▼『黄昏旅団』は、文藝春秋社の新刊で、先輩女子のお子さんの著作です▼主人公であるグンやタイゼンなどの〈落伍者〉たちが、人の歩いてきた〈道〉を追体験することで、現代の世相や自分自身を振り返り、生きることの繊細な意味を問いかける、なかなかすの力作です▼私は栃木から横浜に転居し、ごった返す横浜駅構内や地下街、赤レンガ倉庫などで、どんどんと絶え間なく行き交う人々にもまれ、本書の道行きと重なるような感覚がありました▼まさに、絶好のタイミングで面白く読み終えようとしています▼「いつか読んだような雰囲気」や「既読感」はどうしてだろうと考えていたら、「ミヒャエル・エンデの名作『モモ』に似ている」と思い当たりました▼それから、けっこう泣かされた2012冬ドラマで、重松清さん原作の『流星ワゴン』、2016年春ドラマ『お迎えです』(田中メカ作の漫画作品が原作)とも重複するストーリーでした▼というわけで、本書から「たばこに関する記述」の抜き書きと、私のコメントを付記し、9回にわたり投稿しますので、ご一読いただければ幸いです。
【18ページ】
このコミューン(蒼穹の家)には、アナクロな生活規律があります。飲酒や喫煙は自由ですが、ほとんど嗜む者はおらず、電話やインターネットは通じません。
【28ページ】
グンのいでたちはというと、路地裏からの着の身着のまま、毛玉まみれのパーカーにブルゾンを重ね着してカーゴパンツを穿き、道端で拾ったシケモクや小物を放りこんだふにゃふにゃのエコバッグを提げていました。
[ken] たばこに関する記述を中心に抜き書きしていきますが、最初に登場したのは18ページのコミューン(蒼穹の家)における生活規律の「喫煙」で、次が「道端で拾ったシケモク」でした。そういえば、先日、エレベーターなしの5階に住んでおり、たばこが切れてしまった時にどうしてもすぐに吸いたくなって、ポケット灰皿から吸殻を選別し、久しぶりのシケモクをしましたが美味しくなかったです。(つづく)