
【80ページ】
竹中 (中略)飛鳥時代に「大化の改新」が起きて律令制度ができたというのは、唐という国が強大な力を持ってきて、それで朝鮮半島の三国時代を終わらせようとしていたからですよね。実際、唐と組んだ新羅によって、百済と高句麗の二国は滅ぼされました。
それに対して、日本でも統一された単一国家をつくらなければいけないというプレッシャーが働いて、それで公地公民や租庸調の制度を定めるなどして、律令政治というものができていったわけです。
【84ページ】
竹中 (中略)日米が戦後、これだけの関係を築けた1つの要因は、戦後すぐに始まったインテレクチャル・ エクスチェンジである「フルブライト奨学金」のような交流があったからです。実は、日本と中国の場合はそういう知的な交流の前に、ビジネスの交流が始まってしまっているので、そのベースになる知的な交流は意外と弱いんです。留学生の数なんかも決して多くないですし、研究者の行き来も少ない。
【101ページ】
佐藤 (中略)過去と断絶するときに、文字改革というのが起こります。だから中国は漢字を簡体字、つまり簡単の字体にしたことは、その前の古典から国民を遮断するためです。ロシアも、ロシア革命の時に4つの文字を廃止したことによって、古い文章は読めなくなってしまったんです。
ナチス・ドイツは、普通の英語と同じアルファベットにすることで、特にインテリたちとの断絶をしました。それまでドイツ人はひげ文字、亀甲文字といわれる「フランクトゥール」というドイツ独特の飾り文字を使っていたんですね。
(ken) 80ページについては、一昨年あたりから韓流ドラマに興味を持ち、とくに時代劇では中国や日本と関連づけて見ています。最近、音声を韓国語に切り換え、言葉の雰囲気にも慣れてみようと思っています。84ページの知的な交流では、私の友人が所属しているJICA(国際協力機構)の存在が、世界各国でクローズアップされてきました。経済交流だけで、世界の日本に対する理解を得ようとしても限界がありますね。101ページでは、文字改革の政治性について考えさせられました。(つづく)