94歳と87歳の女性が立ち話をしていた。「おふたりともお元気ですね」と声をかけると、「まだまだ頑張らなくちゃーね」と微笑まれる。ふたりともスリムだが痩せすぎてはいない。何よりもアカ抜けている。話し方にも品がある。とてもはつらつとした印象を受ける。2日の講演会の早瀬さんは85歳だった。歳を重ねても美しいと感じる女性はいる。
昨日、女性たちが結婚しない娘のことを話していた。「娘には、『離婚してもいいから一度は嫁に行きなさい。正式な結婚を挙げなくてもいい、一度くらいは男と暮らしてみるものよ』。そう言ってハッパをかけているの」。「そんな大胆なことを言ってもいいのですか?」と聞き直すと、「女に生まれたのだから、一度は女にならなくちゃー。子どもを望むことは無理でも、女になることはできるのよ」と教えられた。
私の後輩で首長になった男が高校の卒業式で、「何々になりたいから、何々をしたいと考えて」と述べている。野球選手になりたいと子どもたちは言う。野球選手になることは、いいプレーをして見る人を喜ばせたいからだ。喜ばせたいために野球選手になりたいのだ。それならたとえ、野球選手になれなくても、喜ばせたい目的を実現することはできるよというわけである。
空は曇り始めた。明日は雨降りになるようだ。鉢植えの白のサザンカが満開になってきた。白い花を好きな女性は多い。純白は無垢で清楚な印象が強い。私は真っ赤な赤が好きだ。真っ赤な赤は情熱的だけでなく、不気味な野心が潜んでいる。穢れない白はまるで少女のように美しいけれど、やがて散る時は少し茶色っぽくなる。花はいつまでも美しさを保つことはできない。
嫌なことも悲しいことも人生にはつきものだ。それでも美しさを保っている人は内から輝くことを忘れないからだろう。いつも前向きに、笑顔で生きている。女性たちは強い。