◎ 先日(2002年12月)、広島在住の友人が、「最後の喫煙者」(筒井康隆著:新潮文庫)のコピーを郵送してくれた。しかも、老眼の度がすすんでいる私に気づかって、拡大コピーをしてくれたようだ。読んでいるうちに、「以前に読んだことがあるぞ」という記憶がよみがえってきた。この作品を書いた頃には、オーバーで過激な表現であり、それが面白さに通じていたと思われるが、筒井さんのドタバタ小説は単なるドタバタでは終わらないのだ。
◎ 良い作品は時を経ても古くならず、この「最後の喫煙者」に至っては、かえって現実が作品で描かれたことに近づいてきているようだ。筒井さんの未来予測は、毒気を含みながらも鋭い感性に裏づけられているから、愛煙家たちの現在をみるとき、笑い事では済まされないような真実味をもって迫ってくるものがある。(2002 12/17)
◎ 良い作品は時を経ても古くならず、この「最後の喫煙者」に至っては、かえって現実が作品で描かれたことに近づいてきているようだ。筒井さんの未来予測は、毒気を含みながらも鋭い感性に裏づけられているから、愛煙家たちの現在をみるとき、笑い事では済まされないような真実味をもって迫ってくるものがある。(2002 12/17)