WBCの決勝戦、カミさんは朝早くからテレビを点けて、昨日のメキシコ戦の解説やら、選手たちのインタビューなどに見入っていた。朝食の後、私は急いでルーフバルコニーに出て作業を始めた。
私が「どう、勝っている?」と聞いても、返事が無い。やっぱり苦戦しているようだ。昼近くになって、さて、この鉢をどうするかと考えていると、カミさんが顔を出し「こんな機会はもう無いわよ。9回の表、大谷が投げるから、観に来たら」と声をかけてくれた。
得点を見ると、3対2で日本がリードしている。ここで大谷投手がホームランを打たれたら3対3だが、日本は後攻めだからまだ勝利の機会はある。しかし、走者で塁を埋めるようなアメリカの勝かなどと思いながら観ていた。
走者は出したがダブルプレイで2アウトになった。私は、スポーツに勝ち負けは当たり前などと力んでいたのに、「どうかこの打者を三振で討ち取ってくれ」と口にしていた。そしてまるで脚本通りに、大谷投手は豪快な球で三振を成し遂げた。
思わず、「ウォー」と声を上げていた。そればかりか、なぜか涙が溢れてきた。やっぱりスポーツは感動させるものがある。「やったね!おめでとう」とカミさんに声をかける。「どうなるかと心配だったけど、優勝出来て本当によかった」と泣き笑いだ。
各選手が各々の役割をやってのけた結果の優勝である。誰が打ったからでも、誰が投げたからでも無い、チーム一丸となって勝ち取った勝利である。シャンパンやビールをかけあう様子はまるで子どものようだった。
お祭りなんだから、もったいないなどと言わずに大目に見てあげよう。嬉しい時は誰でも羽目を外して騒ぎたいものだ。よく頑張りました。明日からはそれぞれの生活に戻っていくのだろうが、今日の思い出を胸にさらに活躍してください。
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