自民党の安倍派が、裏金作りをしていたと大きく報道されている。岸田首相は派閥を離脱したが、その岸田派も政治資金パーティーで実際に集めた金額よりも、政治資金収支報告書には少ない金額が記載されていると報道された。
自民党はみんなで、裏金作りをやっている印象だ。理由は、「政治はお金がかかる」からと言われている。地方には「選挙を手伝うから金をくれ」という風土がある。私が選挙に出た時も、「1票いくらで買う?」と露骨に聞いてくる者さえいた。
候補者や議員に群がる金の亡者を、きっぱりと切り捨てるのは覚悟がいる。ところが国会議員ともなると、派閥のドンら有力者と顔つなぎが出来るからと、政治資金パーティーへの参加を呼び掛けることが出来る。
パーティー券を買う企業は、当然見返りを求めている。企業や医師会のような団体が、パーティー券を買うのは自らの利益のためだ。政治家はたくさん売って、報告書に少なく書けば自由になる裏金が手に入る。
政治家はそんなにお金に困っているのかと思ってしまうが、国会議員の年収は2100万円もあるし、文書通信交通費や立法事務費なども支給される。10年以上勤めれば退職金だって出る。日本のサラリーマンの平均年収の460万と比較してもかなり多い。
さらに政党には政党助成金が支給されているから、議員には政党から配られる。日本の議員はとても恵まれているのに、どうして立派な人が少ないのだろう。みんなが同じようにしているから、次第に麻痺してしまうのだ。
お金を手に入れると、人はさらに増やすことの虜になっていく。「それが人間の本性だよ」と言う人がいるが、そんな風に諦めているから投票率がいつまでも上がらない。若い人に期待したいのに、他人のことに無関心な人が多い。泥沼から抜け出すことは出来ないのか。
日本の選挙民が無気力アパシー状態に陥ったのにも理由はある。小選挙区制は死票が多く、比例代表制はそれを是正している顔をしながら大政党の有利を補強している。オマケに当選者もバッチをつけてしまえば選挙公約など知らぬ存ぜぬ。国会議員の資質を鍛え直すためにも、中選挙区制の復活は必須だろう。
W氏のブログより
議会制民主主義は諸悪の根源を隠蔽するための制度であり、議会制民主主義の選挙制度とは、今の権力構造を維持するための国民を騙すための仕組みでもある。
選挙制度は社会構造そのものを変える仕組みではなく、ほんのひと時の自己満足に浸る程度のものである。