友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

青森県黒石市の写真コンテスト

2016年10月20日 15時59分25秒 | Weblog

 自殺した子どもが被写体では、祭りの写真としてふさわしくない。そう考えて市長賞の作品を取り止めるように指示した青森県黒石市の市長が、一転して市長賞を贈ると発表した。市長は会見で「今回、一番懸念したのは青森市が調査中の段階で写真を出すこと。賞の授与で写真を公表することは本当に良かったのか、その点に関しては永遠に悩む部分かもしれない」と述べている。

 市長の「人権に配慮した」というのは後になってのいい訳で、自殺がいじめによるものだったので、「面倒なことになる」のを避けたかったのだろう。撮影した人に「受賞の辞退」を求めたり、「経緯を口外しない」ように迫る、器の狭さを非難しても仕方ないが、「役人さんは辛いねえ」と思ってしまう。被写体の女の子は中学2年生で、今年8月25日に鉄道に飛び込み自殺した。

 写真はその10日ほど前の「黒石よされ祭り」で写されたものだ。とても可愛い笑顔で踊っている。そんな女の子だが、「もう生きていけそうにないです。いじめてきたやつら、自分でわかると思います。もう二度としないでください」と書き残している。自分は死ぬつもりだから、これ以上他の子をいじめないでという願いだろう。1年の1学期に学年生徒会長に選ばれているから、活発で目立つ子だったのかも知れない。津軽民謡に合わせて踊る「手踊り」の学外チームに所属する踊り上手な女の子だった。

 私が高校の教員になった50年前は、子どもの自殺は見聞きしたことがない。もちろん非行問題はあって、生徒指導部から経緯と処罰が職員会議に報告された。新任の私たちは「処罰」では「教育」とは言えないのではないかと反発した。今晩、その7人と再会する。「もうジジババだから、会っても分からないよ」と言われている。

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