「沖縄を返せ、沖縄を返せ」とみんなが歌っていたが、屁理屈な私は納得できなかった。沖縄は先の大戦で、米軍の本土上陸の犠牲になった。しかも、米軍の占領下におかれ、講和条約の締結後も実質的に米軍の支配下にあった。
50年前の今日、沖縄は本土復帰となったが、米軍基地は更に強化された。沖縄はモノではない。「返せ」と言うなら、「沖縄に返せ」だろう。沖縄は長い間、琉球王国であったのに、明治政府が日本の支配下に置いてしまった。
私が学生の頃、シュプレヒコールで「アメリカは出ていけ」と叫ぶ人たちがいたが、これも私は受け入れられなかった。アメリカが出ていけば、それでいいとは思えなかった。そもそも、米軍はなぜ駐留しているのか。なぜ、各国は軍事力を強化しなくてはいけないのか。
終戦となって77年にもなるのに、今も「敵が攻めてきたらどうする?」と言う。ロシアのウクライナ侵攻報道で、軍備を整えろとか、核の共同使用とか、敵基地攻撃まで言われている。日本は憲法第9条で、「武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と謳っている国である。
日本は世界に向けて常に、この主張を繰り返し発信すべきなのだ。それが日本の使命であり、国民の義務である。本土のために多くの犠牲を強いられたばかりか、終戦後も過酷な状態に置かれた沖縄の人々への償いであると私は思う。
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