4歳の孫娘が遠足に弁当を持っていくというので、大学1年の孫娘は朝早くから弁当作りをしたという。出来上がった弁当を「メールで送って来たわよ」とカミさんが見せてくれた。ビックリした。こんな立派な弁当が作れる女の子になっているとは思わなかった。娘が研修で東京へ3週間出かけた。その間、継父と大学生の孫娘と4歳の孫娘の3人で暮らしている。4歳の孫娘は情緒不安定で扱いに困っている。
昨夜、継父が仕事で帰りが遅くなるというので、孫娘ふたりが我が家で食事をすることになった。下の孫娘はお姉ちゃんの傍を離れない。食事の用意ができ、食卓に着く時になって、下の孫娘は「お絵かきをする」と言い出した。彼女は彼女なりに、お絵かきの上手なところを見せて、褒められたかったのだ。けれど私は無情にも、「ご飯が終ってからしかダメ」ときつく言った。すると、大きな声で泣き出した。泣き出したが涙はなかった。
上の孫娘が小さいママとなり、「どうしたの?」とご機嫌をとる。「自分に注意が集まらないので、泣いているのさ。放っておきなさい」と私が言ったことが分かったのか、さらに大声で泣き出し、今度は涙を流した。もう、2週間も母親のいない生活が続き、4歳の孫娘はやり場のない不安定な心境なのだろう。こうなると、小さいママだけが頼りなのか、お姉ちゃんの言うことにだけ素直に受け入れ、次第に落ち着き、上の孫娘の膝の上で抱かれたまま食事をするようになった。
姉と妹の強い絆である。まだ、妹の姉への一方的な甘えの絆であるが、ジジやババでは築けない確かな絆だ。男兄弟で、何でも話すというケースは聞かないが、姉妹は親子以上に何でも話し、助け合ったりもするという。この子たちは15も歳が違うし、父親も異なるけれど、きっと大きくなると女同士の絆で結ばれた仲になるのだろう。いや、そうなって欲しいと思う。
下の孫娘はまだ甘えるばかりで耐えることを知らない我がままだ。上の孫娘は荒波を受けて育ってきたけれど、優しく温厚でおっとりしている。大学生の孫娘が4歳の妹のために作った弁当の味を、下の孫娘は知らないが、いつかきっと分かる時が来るだろう。