最初の夏祭りの反省会をしていた時、高校生の子がスマホを見ながら、「平尾昌晃が死んだよ」と教えてくれた。その子が「僕の可愛いミヨチャンは」と歌い出したので、つられて私も一緒に歌った。歌謡教室に通っているその子は古い歌をよく知っている。この歌が流行ったのは私が中学生の頃だと思う。
母が裁縫教室を開いていて、その教室には今なら「昭和の懐かしい電化製品」となるような高さ1メートルほどのラジオとレコードが聴ける電蓄が置かれていた。『ミヨチャン』や『星は何でも知っている』は若い生徒さんたちに人気だった。その頃の平尾昌晃さんは、山下敬二郎さんやミッキー・カーチスさんと「ロカビリー3人男」と呼ばれていた。
田舎町だったからか、ロカビリーの真似をする友だちはいなかったし、高校生になる頃にはもうブームは去っていた。平尾昌晃さんが亡くなり、テレビで特集が組まれていたが、ずいぶんと幅広く作曲していたことを知った。布施明の『霧の摩周湖』、小柳ルミ子の『瀬戸の花嫁』『私の城下町』、五木ひろしの『よこはま たそがれ』等々、数え切れないほどのヒット曲がある。
先日、カミさんが観ている倉本聡さん脚本のテレビドラマ『やすらぎの郷』を見て、ミッキー・カーチスさんが出演しているのを知った。このドラマは往年のスターが総出演している。石坂浩二さんが扮する脚本家を中心に、石坂さんの元妻の浅丘ルリ子さんや加賀まりこさんなど、ほぼ実年齢で出演している。80代のミッキー・カーチスさんは41歳年下の施設の女性職員と「恋愛中」である。
石坂さんも昔、恋していた女優の孫から「会いたい」と告げられて密かに駅まで迎えに行くが、どんな展開になるのかと興味深い。『やすらぎの郷』は高齢者施設だからいろんな人生の終末を描いている訳だけに、見ていて面白いものがある。石坂さんはいよいよデートの日が近づき、「胸がドキドキする」と告白する。いくら歳を取ってもやはり青春の気持ちは変わらない。