鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

暗闇の住人。

2014-09-20 03:40:11 | Weblog
 
爽やかな気候が続いているというのに、絶不調である。
何をする気にもなれず、うつろな日々を、ただ過ぎて行く日々を、見送りながら、生活している。

・・・否・・・。
生活じゃない。
ほとんど部屋から出ないし、唯一の御用は、月に2度、職安へ行くだけである。

この1年そんなふうに過ごしている。

まあ・・・いいか・・・と思う反面、先が全く見えない不安に脅え・・・。
私に、特徴的なのだけれど、一度、眠りについて、その日をリセットした目覚めの瞬間に言いようのない不安と虚無に襲われて、動悸がしてしまうのだ。
(この症状は、随分と昔のことだけれど、20代の前半・・・或る人との別れが原因で、起こるようになってしまった。忘れてしまえば楽になるのに、目覚めの瞬間、ワザとそれを思い出させる何かが発動する。だから、私は目覚めが怖いし、また、目覚めなくなるのも怖いのだ。或る人のことは、今は、もう思い出しもしないけれど、そのときの不安の感情がいつまでも、いつまでも、私を苦しめる。そして、今は、失業のトラウマが、私の目覚めを攻撃する)

たぶん・・・精神的なものだろうけれど、胸が締め付けられるようで、どうにもいけない。

私は、やはり、働いていないとダメな人間らしい。
貧乏性は、相変わらずだ・・・と思う。
一瞬、一瞬を心底楽しむことが出来ないのだ。

・・・だから・・・仕事をしていても不安。
イヤな仕事をしなくなっても不安。

この不安の闇から、脱出することは、永遠にできないのだろう。
この不安の闇から、脱出する唯一の手段は、死ぬことだけだ。

死のみが、私を、この不安の闇から解放してくれるはず・・・。

そんなことを思う、深夜。
明け方は、もう近い。

現実の明け方は近くても、私は、たぶん・・・永遠に闇に沈む。

暗闇の住人である。



9月の観月会 ハーフ・ムーン

2014-09-17 22:53:15 | Weblog

曇りがち。涼しい一日。

月曜日(15日)は、今年、第9回目の観月の食事会。
月の出は、22時少し過ぎだったので、月を愛でながらの会食には至らなかった。

もう日暮も早くて、U市内某所の高層レストランに19時前に到着したときには、既に、夜景。
先月は、まだまだ明るかったのに。
秋の訪れは、急ぎ足のようだ。

先月より、料理人が変わったらしく?なかなかさっぱり行けそうな料理の数々。

この季節、マツタケは、外せないのだろう。
汁椀は、松茸、甘鯛、海老とスダチの極上の一品。
食欲をそそるおすまし仕立て。
最後には、松茸ご飯。
マツタケは、香りもので、味は、特に・・・と思うけれど、あの食感を活かすのは、家庭料理では、少し無理かも・・・と思ったりした。
第一、こんな高級食材は、我が家の食卓には、上ったことがない。
炭火で焼いて、塩とスダチで、食べるのもまた一興だけれど、この価格では、まぁ無理ね・・・。

