平昌オリンピック、昨夜のスピードスケート女子500メートルは感動そのものだった。W杯で15連勝の小平奈緒選手と、バンクーバー、ソチとオリンピックを連覇している韓国の李相花選手の、どちらが勝つかと話題になっていた。小平選手は昨季から国内外で無敗、W杯通算優勝回数も19と伸ばしている。李選手は500メートルの世界記録36.36秒を持ち、韓国では「氷速女帝」と呼ばれているという。
先に滑った小平選手の記録は36.94秒のオリンピック新記録。李選手がこの記録を上回るかとハラハラしながら見ていたが、小平選手の記録に及ばなかった。すべての選手が滑り終わると、小平選手は両手を大きく上に突き出した。スタンドから大声援を受けていた李選手は、期待に応えられなかったからなのか、泣き崩れていた。そこへ小平選手が駆け寄り、李選手を抱きかかえて何か言葉をかけていた。
ふたりはそれぞれの国旗を手に、小平選手が李選手を抱きかかえたまま、観客席に向かって滑り出し、一緒に手を振っていた。これがスポーツ、これがオリンピック、まさにそんな光景だった。テレビを観ている私はもらい泣きしていた。小平選手は李選手にどんな言葉をかけたのだろうと思っていたが、韓国語で「チャレッソ(よくやった)」と後から知った。小平選手は31歳、李選手は28歳で、10年以上の付き合いがあるという。
「李選手とは韓国語、日本語、英語を交えて話す」と小平選手はインタビューに答えていた。政府と政府になると仲良しとは言えない非難の応酬だが、個人のレベルでは互いが「RESPECT(尊敬)」し合っている。国の垣根を超えて、個人の付き合いが広がれば、もっと互いを理解し合えるだろう。それがオリンピックの目的であったはずだ。
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