友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

マンションの総会

2019年04月29日 17時48分27秒 | Weblog

 マンションに入居したのは33歳の時だったから、既に42年にもなる。この地方では1戸当たりの面積が広く、人気が高かった。入居者は30代・40代の人が多かった。毎年、4月29日が自治会の総会で、1年間の予算や人事が決まる。全国的にも珍しい自主運営のマンションで、今日は45回目の総会であった。

 見渡せば知ってる顔の多くは白髪だった。地域の中でもマンションの高齢化は群を抜いていると聞く。それくらい住み心地がよく、他の地に移住せずに残っている人が多い。自治の仕組みは、輪番に組長を引き受け、その組長の中から役員を選出し、役員会が管理事務所を統括・運営する。日々の業務は管理事務所が行い、毎日の清掃や時々起きる修繕を業者に発注し、監督する。

 私も何度か役員に選ばれ、最後に自治会長の責務を務めた。総会は喧々諤々の論議の場であったが、最近は発言する人は滅多にいない。私は昨年の総会で、「会長職を6年も続けることは異常で、ぜひ来年は新しい体制を築いて欲しい」と発言したが、今年度は新しい人が選出され安堵した。

 有能な人が長く続けることはあるが、長すぎると新陳代謝ができなくなる。全員が責任を持つためには、自治会役員は出来る限り新しい人に交代していかなければならない。自治会の今年のテーマは『住民全員参加でコミュニティを考えよう』というものだった。自治会を支えてきた先人たちは、おそらく60年安保の経験者なのだろう、マンションをユートピアにしようと自治・自主管理を貫いてきた。私は役員をやる度に、先輩に飲みに連れて行ってもらい、そんな彼らの夢を聞いた。

 総会の参加者に高齢者が目立つだけでなく、委任状も出さない欠席者が出席者と同数程いる。委任状と出席者で辛うじて過半数を超えているが、総会そのものが成立しない時期が来るかも知れない。先輩たちが熱い思いでつくり上げてきたユートピアは、「夢」になるのだろうか。

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