「今 思いたって、先生のブログを読んでいます。びっくり」と今朝、卒業生の女の子からメールがきた。ビックリしたのは私で、何か悪いことでも書いたのだろうかと思いすぐ返信した。お昼過ぎに彼女から、「ただ のってる事に 驚いただけです」とメールが届いた。電話ではなく、遠く離れた相手と瞬時に文章のやり取りができる、凄い時代になったものだ。
彼女もまだガラケイだが、カミさんは子どもたちとラインでつながっているから、画面で会話が出来るし、映像も交換できる。私たちが子どもの頃、漫画『鉄腕アトム』でそんな時代が予想されていた。人型ロボットではないが、生産は完全にロボット化された。テレビコマーシャルには前方の障害物を感知して自動的に止まる車があるし、自動運転の車の生産も間近だろう。
姜尚中さんと内田樹さんが「グローバリゼーションは何時ごろからよく使われるようになったのか」という会話をしている。ということは、彼らが大学生だった1970代はまだ一般的ではなかったのだろう。私は名古屋芸術大学の大島学長から、「これからはこういう時代だよ」と言われてプレゼントされた本を思い出した。ドイツの首相だったヘルムート・シュミットがハインリヒ・ハイネ大学で行った公開講座を大島先生が翻訳した『グローバリゼーションの時代』(集英社)である。いただいたのは2000年だった。
経済活動は一定の地域に留まらず必ず拡張していく。経済の中心国は戦後、イギリスからアメリカに移ったが、今そのアメリカも覇権維持に躍起になっている。生産の中心商品も繊維から車や電化製品へと変わり、さらにIT産業へと移った。人の知能はどんどん新しいものを発見し、生産化していく。凄いなあーと思う。それでも、「ねえ、もう連絡はしてくれないの こんなに長く待ち続けているのに」といった恋の歌に惹かれるのはなぜなのだろう。