「老後の事が‥不安‥と言う方の為に」というチラシが入っていた。「老後の不安解決セミナー」と「会館見学会」を開くという葬儀会社の案内である。今日、カミさんに頼まれて運転手を務めたが、すれ違う車の大半の運転手は高齢者だった。
私がマンションに入居したのは30代前半で、出来たばかりのマンションの入居者はほとんどが30代から40代だった。今では70代から80代が多く、たくさんいた子どもたちは巣立っていき、中にはひとり暮らしの人もいる。
暇に任せて読んできた小説は、新聞で紹介されていたものだが、女性の作家のものばかりだった。『すべての月、すべての年』(ルシア・ベルリン)、『星を掬う』(町田そのこ)、『私は女になりたい』(窪 美澄)。いずれも高齢の女性が主人公で、共通しているのは離婚していることだ。
ひとり暮らしの人は、自分の今後の心配をするけれど、確かに死後のことは心配のひとつだが、本当はもっと違うところにある気がする。ひとり暮らしでも仲間がいて、おしゃべりする相手がいれば孤独感も和らぐが、誰とも話す相手がいない人もいる。
若い世代のようにスマホを使い、友だちが出来ることに憧れても、高齢者はスマホの使い方を知らない。スマホが使えず、家にばかりいる高齢者が、気楽に話し相手を見つけられる機会はほとんど無い。「シルバーの集まりに参加すればいい」と言う人もいるがちょっと違う気がする。
恋人と言わなくても、それに近いような楽しみが欲しいのだ。他愛もない話をして、クスリと笑い合える、そんな異性の友だちを求めていると思う。先輩が言っていた、「最後の恋」はそんなものなのかも知れない。
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