気になっていた映画『ドライブ マイ カー』を観て来た。村上春樹氏の原作とは全く違っていて、原作を下敷きにした創作映画のように思った。小説には無い演劇の公演が中心にあって、これに登場する俳優たちの物語でもある。
この演劇はアントン・チェーホフの『ワーニャ伯父さん』で、主人公は舞台監督で西島さんが演じている。ワーニャ伯父さん役を岡田さんが演じるが、実はこの男優と舞台監督の妻とは不倫関係だった。
愛し合っていた夫婦だったのに、なぜ妻は自分以外の男とセックスをするのか、それを解き明かすという点では小説と同じだ。小説の中の男は、主人公が付き合ってみるととてもいい男だが、映画ではすぐにカッとなる自制の効かない男になっていた。
この男優が傷害致死事件を起こしてしまい、演劇の公演を中止するか否かと追い込まれる。主人公は「少し考えさせてくれ」と言い、女性運転手の故郷の北海道へ出かけて行く。予告編などで出てくる場面は、この北海道へのドライブのようだ。
女性運転手は土砂崩れで母親を亡くしたが、実は助けられたかも知れないのにそうしなかった。主人公も妻のところにもっと早く帰っていれば、救急車を早く呼ぶことが出来たのにと悔やむ。ふたりはどうしようもない過去を背負っているのだ。
そこで舞台で、「過ぎ去ったことより、前を向いて生きていこう」のセリフが生きている。人は過去を変えられない。前を向いて生きるしかない。他人の心の中を見ることは出来ない。自分の心に従って生きていくしかない。上映時間の3時間はとっても長かった。
でも、映画では物語りがつむぐ進み具合と共に3時間を意識しなかったですょ。作品によるのでしょうか。
T歳の者が感じる1年が、 1/T 。
つまり10歳では1/10なのに、50歳では1/50となりますから、高齢者の方が同じ一年でも短く感じるというのでしょうか❔
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