友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

困った高齢者になっていた

2024年11月28日 17時25分19秒 | Weblog

 側溝のコンクリートの蓋を持ち上げようと試みたり、這いつくばって蓋の隙間から中を覗いたりしている小学生の男の子がいた。余りにも一生懸命なので、つい、「どうしたの?」と声をかけた。男の子は腹ばいのまま、「アメを落としてしまった」と言う。

 傍に自転車がひっくり返っていたから、カギでも落として困っているのかと思い、手を貸すつもりだったので、「アメ?!」と言い、「拾っても汚いから、食べられないよ」と言った。すると男の子は立ち上がり、「そっか」と言うなり自転車に跨がって行ってしまった。

 ドブに落ちたアメを本当に食べようと思たのかと、不思議な気がした。東山動物園でも子どもの発想は面白いなと思ったことがあった。1つは白クマのプールで、飼育員がバケツに入っている魚を投げ入れていた。

 その度に白クマは飛び上がったり、プールに飛び込んだりするから、観客は大喜びだった。なのに私の前の女の子は、「これって虐待じゃーない。食べやすい所に置いてあげれば、冷たい水の中に飛び込むこともないのに可哀想」と母親に話していた。

 確かに白クマはエサを投げられる度に水に飛び込み、水中から出るとブルッと身体を振るわせて水切りをしている。女の子の言うことにも一理ある気がした。

 もう1つは植物園の温室の中での出来事だった。家族4人で来ているようで、父親がウツボカズラの前で子どもたちに教えていた。「これは食虫植物で、虫の好む匂いを出してこの袋におびき寄せるんだ」と言うと、上の女の子が「でも、この温室には虫はいないよ」と指摘する。

 父親がどう話を続けるのか興味があったが、立ち止まることが出来なくて聴けなかった。子どもたちの素直な気持ちが、大きく育つようにと願いつつ、帰ることになったが、どこへ行ったら駐車場に着くのか分からない迷子になった。

 係りの男性に尋ねると、地図を持って来て説明してくれた。高齢の男性係り員はふたりともとても親切だった。横には若い男性スタッフがいたが、「困った老人夫婦」という顔で私たちを見ていた。実際、困った高齢者になっていた。

コメント (1)
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