鮟肝豆腐、胡麻豆腐、チーズ豆腐の先付は、ノンアルコールビールで。
夜景を見ながら、しばし地上を忘れる。

お刺身は、戻りガツオとカンパチ。

揚げ物は、舞茸とパプリカ。カボチャとサツマイモの柚子餡をかけて食べる季節の味。
焼き物は、カボチャとチーズをホワイトソースと豆乳餡の二色仕立て。

いつものことながら、品数もボリュームも多くて、食の細い私には、多すぎる。
コースが進むにつれて、相方に食べてもらうことになるのだけれど。

来月の席の予約をして、お店を出ると、既に21時。
来月は、更に月の出が遅くなるのだなぁ・・・。

秋の少し寒いくらいの夜風が吹いていて、長袖で、ちょうどよかったなぁ・・・と思う。





天変地異

2014-09-16 22:50:56 | Weblog
   
お昼に震度5の地震。

自宅にいたけれど、先の震災を思いだし、揺れの最中には、身動きが取れずにいた。

ニュースで、震源がかなり近い事を知る。

今月の始めにも、大きな地震があったけれど。

そんなこんなと思いながら、今、こうして呼吸をしているのが、不思議に思える。
1秒先なんて、誰にも分からぬもの。

こうして、ただ息をひそめるように、暮らしていることも、何やら不思議に思う。

あの揺れ方は、活断層が、近しいことを物語っているようだ。

最初に、縦揺れ。
海底の地震とは、また違うピンポイント的な揺れ方だった。

これからも何度か、こうした地震に遭遇するのだろう。

結局、ヒトは、自然の持つエネルギーの前に成す術もない・・・ということなのだろう。

台風、竜巻、豪雨。
備えあっても、憂い有り・・・だ。

普段は、忘れているけれど、或る日突然、牙をむく自然に、驚異と怖れを感じながら過ごすこと。

崇め、敬い、そして、生かされていることを知る。




再生医療について、少し考えてみる。

2014-09-14 22:55:33 | Weblog

朝などは、寒いくらいだけれど、日中は、まだ、夏。
さすがに、ヒグラシは、もう鳴かなくなったけれども、つくつくぼうしは、健在だ。
日中などは、コレみよがしに鳴いている。


このところ・・・というよりも、ここ数年、まともに本を読む・・・ということが出来なくなっていて、最近は、目の具合が悪くて、目薬などを使っている。
眼科医にも行かねば・・・と思うものの、重症な目の病だったら・・・と思うと、二の足を踏んでしまう。

昨日だか、一昨日だか、iPS細胞を目に移植した手術が、成功したとニュースで伝えていたけれど、かのSTAPは、結局なんだったのだろうか。
細胞の再生ってことでは、同じカテゴリーでいいのだと思うけれど、全然違うものなのかもしれない。

絶望的な病でも、医療が進歩すれば、治癒が可能になることもあるんだろうなぁ・・・。

さて、一方は、実用化のメドがたち、一方では、たぶん捏造・・・らしいということだけれど、この捏造が、果たして、捏造なのか、STAPの存在が、シロかクロか・・・ってことを、証明するのに、相当難しいことなのだという。
完全に無い・・・と証明できなければ、可能性が残っている訳だし、証明できなければ、仮説は、仮説のままなのだろうし、厄介なシロモノらしい。

身体の一部がダメになって、それに代れるモノ(簡単な例では、コンタクトレンズだとか、メガネだとか・・・)があれば、これまでとほぼ同じ生活が出来るってことで、有難い。

毀れた細胞が、蘇って、新しい組織を作ってくれることが、意図的にできるようになれば、重病をわずらっているひとにとっては、福音となるのだろう。

いずれにせよ、ヒトは、簡単に死ななくなった・・・少なくとも、戦前(第二次世界大戦くらいにしときましょうかね?)よりは・・・。

日進月歩とは、こういうことを言うのだろうかね。

私的には、日々、後退しているような気がするけれど・・・。




野菜薬

2014-09-13 22:52:02 | Weblog

日差しは強いけれども、風は、もう秋。
乾いた空気の気持ちの良い土曜日。

自宅前の中学校では、運動会。
朝の6時から、大音量の花火。
うとうとしていたら、起こされてしまった。


この数日、ちょっと頭痛だったりして、気分もどんよりと過ごしていた。

以前、何かの雑誌の記事だったかと思うのだけれど、ミュージシャンの松任谷由実さんのインタヴュー記事に記載されたことを思いだした。

『仕事で疲れていて気分が悪かった時に、野菜を食べたら、回復した。』
(↑ウロ覚えなので、違うかもしれませんが・・・)

無理に食事をせずに、トマトを一つ、レモン汁と酢と食塩で、食べてみたところ、ずっと続いていた貼りつくような頭痛の不快感が消失した。

野菜は、薬なのかもしれない・・・などと思ったりで。

症状によっては、悪化することもあるかもしれないし、重病の前触れかも知れないから、自分で判断しないで、病院へ、GO!が一番適切な行動かもしれない。

けれども、病院へ行っても、特に異常が発見できず、それでもなお、グズグスするようだったら、身体によさそうな野菜を食べるとよいかもしれないなぁ・・・などと、浅知恵ではあるけれど。

野菜=薬・・・。
特に、消化器系には、効能がありそうだ。

胃痛には、キャベツ(のスープ)だとか・・・。

まあ、それ程、極端ではないけれど、胃の痛みや不調には、ゲンノショウコを煎じたものを・・・だとか、末期がんの痛みには、ビワの葉の温灸だとか・・・。

化学薬品のように劇的に回復するものでもないけれど、副作用少なく、作用穏やかなれば、緊急でない時には、使ってみるのも手かもしれない。



『大奥 第11巻:よしながふみ・著』

2014-09-12 22:50:54 | Weblog
  
気持ちの良い晴れ。秋の空気。


男女逆転大奥も11巻目の刊行。

男子だけにしか発症せず、致死率80%の恐怖の赤面疱瘡の蔓延で、男女比が、極端に傾いた江戸時代・三代将軍家光公から、将軍職も女子の継承となり、時代は、8代ぶりに、男子の将軍の誕生をみた十一代家斉の御代へ。

