃんとふてぶてしいトラ猫だけでしたが、小鳥(セキセイインコ)や金魚、熱帯魚などの外にださない小動物を飼っていた御宅は、何軒かあったように思います。

私は、金魚とシマリスと縁日で、買ってきたけれど、翌日には、冷たくなっていたひよこを2,3回飼いました。

ひよこが死ぬたびに、花壇の隅っこに、お墓を作り、埋めました。

金魚もリスも・・・埋めました。

リスを埋葬したのは、冬休みが終わった日の早い日暮の中、西の空には、沈みかけた猫の爪のような細い細い銀色の三日月が、夕焼けに、ぽっかり浮かんでいました。

冬休みが終わり、明日から大嫌いな学校・・・。

リスのお葬式。

嫌な事ばかり・・・。

その後、私が、現住所に引っ越したあと、リスも金魚もひよこ達を埋めた地面は、コンクリート(アスファルト)に覆われて、舗装されてしまいました。

既に、もう土に還り、私の記憶の中だけ(一緒に、埋葬してくれたMちゃんがおぼえていなければ)に、生きているのです。

そんなことを思い出した寒い春の一日・・・。


明日は、12年前に、三毛猫がいなくなった日です。