くもりがちで、蒸し暑い。
文書作成専用機?ワード・プロセッサの出現以前、世の中の文筆業者は、原稿用紙にペンで、文字を書いていた(明治、大正期などは、毛筆の場合もあったのだろう)。
森鴎外、夏目漱石なんかは、万年筆のイメージがあるのだけれど・・・違うのかも知れない。
先日、都下の駅ビル内の書店で、森鴎外の長女・森茉莉のエッセイを買ったので、読み始めた。
茉莉さん・・・は、ボールペンだったようで。
ボールペンの前は、鉛筆だったらしい。
そのあとペンにしたが、ペン先の向け方が、一方向だというのが気に入らなかったらしい。
それで、ボールペンにしたようで、アメリカの文豪・ヘミングウェイもボールペンでの執筆だということを聞いて、ヘミングウェイは好きではなかったので・・・と言うよりは、嫌いな作家だったので、あまり嬉しくなかった・・・という記述があった。
私は、ヘミングウェイは、タイプ・ライターだとばかり思っていたけれど、直筆だったのか・・・(或いは、手書きで原稿をかいたのち、秘書だか、誰だかが、タイプを打ったのかもしれない???)
昔(・・・ってどれくらいかな?昭和中期から終わりくらい迄?)のボールペンは、ほとんど、油性のインクで、文字がトゲトゲになってしまったり、ボタ漏れしたり、インクが固まって、書けなくなったり・・・ということがよくあったと思う。
どんなに達筆なひとが、書いても、上手く書けなかったのではないかと思う。
もっとも、ボールペン習字の通信講座なるものがあったので、使い方に何かコツがあったのかもしれないし、ボールペンでも高額なものは、書き味がちがっていたのかもしれない。
インクの固まりに関しては、てのひらで、温めたりして(解凍?)、それでもうまく出てこなくて、廃棄処分・・・というか、全部、使わないうちに、廃棄処分だったりした。
逆に、完全に使い切るということは、私に関しては無かったような気がする。
昨日、現在使用中のボールペンが、格段に書きやすいと書いたけども、やはり、インクの質が、劇的に向上したためなんだろうな・・・。
ジェル状インクの功績が大きいけれど、ペン先なんかも日々進化しているんだろうなぁ・・・。
(またまた昭和時代の話で、申し訳ないが・・・)お勤めを始めた頃、毎日の帳簿浸けは、ボールペンとカーボン紙の複写式で、やっていた(ボールペンで書いたものを保存し、カーボン紙で写した方を、毎日、本社に郵送していた)。
ミスしたところに、訂正印を押して、余りに、間違いが多いと書き直しを何度かしたこともあった。
簡単な事務仕事だったけれど、現在に比べて、かなりな時間を要した。
今は、パソコンで作成し、オンラインで、上司に送り、電子承認処理、そして本社へは、瞬時にデータ化して送信できてしまう。
カーボン紙の複写を、封筒に入れ、切手を貼って、ポストに入れて、都内迄郵送し、到着するまで、2~3日は、掛かっていたことが、遠い過去の記憶なのだ。
思えば、スゴイ時代になったもんだ・・・と思ったりで・・・。