老中・田沼意次の失脚とともに、政を影で操る徳川治斉の邪悪な権謀により、赤面疱瘡の治療法も葬り去られ、混沌とした幕末へと物語は進んでいく。
邪悪な影を他人感じさせることなく、ヒトを操り、自分の手は、汚さずに、権力を手中に収めた治斉。

穏やかで優しげな外見とは、まったくちがう徳川治斉は、従姉妹の老中・松平定信曰く。
『あの女は、馬鹿か・・・。あの女には、何の志もない。あるのは、より強大な権力を求める肥大した欲望だけだ。徹頭徹尾己のことしか考えていない。あの女が、徳川を滅ぼす。』

その怪物である治斉を母に持ち、11代将軍に就任した家斉の苦悩が始まる。
怪物とは、ひとの心をもたぬものである。
その怪物に、幕府は、支配された。

これまでの11巻で、既成の大奥とは、全く違う『男女逆転大奥』を構築したよしながふみ氏。

男女が逆なら、善悪も逆のようである。
大奥の生みの親、春日局、徳川綱吉、柳沢吉保、間部詮房・・・既存の人物像とは、まるで異なっているように思える。

史実とは、真逆。

田沼意次は、幕府の財政を立て直し、赤面疱瘡の根治を奨励し、蘭学を普及し、差別のない人材登用と、かつての収賄の田沼意次像を覆す設定である。

この物語の根幹である赤面疱瘡。
この風土病のために、日本は、男子が減少し、女子が、その労働を担うようになったというこの物語最大のモティーフとなっている。

江戸期の天才・平賀源内もまた、この病を根絶させようと助力したひとりとして描かれている。
もちろん、女性という設定だ。

幕末まで、あと4代。

物語の展開が、楽しみである。




秋の日暮れ~オウム返し・・・。 

2014-09-11 22:50:14 | Weblog

曇りがち。夕刻より雷雨。

昨日は、夕方から?就活。
相方と食事の約束をしていたので、久しぶりに外出予定でいたので、そのついで?に、あまり行きたくないけれど、職安へ行くことにした。

本末転倒の日々である。

私は、夕方からの活動であるけれど、世間の真面目で、立派な方々は、1日の疲れもピークなのだろう・・・そんな気怠い秋の夕方。

職安の女性職員も何やらお疲れ気味のようで、アンニュイさが、モロに伝わってくる。
意味不明な質問。
一体、何が知りたいのかよくわからなかった。

私の脳が、既に、普通のひととの会話を拒んでいるのだろうか???

そんなやりとりをして閉所間際の17時に、職安を出る。

相方との待合せは、1時間後だから、職安隣接のホームセンターで、ペットショップを見て歩く。
夏の始めの夕方に来て以来のご無沙汰だから、既に2ヶ月以上前のことだった。

あのオウム(キバタン)は、狭いケージの中にいた。可愛らしいクリーム色の美形である。
前回来たときは、価格がみえなかったけれど、値札は、528,000円と表示されていた。
あのペットショップの中では、一番高額な商品かもしれない。

真っ黒いまんまるな目が、ウルウルしている。

オウムなんて飼っているひとは、お金持ちに決まっているし、高い止まり木に、囚人のように繋がれているイメージがある。
遺産相続を巡り、殺人事件が起きて、その一部始終をオウムが見ているのだけれど、オウムの証言は、証拠能力があるのかないのか・・・なんて、ドラマがあったような・・・?気がするけれど。
それだけ、オウムは、知能指数が高いのだろうねぇ・・・と相方に言ってみると、彼は、哀れむように、言った。

『オウムは基本的に、単に、ヒトの真似をするだけですから。人間は、会話しているように思えるかもしれないですが、基本的に、オウムとの会話は、成立しません。』

そうなの・・・?

では、あの職安での女性職員との会話も・・・所謂、オウム返し・・・ってことなのだろうなぁ・・・と
改めて思った次第。



重陽に、いいんだか悪いんだか2100回目。

2014-09-09 22:49:08 | Weblog


カラリとした澄んだ秋の空気の夏日。

拙なブログも、2100回目を迎えました。

いろいろと愚にもつかぬことばかり、書いて来たけれど、2100回とは・・・。
 
毎日、そろそろ終わりにしようか・・・と思いつつ、オモイッキリの悪さが、災いしてか・・・。

今日まで、ダラダラ続けてまいりました。
まだ、もう少し続くかも・・・?

