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「監査役『野崎修平』」

2008年01月14日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
■■■作:周 良貨、画:能田 茂(集英社)■■■

◎ 小山近郊にあるマンガ喫茶へ出かけた。カミさんと子どものお気に入りお店なのだが、ぼくはときどき付き合いことにしている。ドリンクも2杯まで無料、これが案外ありがたいし、1階はオール喫煙席なのだ。ゴールデンウィークの合間、ダラダラするのにはもってこいの空間である。ぼくは、マンガ喫茶で三国志などの歴史物や「本田宗一郎物語」などのビジネス物を読んできた。
 今回は、集英社の「監査役『野崎修平』」に目をつけ、第一巻から第六巻まで読むことができた。実に面白く、ついつい持参したシステム手帳に抜き書きをしてしまったほどである。今日は、その中からいくつかを紹介しておきたい。まず、企業倫理と人事に関するテーマである。

(第1巻98ページ)
信用や正義は理想ではありません。銀行がまともな経済活動をしていく上での「コスト」です。世間の信用を失ったために、どれだけの損失を被ったかは誰よりも武田専務!あなたが一番ご存知ではありませんか。
(第1巻155ページ)
平等な人事というのは人が人を評価する事です。好き嫌いや個人の価値観・ヒイキが入るのは当然の事です。あなたもそうして人を評価してきたのでしょう?それが己に返ってきただけなんです。

◎ 次に、バブル経済とは何であったのか、銀行が果たした負の役割はいかにして増幅したのか、さらにはその渦中で悩み苦しむ人間模様などが、しっかりとした構成で描かれている部分である。特段のコメントは避けておくが、サラリーマンをしていると、しみじみと身に沁みる言葉だと思うので、ただただ味わっていただきたい。

(第4巻84ページ)
5年10年経たなければ評価されない仕事もある。自分の信じている事を貫けばきっといつかわかってもらえる。
(第7巻107ページ)
騒がぬ事です。知らぬが知るに勝る事もある。
(第7巻146ページ)
組織の活力はバランスの上に成り立つものです。静と動、強と弱、善と悪、トップはその采配を気遣うだけの存在です。

◎ これを書いた当時(2004/05/24)から、すでに3年以上(2007/08/10)も経過している。あのマンガ喫茶は、2年以上も前に「改装のため一時閉店」という看板を出したまま、再開の予定もなく現在に至っている。値段が安く、たばこも自由に吸えたので、わが家にとっては重宝していたお店だったのに、残念である。その後、競合店も出店してきたので実質的な閉店なのだろう。
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