友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

上野千鶴子さんの祝辞に共感する

2019年04月15日 18時35分22秒 | Weblog

 今朝のテレビ『特ダネ』で、東大入学式での上野千鶴子名誉教授の祝辞を取り上げていた。私は聞いていて、さすがは上野さんだと思った。私たちの市民講座の講師を快く引き受けてくれた時も嬉しかった。間近で話してみて、率直な人柄を感じた。祝辞もまた率直で、学者として新入生に贈るにふさわしい言葉だった。

 女性差別が存在すること、世の中は理不尽で不条理であること、東大に合格できたのは必死になって勉強した結果であるが、実は恵まれた環境にあること、努力をすれば報われるというのは自己責任論で、努力ができない人もいること、合格できた能力を、努力しても報われないあるいは努力できない人のために使って欲しいと述べた。

 「あなたたちは世界のどこへ行っても生きていける。そんなあなたたちの能力を恵まれない人のために役立ててください。入学おめでとう」と結んでいた。上野さんは全共闘が暴れていた時代、京大で男子と一緒に戦っていた。デモを終え、アジトへ戻ると、男子は女子にお茶を入れるように頼む、平等な社会を目指しながらこれはおかしいと上野さんは思った。

 ジェンダー論を課題にするきっかけである。私は彼女より年上だが、そういえばデモなどの後はなぜだかそんな光景だった。女子を守るのが男子という意識が残っていた。だから闘争から外れると家庭の中の男女の役割を受け入れてしまっていた。同じ仲間なのに、戦闘的でない者を見下げバカにした。それで何が平等な社会の実現だと今は思う。

 革命の側であったのに、理不尽なことが横行していた。理想論を掲げながら不条理なことばかりだ。社会は理不尽で不条理に満ちている。だからこそ、改めたいという気持ちになる。きっとどこまでいっても、その繰り返しなのだろうと思う。「おかしい」と思うことを変えていく、その努力はいつも必要なのだ。

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