いい加減、止めろ・・・とお達しがありそうですが・・・。

何時まで、書けるかわかりませんが、とにかく、書けなくなる日まで、書こう・・・という、曖昧な決意のもと、2100回目を迎えることができました。

まっ・・・重畳、重畳なり也や・・・。

1年間も、休職してしまって、たぶん、もう普通の会社員には、戻れないとは思いますが、何か、身辺に変化などありましたら(当分、ないとは、思うのですが)、書いていこうと思っています。

ご訪問下さいましたすべての方に、感謝。
間違って、来てしまった方、ごめんなさい。

朝夕、少しばかり、冷え込んできました。
巷では、秋の蚊が、しつこうございます。
デング熱やらも蔓延してきております。

くれぐれも、ご注意を。


三毛猫堂拝。





I take to the moon you・・・きみを月まで連れて行く。

2014-09-08 22:52:36 | Weblog

きみを月まで連れて行く。
きみを月まで連れて行く。

そう誓った夜に。

・・・でも、きみは、まだ、完全なうさぎになっていないから。

私の魔法で、うさぎにしなくては・・・。

まず、長い耳。
ふわふわの耳を作って・・・。

わたしの手が、きみのほほにふれるたび、
きみは、うさぎになってゆく・・・。

傷だらけの毛皮を癒すのに、一体どれくらいかかるのだろうか・・・?
折れた耳をふわふわの耳にも戻すのに、どれくらいの時間が必要のなのだろうか???


きみを月まで連れて行く。
きみを月まで連れて行く。

そう誓った夜に。

優しく淡い月の光の中で、きみは、うさぎになっていく。

ふわふわの耳は、元通り。
傷だらけの毛皮も、元通り。

きみは、完全な月のうさぎになって・・・。

ぴょんぴょん跳ねて。

私の胸に飛び込む日に。





*仲秋の名月にちなんで、ヘタな詩作を試みるも・・・。





鴨とオレンジ & 絵本の美術館

2014-09-07 22:51:45 | Weblog

雨の日曜日。
昨日までとは、打って変わって、半袖では、肌寒い・・・。

『何だか、全く調子が出ない。仕事は山積みでも、ちっとも捗らない。ヤル気がでない。ぼんやりする・・・効率悪すぎ。・・・なので、サボります。これから帰りますから、ランチでも一緒にどうですか・・・。』

あの仕事大好き、仕事命?仕事してなきゃ、ヒトでなし・・・の相方が、コワレ加減で、電話してきたのが、先週の火曜日(2日)。

平日のランチ兼、県北西にある『いわむらかずお絵本の丘美術館』へ、ドライヴ。

途中、県内でも有名な?フレンチレストランで、ランチ。
ランチ価格では・・・採算取れるのかなぁ・・・?と思える優良レストラン。

前菜の鴨のスモークとオレンジの一皿は、もうこれだけで充分。
焼き立て熱々のフランスパン。手作りバター。ほんと・・・もうコレだけで・・・。
相方のオーダーしたパパイヤと生ハムも絶品。
交換っこして、御味見。

茄子のコールドスープ。カレー風味。

メインは、甘鯛と帆立貝と海老のバジルソース。
淡泊な魚介のひとさら。

相方は、仔羊のロースト。

メインも交換して、楽しむ。

デザートもアイスクリーム、プチ・チュー、フロマージュ・・・ああ、平日の昼間から、こんなに贅沢してしまってよいのだろうか・・・しかも、安価だ!安価過ぎる。

県央の知る人ぞ知る有名店だけれども、市内から外れていて、住宅街の一角の非常にわかりにくい場所にあるせいか、火曜日の平日は、私達の他に、主婦の二人連れが二組。
・・・毎度のことながら、日本で一番恵まれた人種は、自分が働かなくても、養ってもらえる主婦だ。
羨ましいことである。

お料理、デザートと共に、満足して、絵本作家のいわむらかずお氏の美術館へ。
里山ひとつ広大な敷地の中の小さな美術館。

夏休みは、既に終わり、来館者は、誰もいない。

自然と可愛い動物たちの絵を楽しんだ後は、美術館の庭に設えてある椅子に座って、去っていく夏の風を受けながら、
県東北部の川の美しい街を眺める・・・。
稲穂は、既に、秋色に色づき始めている。
標高が高いところだから、楓も一部、赤くなり始めていた。


平日の誰もいないこんなゆっくりした時間を過ごせるのは、かつてなかったことだ・・・。
失職して、早1年・・・。
まだ、何も見えてこない晩夏と初秋の間の平日・・・。

鴨とオレンジの美味しい一日。