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『人を生かす』稲盛和夫著(2)

2016年08月05日 | O60→70(オーバー70歳)
【052〜053ページ】
つまりあなた自身が仕事に精通していなければならないわけです。残念ながら、今のあなたは精通していないのです。
その証拠に、あなた自身が地域の会合や来客に時間を割かれ、仕事に集中できないとおっしゃっている。予定外の来客に会う必要などありません。それは何もしていないのと同じです。仕事一点に集中すべきです。こんなきついことをいうのは、そのくらいいわないとあなたの考え方が直らないと思うからです。

【068ページ】
中小企業にはそんな立派な社員が来るわけはありません。----しかし、そういう人たちをまず大事にするということから始めなくてはなりません。あなたにはその点が少し足りないのではないかと思うのです。
中小企業は、資金もあまりない、技術もない、徒手空拳で創業するケースが多いと思います。そうすると、そこにあるのは社員を含めた人間の心しかない。私の思想の根底にあるのは、その人間の心というものを大事にしてあげなければ、人をまとめることはできないということなのです。

[ken] 愚痴をまじえた質問に対して、稲盛氏は、仕事一点に集中する経営者(経営層)の姿を示し、なおかつ立派であろうがそうでなかろうが、共にいる社員を大事にする気持ちが伝わっていなければ、経営者(経営層)として「何もしていないと同じです」と突き放すように答えています。「人間の心というものを大事にしてあげる」には、してあげる側の心をたえず磨いておくことが不可欠です。簡潔な言葉のように見えて、自己研鑽を怠ることが許されない厳しいものなのですね。(つづく)
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佐藤優さんと池上彰さん!

2016年08月05日 | O60→70(オーバー70歳)
▼佐藤優さんの本を読み続け、ついでに対談本の相手であった池上彰さんの本も読んでみました。とくに両氏の『資本論』に関連する本はわかりやすく、今までなぜ「このような良書に気づかなかったのだろう」と悔やまれました。若い頃に「『資本論』は難解だよなぁー!」と痛感させられた記憶が残っていました。しかし、私自身の仕事や生活を通じて、身に付けたことと照らし合わせながら読んでいると、両氏の本が予想外に理解できました。
▼そして、マルクスを再読する勇気と、『宇野弘蔵著作集』にトライすることも楽しみになってきました。生半可な知識のまま、加齢とともに記憶が薄れていく中で間違いも多くなり、自分の思考力を阻害する傾向が顕著になってきました。佐藤優さん、池上彰さんの読書量と理解力、人に伝える文体、話し方・伝え方には頭が下がります。何よりもこの年齢で手遅れ感はありますが、私も少しは両氏を見習おうと思いました。
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