チューリップの芽がずいぶん伸びてきた。植物は短い間に大きく成長するし、少々傷ついても自ら再生していく能力もある。動物もまた再生能力を備えている。人間だって、傷口を塞いだりする能力を持っている。そうした再生能力を作り出せたならと考えるのは不思議ではない。ips細胞とかSTAP細胞はそうした画期的なものだが、STAP細胞に疑念が集中している。
まさか全てが捏造とは思えないけれど、理化学研究所の野依理事長が「未熟な研究者が膨大なデータをずさんに扱った」と釈明している。しかし、これでは小保方晴子さんだけの責任になってしまう。小保方さんを使って、最初の発表を演出した理化学研究所の責任は重いと思う。彼女を利用した上司の笹井芳樹副センター長が釈明しないのも不思議だ。
若くてかわいいことをネタにしたマスコミにも罪はあるだろう。そんなことを思って中日新聞を読んでいたら、ビックリする記事があった。『上野千鶴子さんの講演中止』である。山梨県山梨市で18日に予定されていた上野さんの講演が急遽中止になったとある。上野さんの講演のテーマは在宅医療や介護についてである。市のホームページなどで参加者を募集し、164人の申し込みがあったが、「問題発言が多い上野さんを公費で呼ぶのはおかしい」という市民からの意見があり、市長は中止を決めたとあった。
私の市でも、国際交流で韓国フェステバルが企画されたが、右翼団体の嫌がらせに屈してアジアフェステバルに変更した。そういえば、松江市の教育委員会が漫画『はだしのゲン』を学校図書館の開架から一時撤去したことがあった。これも市民からの要請があったからだが、「新しい歴史教科書をつくる会」が全国的に行なっているものだという。以前にも有害図書撲滅キャンペーンなるものがあったけれど、有害か否かは本を手にする本人が決めることで、国や自治体が決めることではない。
「問題発言」とは、誰にとってのことなのか。こんな風に表現することがどんどん抑えられている。何も考えずに圧力に屈しているし、自ら規制してしまう。反発しているのは高齢の人たちで、若い人たちは無関心か、積極的な規制派ということも恐ろしい。明日と明後日は旅行のため休みます。